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第十四話 実力



 その翌日。俺は昼間に涼也(りょうや)と合流し適当な店に入って話し合った。



「確かにそんな噂が流れてる話は知ってるが…そこまで深刻に考えることなのか?」



「不安なんだよ。俺自身ならともかく、眷属に嫌がらせとかあったら困る」



 そう吐露すると、涼也は笑い出した。



「無い無い!颯斗(ふうと)、お前今日評議会が発表したやつ見てないだろ」



「…は?」



 確かに評議会が何か発表をしていたことは知っているが、何なのかまでは見ていなかった。



「今日評議会が発表したのはギルドの順位だ。人数、実績、レベル平均等を総合的に見て強いギルドが判別される。ちなみに俺のとこは7位だった」



「へぇ」



「お前らのとこ、5位だったぞ」



「そっか、どうせ低いと…待て待て待て、5位、だと?」



 人数も少ないし最弱の神として認知されている俺たちのギルドが、なぜそこまで評価が高いんだろうか。



「颯斗、お前眷属のレベルどうやって上げたんだよ。俺だって一生懸命突き詰めてもレベル9が限界だったんだぞ。なんだよレベル14って。都市の中でもぶっちぎりなんだぞ」



「さあな。わざわざ明かしたいとも思わない。と、いうか下手に知られたら俺達がもっと恨み辛みを買う羽目になる」



 いくら信頼している涼也であっても、流石に心眼を明かすのは憚られた。洸平との一件からカトレアは更にレベルを上げ今やレベル14にまで到達しているから襲われてもいなせるだろう。アレスとラミアもレベル11だから大半の相手には勝てる。

 ただ、多くの人間から悪意の目を向けられることは避けたかった。特にアレスとラミアはようやく普通の生き方に慣れてきたのだから、彼らにはひたすらに笑っていて欲しい。そう願ってやまない。



「…颯斗が言いたくないなら下手に首は突っ込まない。けどよ、絶対評議会には目をつけられてるぞ。それこそ洸平の一件含め」



「評議会は…そうか、胡桃(くるみ)がまとめてるんだっけか。まああいつならその内こっちに突撃して事情聴取ぐらいはするかもしれないか…」



 前の世界で生徒会長をしていた胡桃は、とにかく安定と伝統に重きを置くタイプだ。不慮の事態は彼女の嫌いな分野の筈。寧ろ何故洸平の一件の際に動かなかったのか不気味ですらあったが…。



「評議会は何かあればいきなり拘束とかそんなことはしないだろ。都市の秩序を纏める立場上、大それた真似は出来ない筈」



「そうかもだけど、楓斗も気をつけろよ。眷属が質問攻めされてるかもしれないから」



「…ああ」



 取り敢えずその日は解散。各々飲んだココアとコーヒーの代金を支払い、店を後にした。




 ギルドの施設に戻ると、玄関前で見知らぬ老人とカトレアとが話しているところだった。カトレアは少し困った表情をしており、俺がいることに気づくと手を振った。小走りでカトレアの元へ行く。



「どうした?カトレア」



「この方が我々のギルドに入りたいと言って聞かないのです」



「へ?」



 老人の方を見る。年齢は60代後半といったところか。ぱっと見では冒険者に向いてるとは思えない。



「バカにするな小娘ごときが!ワシはこれでも昔は敵をバッサバッサと…」



「その話は何度も聞きました。だから少し実力を計らせてもらえないかと言っています」



「バカよのうお主は。ワシがまともにその力をふるえば貴様は塵となるぞ」



 老人はやけにハイな人物らしい。面倒なのがきたな…。



「と、いうことなので神様、後処理お願いします」



「おいカトレア、めんどくさいからって投げ出すな」



 カトレアは施設内にヒュッと逃げ込んでしまった。仕方なく老人の相手をすることにした。



「少しだけで構わないので、実力を測らせて貰えませんか?うちの道場なら私が防御シールドを形成しているので他者に迷惑はかかりません」



 すると老人は俺の顔を見つめ、やがて頷いた。



「ウム、貴様ならワシの攻撃にも耐えうるじゃろう。死んでも恨むなよ」



 過信も度がすぎるんじゃないか…?と思わずにはいられない。




 道場で俺と老人は対峙する。



「では、どうぞ」



 俺は老人に先手を譲る。どうせすぐ終わるだろ…との思いからだった。



「ならワシかれ行かせて貰おう、ほれ!」













 目の前に数メートルはあろう火の玉が出現する。

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