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愛の魔物~魔王の娘ですが突然大陸の一部を統治しろと言われました。他の魔族を殲滅してもいいって、本当に?~  作者: みつまめ つぼみ
第1章:愛の魔物

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1.魔王の娘

長い話ですがお付き合いくだされば幸いです。


一度全75話60万文字書いた原稿をドライブ感重視かつ三人称で書き直しました。

全77話53万文字、前よりもいくらか減りましたね。











 魔王の娘、リーゼロッテの人生は、ブラッディ&バイオレンスだった。


「お父様、テディベット公爵の粛清、終わったわよ」


 謁見の間に、リーゼロッテの鈴を転がす様な声が響いた。

 鮮血の様な真っ赤なドレスを身に纏った彼女の姿は、その人生を象徴しているかのようだった。


 彼女は二十年前に生まれ落ちた直後から無能な同族の粛清を命じられ、それを毎日のように繰り返していた。

 彼女の手で命を奪われた魔族の総数は、この二十年間で三十万人に及ぶとも言われている。

 真偽のほどは不明だが、神魔大戦で生き残った総数、その半分に迫る勢いだ。

 彼女の神気と瘴気が混じった気配を感じた時には、逃れられない死を覚悟しろと言われるほどだった。

 彼女に命を狙われ、生き残れた魔族の個体は居なかった。



 謁見の間に、地の底から聞こえてくるような重たい魔王の声が響き渡る。


「よくやったリーゼロッテ、次はダグムロイト公爵の粛清だ。奴の統治が思わしくない。今すぐ赴いて始末して来い」


 魔王が座る玉座には、わだかまる闇の様な瘴気の塊が鎮座していた。

 リーゼロッテも、この中に居る魔族の姿を見せてもらったことはない。

 実の娘でありながら、その顔すら知らない――そんな父娘だった。


「ちょっとお父様!

 私は今帰ってきて、報告を上げたばかりよ?!

 また休みもなく次の任務を言い付けるとか、酷くない?!」


 不満気にがなり立てるリーゼロッテ向かって、再び魔王の声が響き渡った。


「ダグムロイト公爵は四魔公が一人。

 お前でなければ手に負えまい。諦めろ」


 四魔公――魔王軍上位四人の総称だ。

 その粛清に、他の粛清隊員では力不足。

 それを悟ったリーゼロッテは、力なく項垂れた。


 だがリーゼロッテはすぐに気を取り直して顔を上げ、魔王に尋ねる。


「四魔公なんて粛清して、統治に支障は出ないの?

 後任はどうするのよ?!」


「後任の選定には難航している。

 正式に新たな四魔公が定まるまで、お前がダグムロイト公爵の代わりに大陸南西部を統治しておけ」


「ちょっと?!

 私が執政官になって魔族や人間を統治しろって事?!

 出来ないわよ、そんな事!

 やった事ないし!」


「各集落は貴族級魔族が統治している。

 お前はそいつらを監督し、指示を出せば良い。

 細かいことは宰相に伝えてある。奴に聞け」


 魔王の有無を言わせぬ言葉に、リーゼロッテは深いため息をついた。


 気怠い声でリーゼロッテが魔王に応える。


「わかったわ。

 でもそれで失政しても、責任は取れないからね!

 そこは忘れないでよ?!」


 リーゼロッテはドレスを翻し、謁見の間を後にした。





****


 魔王城の廊下を乱雑に音を立ててリーゼロッテは歩いていた。

 どこからどう見ても不機嫌の塊だ。


「おや、殿下はご機嫌斜めですかな?」


 わざわざ、わかりきっている事を嫌味たらしく言う魔族――四魔公の一人、ウィレンチュラ公爵だ。


 リーゼロッテは強い嫌悪感を込めた冷たい眼差しで、ウィレンチュラ公爵を睨み付けた。


「あなたには関係ないわ。

 それより四魔公が魔王城まで来て何をしてるの?

 統治を怠けていると、貴方まで粛清対象になるわよ?」


 ウィレンチュラ公爵は子馬鹿にしたような笑みを浮かべて肩をすくめた。


「おー怖い怖い――いえね、ダグムロイト公爵が粛清される、なんて噂を小耳に挟んだのでね。

 陛下に直接、真意を伺おうと参ったのですよ」


「噂じゃないわ。

 たった今、私がお父様から直接指示された事実よ。

 貴方も死にたくなければ精々仕事に励む事ね」


 ウィレンチュラ公爵はリーゼロッテを見下ろし、楽しそうに哄笑を上げる。


「ははは! さすが魔王の娘ですな。

 実に恐ろしくて、この身が震えますよ。

 あー恐ろしい。ふふふ……はははは!」


 ウィレンチュラ公爵の目に余る侮蔑的な言動に、リーゼロッテが歯ぎしりした。


「あまり無礼な態度を取っていると、私にも我慢の限界というものがあるわよ?」


「ククク……そういうものは、魔王の娘としての威厳を兼ね備えた姿になってから仰って頂きたいものですな。

 そんな貧相な身体で威勢の良い言葉を吐かれても、可愛らしすぎてこちらこそ思わず殺してしまいそうだ」


 リーゼロッテの目に怒気がこもる。


「――?!

