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第二十三話 絶叫



 デスハウンドの猛攻は一向に止まず、カトレア・アレス・ラミアの3人を持ってしても防御に徹するのが精一杯だった。グレートハウンドとの戦いから猛攻を受け続けているアレスは既に疲弊しており少しずつ動きが鈍くなっているが、カトレアが何とかカバーしている状況だ。



「アレス、下がりなさい!私のカバーも限界があるんですよ!」


「お兄ちゃん!一回下がって!」



 カトレアもラミアもアレスに言い放つが、アレスは首を横に振る。



「カトレア姉ちゃんとラミアが精一杯頑張ってるのに僕だけ蚊帳の外なんて許さないから!」



 俺は外から眺めることしか出来なかった。知識の神の権能でデスハウンドの行動パターンも知ってはいたが、いかんせんイレギュラーな事態故にパターン通り動くのかも分からない。実際何度かパターンから外れた行動もしている。

 それに、相手の攻撃を避けれたとしても俺には大した攻撃手段が無い。時間稼ぎぐらいは出来るかもしれないが、カトレア達と上手く入れ替わる必要がある上ユーリの状態からしてあまり長くはいられない。



「グオオオオオオオオオオオ!」



 デスハウンドが突然大きな雄叫びを上げた。その衝撃波でカトレア達は一斉に吹き飛ばされてしまった。

 その内ラミアは俺の方に吹っ飛んで来たので、受け止める体制に入る。受け止めた瞬間その勢いで俺も巻き添えを食らったが、ラミアはさほど怪我をしていなさそうだった。カトレアは吹き飛ばされたのにしっかり着地しており、相変わらず才能の塊であることを感じさせた。アレスは打ちどころが悪かったのか気絶している様子だが、カトレアがすぐに歩み寄ったのでひとまず大丈夫だろう。



「ラミア、大丈夫か」



「大丈夫…です!」



 ラミアはこんな時でも俺に微笑んで見せた。愛くるしい子だな、と一瞬油断した。







 それがいけなかった。









 カトレアの切羽詰まった声が響く。



「ラミア!後ろ!」



 俺の前にデスハウンドが来ていた。まずい。碌な防御手段が無い。デスハウンドは雄叫びを上げながら俺たちに向かって凶悪な鉤爪を振り下ろす。俺は咄嗟にラミアを後方に投げ飛ばした。





 俺は生まれて初めて死を覚悟した。そこからはまるでスローモーションのように全ての動きが遅く思えた。



「神様!?」



 投げ飛ばした方向から、ラミアの悲鳴の如き叫びが聞こえた。



「神様!」



 動かない身体を目一杯動かすカトレアが見えた。



「駄目ですっ!」



 サマルがワナワナと慌てふためく様子が見えた。



「グオオオオオオオオオオオ!」



 無防備な俺に向かってデスハウンドの凶悪な爪が、俺の全身に降りかかる。俺は咄嗟に両手で顔を覆いながら目を瞑ってしまっていた。

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