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明日死んでしまうあなたへ  作者: 小畠愛子
第一章 旦那様は明日死ぬ⁉
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1日目②

 早朝、まだ日も昇らないうちに、わたしは使用人に起こされた。花嫁姿ではなく、なぜかエプロンを着用するように言われる。そして、使用人からこう告げられた。


「どうか、普段通りの日常を、普通のお嫁さんとしてお過ごしください」


 何を言っているのかわからず、わたしは聞き返した。


「普段通りの日常も、普通のお嫁さんも、よくわからないんですけど…」


 相手はバツ9かもしれないが、こちらは初めての結婚だ。しかも、式はおろか、会ったことすらないというのに、どう『普通』を過ごせばいいのだろうか?


「今はおわかりにならないかもしれません。ですが、どうかあなた様の考える、『普通』の日常を演じてください」

「演じる? それって、いったいどういう」


 わたしの言葉は、すさまじい悲鳴にかき消された。使用人が顔をしかめる。


「どうやら起きてらっしゃったみたいですね。お願いでございます。どうか、普通にお過ごしください」


 悲鳴が聞こえて、しかも近づいてきているのに、普通の日常など送れないだろう。そうつっこもうとしたその時だった。


「ぼくは、明日死ぬ!」


 …これがわたしと旦那様の、最初の出会いだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 朝起きて開口一番に放ったのが「ぼくは、明日死ぬ!」という一言ですか。 これは何とも穏やかではありませんね。 そんな旦那様の10番目の結婚相手となった愛子さんも、これにはさぞ驚いた事でしょう…
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