 そんなに死にたいのかしら」


 だがウィレンチュラ公爵はリーゼロッテを見下ろしたまま、彼女を蔑んだ笑みを変えない――彼女が手を出さないと知っているからだ。


「殿下が私を?

 今この場で?

 できるものならやってみれば宜しい」


 リーゼロッテは愛と平和を愛し、暴力や争い、諍いの類を嫌う。


 理由がない限り、彼女がその強大な力で死を振りまくことはない。

 そしてその理由に『自分が腹を立てた』という自分本位で暴力的ものは含まれない。

 魔王からの命令でもなければ、彼女に命を脅かされる事はないのだ。


 普遍的な魔族と真逆の性質をした、魔族の異端リーゼロッテ――魔族の間で有名な話だ。


「どれほど腹を立てようと、殿下は私を殺せまい?

 できればその神気臭い瘴気を私の傍でばら撒かないで欲しいものだ。

 実に気分が悪い」


 リーゼロッテは強く歯を噛み締め、更なる怒気を込めて睨み付けたが、ウィレンチュラ公爵は気にする様子もない。


 そのまま身を翻し、悠々とリーゼロッテに背中を見せて歩いて行く――殺せるものなら殺してみろ、という挑発だ。


 彼の姿が曲がり角の向こうに消えるまで、リーゼロッテはその姿を睨み続けていた。





 リーゼロッテが大きく深いため息をついた。

 彼女の悩みの一つ、それがこの外見だ。


 人間でいえば十五歳前後の可憐な少女、身長百五十センチをわずかに超える程度の、小柄な子娘だ。

 人間の世界では類い希な美貌を持って居ても、血と暴力が蔓延る魔族の世界では何の役にも立たなかった。


 ――こんな魔王の娘が、どこに居るというのか。


 自分の不甲斐なさに意気消沈しながら、リーゼロッテはとぼとぼと執務室に向かっていった。





****


 リーゼロッテが執務室の扉をくぐると、明るく優しい声が彼女にかけられた。


「殿下、お戻りになられましたか」


 宰相、アーグンスト公爵。

 魔王の右腕として、魔王城で文官の職務を兼任している。

 日夜、魔族が嫌いな書類仕事に励む変わり者だ。

 暴力を嫌う、理知的な魔族の個体として知られている。

 その性格から、彼女にとっては付き合いやすい魔族の一人だった。


 リーゼロッテが少し明るい表情になって応える。


「ええ今、お父様の所から戻ったわ。

 私の居ない間に、何か変わったことはあったかしら」


「いえ特には――殿下の次の任務に関して、事前に手はずを整えていたぐらい、ですかね」


 リーゼロッテが不安気にアーグンスト公爵に尋ねる。


「私なんかが執政官なんて務まるのかしら?

