42話 アマゾン
有言実行通り、何とか月二回達成できました。
長いですがよかったら最後まで読んでください。
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42話 アマゾン
「本当に大丈夫なのか?」
俺、”勇者”、ヨウさん、そしてユウリと呼ばれる男の4人で先を目指しながら、ユウリに対してそう尋ねた。
何故そんな事を聞くかの理由は簡単だ。
彼がコウジさんの研究者仲間であるからだ。
体つきを見ると、確かにコウジさんに比べて恵まれており、全く動けないって感じはしないが、それでも研究者の男だ。
さすがに、体力的な問題で今後キツイと思うんだが、
「大丈夫だ」
と、返してき、
「わがままかもしれないが、俺もコウジも今から向かう先にすごい興味があるんだ」
「研究者のサガって奴か?」
「ああ」
「だったら俺達に言ってくれればいいのに」
そうしたら俺達が調べたり、探したりしてやるってのにわざわざ現地に行こうとするなんてな。
「それが一般的かもしれないが、状況で変わるし、何よりこの目で見たいんだ」
と、強く真剣な顔で言われた。
最初は幸の薄い顔で良くわからない奴ではあったが、話を聞くと自分の中に芯があるように感じる。
「見えたよ」
その声を聞き、前を見ると何か建物があっただろう建物の痕跡が見える。
「あそこか?」
ヨウさんは頷き、
「ちょっと待ってね」
と、言って地面に手を付けた。
「よし、特に問題ないわ」
おそらくここら一帯を簡単に索敵してくれたんだろう。
周りの安全も確認できたので、”勇者”を先頭に目的の物がある場所へと進み始めた。
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「おっ、あるな」
目的の物まで何の問題もなく辿り着く事ができ、”勇者”は石の床に書かれた魔法陣に手をかざした。
「コレは」
だが、その時何か気付いたみたいだ。
「どうしたんだ?」
何に気付いたのかを聞くと、
「使えないな」
まじかよ。
また、コレで振り出しかと持っていると、
「今はまだ。ヨウなら二三日でつかえるようになるだろ」
ヨウさんの方を向き、ヨウさんも魔法陣に近づくと、
「そうね、そのくらいでなんとかなると思う」
じゃあ、
「コレで、アマゾンに行けるのか」
「ええ、行けるわ」
ヨシ、俺は拳を握った。
「それに二人の予想通り周りに敵がいないのも幸運だな」
ああ、とりあえず油断はできないが、アマゾンに行く目途が立った。
「とりあえず、二人は周りに目を向けといてね」
ヨウさんは俺と”勇者”を指し、俺達は頷いた。
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「フワァー」
ヨウさんに言われた通りに周りの警戒をしてはいるが、特に何もなく10時間程経過して思わずあくびが出てしまった。
というより、多分何かあっても”勇者”が気付くだろうしわざわざ俺まで見る必要はあんまりない気がする。
「おい、見てみろよ」
ただ、どの重要な本人は飽きて当たりを散策して何か見つけるたびに言ってくる。
「コレは何て言うんだ?」
ココ10年間、牢屋の中に引き籠ってからの久々の外なわけだしはしゃぐ気持ちはわからなくもない。
「そいつは”刀”って奴だな」
「”刀”?」
「ああ、”日本刀”とも言って、鞘に納めて腰に掛けるんだ」
俺が言うと、”勇者”は腰に掛けようとしているが、あまり上手くできずにいた。
「違う、違う。ちょ貸してみな」
”日本刀”を手に取って、
「こんな感じだ」
「おー、ちょいと返して」
と、再び”日本刀”を腰に俺がやったように腰に掛け、
「どうや」
俺にドヤ顔を向けてきた。
「剣とはまた違っていいな。カッコいいし」
”日本刀”を結構気に入っている感じだ。
「”日本刀”、日本と呼ばれる地域の”侍”が使ってた武器で、”軽い、折れにくい、よく切れる”って言われているらしい」
「詳しんだな」
「母親が日本出身だからな」
「そうなのか、今は何してるんだ?」
「さあな。まあ、避難地のどっかで生きてるんじゃないか」
訓練所に入る少し前から、顔どころか連絡すら取らなかったな。
でも、軍んからそう言った訃報はこなかったから生きてるとは思うんだがな。
「そういう”勇者”の親はどうしてるんだ?」
「俺に親はいないぜ」
「そいつはすまないな」
少し悪い事聞いちまった。
「気にしなくて良い。俺は生まれた時に教会に捨てられただけで、この戦争には関係ないからな」
それはそれで何か気まずい話ではあるけど、
「そのおかげで”勇者”選抜に選ばれてるし、結果オーライって奴だ」
「選抜?」
突然聞きなれない言葉が聞こえた。
「ああ、”勇者”の選抜を10代前半の子供から選んで、その選抜者を教育して優秀者12人が”勇者”として選ばれるんだ」
「へー」
そんな風に選ばれてるってのは知らんかった。
「基本的には俺みたいな孤児や推薦、試験を突破した立候補が選ばれる」
「選抜になっても選ばれなかったらどうなるんだ」
「基本的には国の兵士になる奴が多いい。”勇者”になるための訓練を受けてたわけだし戦力としては十分高い」
だろうな。
異世界側のトップ層だろうし。
「”勇者”も選ばればれなかったら、兵士になってたって事か」
「そうかもな。というより、いつまでもそんな”勇者”って呼ぶなよ。恥ずかしい」
「うーん、いいや。”勇者”は勇者でいいだろ」
「なんだソレ」
少し呼び方を考えたが、少しめんどくさくなってしまった。
「それよりも。その刀いつまで腰に掛けてんだ?」
「死ぬまでかな」
「はい?」
「気に入ったって事さ。丁度神器に変わる武器探してたし良い」
