ホワイトムーブ
車の下に潜り込んだ
薄汚れた子猫
何の意味も分からず
彷徨ってきたのだろう
病気も怪我も餓死も
その先に転がっていて
死ぬことすら知らない
命なんてそんなものだ
踏み潰して遊んで
終わったら忘れる
人間の生き甲斐は
全ての時間軸で変わらない
何か悪い奴なら
死んでも良いらしい
敷地に侵入してきた子猫も
死んで良いのだろう
命だけで計算するなら
そういうことになるじゃないか
社会的にくったばった奴のことは
遊び道具と変わらないのだ
人を大切にしていますって
どの口が言っているんだか
他人の為のロープで締めあげて
あいつは悪い奴ですって
言っていればいい
それに何の価値があるのか
白色で居る為の道具であり
倫理観や道徳心とは
かけ離れているただの溝掃除
お前の掃除の仕方は汚ねぇよ
塵が無くなればいいんでしょうって
揶揄っているだけの人間と変わらない
ほら、綺麗になったって
お前の綺麗の基準には
塵がゼロであることしか
入っていないのか
やり方、順番、結果の推測
どの形が一番良いか
これからのことをどう考えるか
過去と今と未来の時間軸を見て
崩れ過ぎないことだ
塵がゼロになって良かったねが
社会的な掃除の仕方ではない
塵がゼロになることは無いのだから
ギリギリの選択肢を取らないように
危険な形に沈まないように
一つの形を作り
温情と優しさを唱えるなら
他人から奪い過ぎていけない
そんなことも考えず
白色で居るでしょうと
社会にツッパっているのだろうか
他人を許せない塵が多いのは
今、自身が持っている優しさに
関係無いと思っているのだろうか
行動は人を写す鏡である
感情は人に映る姿である
白色の馬鹿げた姿が
他人に色を塗り付けて
自分とは違うと蔑んでいるみたいだ
あれを地獄の色と云うのだろう
ホワイトムーブと云うのだろう