第二十四話 鬼人
大変お待たせしてすいませんでした
また少しずつ書いていくので良ければ応援よろしくお願いします
では本編どうぞ
死を覚悟した楓斗だったが、いつまで経ってもその気配はやってこない。ゆっくりと目を開けると、謎の長髪の少女の後ろ姿とズタズタに引き裂かれたデスハウンドが見えた。少女の巫女装束は返り血で真っ赤染まっていた。
少女がゆっくりとこちらに振り返る。その顔は赤い鬼のお面で覆われていた。表情は読めない。
「次は無いと思え、知識の権能」
美しく冷え切った声だった。抑揚がない。カトレアと違って愛嬌すら感じられないロボットのような声。
「……そう思うことにしておく、ありがとう」
少女の反応は無かったが、すぐに振り返ると残っていたグレートハウンドの群れに突入していった。カトレア、アレス、ラミア、ユーリが束になっても苦戦していたグレードハウンドをあっという間に一掃していく。俺たちはそれを眺める事しかできなかった。
「おーい、モミジ〜、頑張ってるカナ〜?」
後ろから何人かの足音と癖のある声が聞こえてきた。悲鳴を上げる全身を鼓舞して立ち上がると、後ろから抱きつかれた。
「楓斗クンじゃないカ!アタシ心配してたんだヨォ!」
バランスを崩しそうになるが、抱きついた体制で支えられたので倒れる事は無かった。
「なんで早苗がここにいるんだよ」
早苗は俺の横に顔を出すとニマーッとした顔で語り出す。
「楓斗クンが心配だったからに決まってるじゃないカ!大急ぎで駆けつけてあげたんだヨ?」
「何言ってんだ、俺が取り引きしたんだよ」
後ろから涼也が出てきて突っ込んだ。どうやら涼也の手配でなんとかなったらしい。
「ウンウン、そう言う事にしておいてあげるヨ。交渉の末に決まったことだからネ!」
何故か涼也は悔しそうな表情だが……もし何か弱みでも握られたなら俺が補填してやろう、と思った。
ユーリとサマルの元には神官の姿をした青年がかけより手当てをしている。サマルがあれだけ深刻な傷と言っていたユーリの怪我をあっという間に直してしまっていた。ユーリが目を覚ますと、サマルが泣きながら抱きついていた。
青年は治癒が終わるとユーリ達には目もくれず早苗の元へ戻ってきた。
「終わりました、神様」
「ウンウン、ありがとねネストクン。もう少し愛嬌があるともっと良いんだけどネ」
「努力します」
そこへ先程の少女も戻ってきた。仮面も巫女装束も返り血で真っ赤に染まっている。
「終わりました、神様」
「モミジチャンもありがとネ。ちょっとやり過ぎな気もするけどまあ今回は許してあげるヨ」
「前回も同じことを仰られていました」
モミジが仮面を外すと、中から絶句するレベルの少女が出てきた。あまりの美しさに俺は思わず見惚れてしまった。
「……欲情が湧き出るのは分かるけどね楓斗クン。物凄い剣幕で睨まれてることには気付かないカナ」
早苗に指摘されてハッと見回すと、負のオーラ全開のカトレアがこちらへ歩いてきているところだった。その後ろでアレスがラミアをおんぶしながら歩いてきている。
カトレアは俺と早苗の元にくると、早苗から半ば強引に俺を奪った。もう動く気力が残っていない俺はされるがままだった。
「手助け感謝します、このご恩は忘れません。私達は用事があるので失礼します」
カトレアはそういうとスタスタ歩き出した。ガロンがため息しながらついてくる。後ろから早苗が
「落とし物は後で分けるからウチに来なヨー!」
と言われたので取り敢えずグーサインで返しておいた。
こうして俺達の初めてのダンジョン攻略は散々な結果に終わったのだった。




