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明日死んでしまうあなたへ  作者: 小畠愛子
第二章 初めての、最初のキス。そして、初めての、最期のキス
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2日目④

「勇気様、ちょっと…」


 書斎で勇気様の原稿を読んでいる最中、使用人の中沢さんが見ていない好きに、わたしは勇気様に耳打ちした。


「勇気様は」

「ちょっと待ちたまえ」


 勇気様は口にスッと指をあてて、それからちぎった原稿用紙を渡してきた。そこには、『内緒話をしたいなら、これを使ってください』と書かれている。なんだか勇気様が、急に乙女チックに見えて微笑ましい。そう言えばこの方は、『織姫の涙』という恋愛小説の著者だった。もしかしたら、こういうのも案外好きなのかもしれない。


『ご提案があるのですが、ドライブデート、行きたくありませんか?』


 勇気様がくすりと笑う。わたしも声を殺して笑った。と、勇気様から紙が返ってきた。


『もちろんさ。でも、何か手があるのかい?』


 いよいよ笑いを押さえるのが難しくなった。すばやく中沢さんを盗み見ると、軽くあくびしている。これなら大丈夫だ。


『中沢さん、お酒はお好きですか?』

『じいは酒の好みはうるさいぞ。だが、ひどく弱いから一杯でも飲んだらぐでんぐでんになってしまう』


 それは好都合だ。それなら…。

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