 それにどのくらいの期間、その任務に就いていればいいの?」


「仔細は副官のヴィクターにお任せください。

 殿下はその是非を判断して頂ければ、それで充分です。

 期間はおそらく、百年ほどでしょうか。

 後任の四魔公が決まるまで、そのくらいかと」


 魔族の百年――人間の体感なら十年前後だろうか。


「結構な長期間ね。

 他にお父様から言われてることはあるの?」


「現在、大陸の人間が絶滅を危惧されております。

 殿下には『増産と出荷の計画』を推し進めて頂きたく思っております」


 ――増産と出荷の計画。

 大陸南西部で人間を生産する工場を作り出し、それを他の地域に出荷する計画だ。

 人間が牧畜を飼育するように、魔族が人間を飼育する――そんな計画だった。


 実に愛と平和に満ちた、牧歌的な計画だ――リーゼロッテは反吐が出る思いだった。


 リーゼロッテがうんざりした顔で尋ねる。


「人間を増やせってのは、何をすればいいのかしら」


「大陸南西部に、魔王軍に対抗する地域を作って頂きます」


 まず、南西部の国家を立て直し、魔王軍に反攻できるだけの数を増やす――これが増産に当たる。

 増えた人間が魔王軍の管理する他の地域に侵攻してしてくるので、それを捕らえる――これが出荷に当たる。


 勝手に増えた人間が、自分たちの足で魔族の領域に足を踏み入れ、捕縛される。

 捕縛された人間は魔族全体に配分され、食糧となる。


 魔族はただ、待ち構えているだけでいい。

 実に効率的なシステムだと、アーグンスト公爵は得意げに胸を張っていた。



 リーゼロッテが呆れたように呟いた。


「人間がそこまで愚かだとは思えないわ。

 それにまず私が最初に狙われるでしょうに」


 アーグンスト公爵が不敵に笑った。


「人間が殿下に歯向かう事など、できはしませんよ。

 殿下は増産に励みつつ、定期的な出荷を心掛けて下さればそれで結構です」


 リーゼロッテが懐疑的な眼差しを向けた。


「本当かしら……増産はともかく、愛と平和を愛する私に、人間たちに『絶望が待ち受ける死地に赴く』よう促せと、そう言うのね?」


「仰る通りです。

 なに、殿下ならお出来になりますとも。

 増産のためなら大陸南西部の魔族を壊滅させてしまっても構いませんよ。

 食糧問題が緩和されます」


 平然と口減らしを言ってのけるアーグンスト公爵に対して、失望を感じたリーゼロッテが肩を落とした。


 アーグンスト公爵が彼女を励ます為に、言葉を告げる。


「殿下、気落ちする必要はございません。

 殿下も紛れもない魔族、それも飛び切りの魔性を持っておいでです。

 全ての魔族の中で最も悍ましい存在と呼んでも、過言ではありませんから」


「それで褒めてるつもり?!

 悍ましいだなんて言われて喜べる感性はしてないわよ!

 それに私のどこが悍ましいのかしら!」


 リーゼロッテのへそが曲がりかけたのを見て、アーグンスト公爵があらかじめ用意していた『ご褒美』を告げる。


「そんなことよりお疲れでしょう。

 新鮮な人間が入荷しました。

 是非、最初の一口をお召し上がりください」


 リーゼロッテの目がパッと輝いた。


「新鮮な人間?! どこどこ?!」


 アーグンスト公爵が指を鳴らすと、隣の部屋から従僕に抑えつけられた人間の少女が一人、姿を現した。


 少女は怯え、不安気に周囲を見渡している。


「収穫したての人間です。

 どうぞお召し上がりください」


 リーゼロッテが恐る恐る少女に近付くと、少女は弾けるようにリーゼロッテの顔を見た。

 その瞬間、少女はリーゼロッテに恋に落ち、虜になった。心が囚われたのだ。

 リーゼロッテは恋慕の感情を丁寧に貪る。

 恋慕が愛と歓喜に代わり、それもまたリーゼロッテは丁寧に貪り尽くしていった。


 リーゼロッテは無心に感情を貪りながら呟いていく。


「ああ……新鮮な魂の味はいいわね。

 特に若い女の子の魂は格別の愛を滴り落とす。

 瑞々しくて甘酸っぱい味わいが最高よ。

 仕事の疲れが吹き飛ぶわ」


 魔族の食糧、それは人間の感情だ。


 普遍的な魔族は負の感情――怒りや憎しみ、絶望の類を好んで食べる。

 リーゼロッテはその逆、正の感情――愛や喜び、希望の類を好んで食べた。


 その性質上、魂が生きようと藻掻けば藻掻くほどリーゼロッテに感情を貪られて行く。

 貪られた側も、感情を貪られる事に『命を燃やして生命を謳歌する喜び』を覚え、より強い感情を迸らせていく。


 彼女は人間の思慕を強制的に誘発する魔性のような体質をもっていた。

 彼女に思慕を抱けば抱くほど、より強く思慕を抱く。

 そうして、命の限りを愛に尽くす事ができる実感を得る。

 人間はリーゼロッテに吸い寄せられ、自ら生命力を差し出すかのように愛を捧げていく。


 思慕を誘発する体質を持ち、愛を好んで食べる彼女だけに許された捕食関係だ。



「人間の魂から直接生命力を吸い出すその悍ましい姿、まさに魔王の娘として相応しいお姿ですよ。

 他の魔族には真似のできない行為です」


 アーグンスト公爵の言葉は、リーゼロッテに届いていない。

 彼女は大好物を貪り尽くすのに夢中だった。


 やがて少女の感情が限界を超えて失神し、リーゼロッテの食事の時間が終わった。

 人間は過度に強い感情を抱くと意識を保っていられなくなる――情動失神と呼ばれる人体の機能だ。

 意識が無くなれば、感情も途切れてしまう。


「はぁ、美味しかった。

 もう少し食べたかったけど、これ以上は死んでしまうものね――でもどうして私に最初の一口を?」


「殿下は陛下の娘、陛下の次に高貴な方。

 上質な食事を口にするのは当然と言えましょう」


 リーゼロッテは小首を傾げた後、アーグンスト公爵に応える。


「私は一度、食事をしに部屋に戻るわ。

 美味しいおやつを食べたらお腹が刺激されちゃった。

 また後で来るわね」


「はい、ではお待ちしております」


 リーゼロッテは彼の声を背中に受けながら執務室を後にした。





****


 リーゼロッテを見送ったアーグンスト公爵が失神する少女を見て、冷笑を浮かべた。

 そのままつかつかと歩み寄り、覚醒の術式で無理やり意識を引き戻す。

 気怠そうに目を開けた少女の頭を鷲掴みにし、その目を捕らえた。


「目が覚めたか?