そう言いながら鞘から出して、刀身を見て、
「切れ味も悪くなさそうだしな」
そう言良い、軽く建物の方に振ると、石造りの建物が簡単に切れた。
流石だな。
同じ事を俺達がやっても刀身を痛めるだけだ。
「じゃあ、一旦周りを警戒しながら、周りに使えるもん探そう。しばらくココにいる事になるだろうし」
そう言って、この異世界の建物と俺達の世界の建物が混合してしまった集落の探索を始めた。
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「コレで使えるわ」
到着してから二日経ち、最初に言っていた通りに”魔法”の修復みたいなことが完了できた。
「特に何もなかったな」
「ああ」
この二日ヨウさんが修復している間、特に何か起こる気配もなく、ハッキリ言ってヨウさん以外は暇であった。
でも、
「結局はここからだからな」
ここまでの事は予め予想通りではあったが、こっからは全く予想する事ができない未知の領域である。
「そうね、気引き締めといてね」
ヨウさんは手を再び魔法陣にかざすと、光始めた。
前情報も全くない、本番がココから始まる。
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「最悪だ」
転送されて、周りを見て最初に出た言葉はその一言だ。
周りは木々が生い茂っており、始めて見るが、多分ココはジャングルで間違いない。
でも、今この場にいるのは俺一人で、誰も周りにいない。
俺一人だけが対処になったのか、それともバグってバラバラになってしまったかだが、どちらにしろこの場に一人は危ない。
遠くで薄っすらと爆音や銃声が聞こえてくる。
間違いなく、ここら近辺で戦っている。
『モモちゃん』
一旦どうするか考えてると、ヨウさんから連絡が来た。
簡易的な物で、魔力がないこっちから連絡できず、一方的なものだが、状況を知れるのはとても助かる。
『さっきライチとは連絡できて、状況としては私とユウリさんが一緒で、ライチとモモちゃんがはぐれているって状況になっているの』
一先ずユウリはヨウさんと一緒なら何とかなるだろう。
勇者も”加護”も戻り一人でも大丈夫だろうし、ハズレくじを引いたのは俺みたいだ。
『一旦、距離的にはライチの方が近いから向かっているけど、地形的にも半日は掛かると思う』
半日、
『その後、私達と目的の研究室で合流する事になるわ。こっちは研究所に大分近い所に来れたから』
それは当たりかもしれない。
ユウリがいるなら中の事で事前に準備も始められるし、時間的に効率もいい。
問題は、
『だから、ライチと合流するまで耐えて』
それが俺にできるかどうかだな。
そして、通信が途切れてしまった。
とりあえず、どこかに隠れるのが無難か、
バッ!!
突然、草むらから飛び出して来た。
俺は直ぐに逆方向に飛び込んでソレを回避はした。
「何だ?」
クマのような大きさの動物、でも色々と変な物が体に付いている。
名前も知らず、初めて見たが多分コイツは魔獣だ。
そして、相手は倒れている俺に覆いかぶさる様に口を大きく開けて、倒れ込んできた。
「こんの」
俺はそのまま銃を相手の口の中にぶち込み、
バン!
引き金を引いた。
そのまま、相手の下敷きになってしまった。
だが、その後は特に相手が動く気配もない。
重い体から何とか抜け出して、魔獣を良く見た。
助かった、銃弾が通る相手で良かった。
魔獣によっては固い体のせいでまともに銃弾が通らない奴もいる。
コイツはランク的に言えば低いのかもしれない。
でも、この偶然が何回も通じるはずもない。
速い所、隠れないとな。
その場を後にしようとすると、
「おい、アレ」
と、どこかから声が聞こえて、直ぐにその場の茂みに隠れ込んだ。
軍服か?
地域等が違うせいで見慣れた物ではないが軍服を着た奴が二人が木々の奥から出てきた。
俺の存在には気付いてなさそうだ。
ただ、下手にこの場から離れる事もできない。
「だれがやったんだ?」
「さあな、そこら辺の別の奴にやられたんじゃないか?さっさと拠点に運ぼうぜ、食料等の物資は限られてるんだから」
もう一人がそう言って魔獣を担ごうとすると、
「そうはいかないな。口から頭に掛けて銃弾が撃たれた形跡がある。軍の誰かがやったんだ」
そう言われて、担ごうとした人が口元を見て、
「ほんとだ」
「さっきまで、俺達から逃げてた奴だ。やられたのはほんの数分もないはずだが、特に誰もいなかった」
「くさいな。ここら一帯で担当になってる奴はいないしな」
「ああ、魔法を使って潜伏がバレたくなかったのか、理由はわからないが、誰かいるぞ」
魔獣を担ぐのを止め、
「ちょいと待ちな」
立ち上がった。
何してんだ?
口元で何かをしたのが見えたと思ったら、
「あそこだな」
俺の方に指を指して、もう一人が銃を向けてきた。
まじかよ。
俺はすぐさま立ち上がって、相手のいない方に走り始めた。
バン!
「っチ、邪魔だな」
一発撃たれはしたが、木がそれを防いでくれて、当たらずに済んだ。
何でバレたんだ。
サーマルといった何か装置を使った様子はなかったっていうっていうのに。
いや、とにかく今はこの場を全力で離れないとなんねえ。
捕まったら何されるかわからない。
相手は二人だけだし、この地形を上手く使えば振り切る事はできなくもないはずだ。
銃弾もさっきの木みたいに防いでくれる可能性もある。
逃げるこっちの方だ有利に事を進められる。
ともかく、勇者と合流するまで捕まって死ぬわけにはいかない。
何としても逃げ切ってやるよ。
次回は来月のどこかです。
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