 お前は今日から魔王城に仕える召使いの一人だ。

 この城の魔族たちに感情を差し出す家畜となった。

 だが運が良ければ、また殿下から愛を与えて頂ける。

 しっかり役目を果たせ。

 理解したなら返事をしろ」


 少女は恍惚とした表情でゆっくりと「わかりました」と応えた。


「――よし、連れて行け」


 従僕たちに連れられて、少女は執務室から去っていった。

 こうした召使いたちが生み出す負の感情が、魔王城に居る魔族の食事を賄うのだ。



 少女を見送るアーグンスト公爵の傍らに、いつの間にか紫紺の髪の青年が姿を現していた。

 アーグンスト公爵が愉しそうにその青年に語る。


「リーゼロッテの愛こそ、魔王の娘として相応しい愛だと、そうは思わないか? ヴィクター」


 ヴィクターは言葉を返さず、黙したままだ。


「お前ほど強靭な精神を持った人間ですら、魔族に恭順せずにいられなくなる――彼女の愛が、再び欲しいか?」


 ヴィクターは応えず、身動きもしない。


 アーグンスト公爵が退屈そうに言葉を告げる。


「……そうか、要らんか。

 ならば、彼女に同行させるのは別の魔族にしよう。

 お前は魔王城で留守番だ。

 百年ほどな。或いはもっと長期に渡るかもしれんが」


 ヴィクターが弾けるように反応した。


「――どうかそれだけはお許しを。

 彼女の愛を、再び頂ける機会を私にください」


 屈辱で顔を歪ませるヴィクターの顔を、実に愉し気にアーグンスト公爵が眺める。


「一度は黙秘で『要らん』と示した愛だ。

 お前ごときにくれてやるのが惜しくなった」


 ヴィクターが歯を強く食いしばり、固く拳を握った。


「……だが、犬のように這いつくばって靴を舐めて見せれば、私の気も変わるやもしれんぞ?

 やるだけやってみたらどうだ?」


 ヴィクターが屈辱に震える身体で跪き、這いつくばってアーグンスト公爵の靴へ唇を落とした。


「お前の憎悪は実に美味いな。

 その絶望も味わい深い。

 二十年前、唯一魔王である私に手傷を負わせた人間の勇者が、我が娘の愛欲しさに魔王の靴を舐めるのだ。

 なんとも滑稽で浅ましい姿だと思わんかね?」


 ヴィクターは応えず、屈辱で震えたまま靴に唇を落とし続けた。


「いいかヴィクター、貴様の役目はリーゼロッテが無事に計画を遂行する補佐をする事だ。

 それを最優先に行動しろ――貴様は魔族の犬だ。

 理解したなら犬のように応えろ」


 烈しい憎しみを滲ませた犬の吠え声が、執務室に小さく響いた。


 アーグンスト公爵が満足気に冷笑を浮かべた。


「そうだ、それでいい。

 貴様は私を憎め。

 私はその憎悪を食らう。

 私を肥え太らせる為、貴様はもっと私を憎むがいい。

 だが貴様が私に逆らう術はない。

 己は真に魔族の犬に堕ちたのだと理解しながら、娘に仕えるがいい――

 理解したなら、その汚らわしい口をどけろ。

 立ち上がって娘を呼んで来い」


 ヴィクターが静かに立ち上がり、暗い顔で俯いたまま執務室を出ていった。




 アーグンスト公爵は、冷たい微笑みを浮かべながら我が子を想う。


「リーゼロッテの奴、また部屋にいる人間全員の愛を貪っているな?

 あの子の貪欲さも底なしだな」


 慈しみを含んだ眼差しで彼は娘の姿を想像していた。

 彼にとってもリーゼロッテは愛しい娘だった。

 あれほど卑しく悍ましい生命を生み出せた自分を誇らしく思っていた。



 リーゼロッテは心に愛を持って生まれ、愛を渇望する個体。

 同時に愛と生命を冒涜するような捕食関係を構築する存在でもある。


 哀れで悍ましい愛の魔物。

 人間を己に堕落させずに居られない、この世で最も清らかで、かつ最も穢れた汚泥。

 醜悪なほどに無垢な、愛しい自慢の我が子だった。


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