36話 VS ”ルース”
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ブックマークしてくれた方ありがとうございます。
前回投稿してから増えたのを知り嬉しかったです。
36話 VS ルース
「俺はSKULL部隊、LのLOOSEの異名をを持つ”ヌル・ナガン”、軍人だ。”ヒルコ”なんかじゃねえ」
SKULL部隊の中心人物の一人だったのか、こいつ。
さすがに離れた部隊だから詳しい事は知らなかったが、Lの異名は”LAST”だけだと思ってたがもう一人いるなんて知らなかった。
ともかく、コイツはあの”SILENT”と同格って事だ。
「ウリ、火出せるか?」
「出せます」
「なら、ここら一帯を燃やして隙を見つけてくれ。俺が引き付けるから、あと視覚の共有も可能な限り頼む」
ウリにそう指示をした。
疑問に思う事もあると思うが、説明してる暇がないのを分かってるのか直ぐに魔法で火を出して、物陰に移動していった。
向こうはウリの移動に気にも留めずに俺の方だけに銃をまっすぐと向けている。
そして、
「その目で俺を見るんじゃない」
パン!
そう叫んで、発砲をしてきた。
銃の発砲と共に俺は転がり、地面に置いていた銃を広がって物陰に一旦隠れ、この銃声で始まった。
敵は獣人の”ヒルコ”、要は半分獣人の特性を持っている。
フレア並みではないにしても嗅覚や聴覚は俺達とは比較にならない。
多分、その鼻と耳で俺達の接近に気付いて警戒てたんだろう。
だから、俺の発砲やウリの接近に気付いて反応する事が出来たと考えられる。
完全に防げは出来ないだろうが、火で一帯を燃やしとけばある程度制限できる。
後は俺があいつを引き付けてウリが隙をつかせる。
いや、そのまま俺が倒す気で行く。
ガチャ、バン!!
俺はウリの”感覚共有”の魔法で近づいてくるのを見えていた相手に体を出さずに銃口だけ向けて発砲した。
意表を付く事に成功し、反応しきれずに相手の左腕に銃弾がヒットした。
流石に人の視覚だと距離感が微妙で狙いが外れてしまった。
それに、この銃事態そんな不安定な体制で撃つものじゃなく反動の制御が上手い事できなかった。
だが、腕を撃たれてタダじゃ済まねえはずだ。
俺は直ぐに銃口の先にナイフを付けて、物陰から飛び出して相手に突っ込んでいった。
グサ!
だが、相手はナイフを左手の掌で受け止めてきた。
「なっ!!」
撃たれた腕でそのままってのも驚いたが、その腕の状態を見て俺は思わず声が出た。
黒く変色したミイラのような腕をしていた。
コレは”ヒルコ”が原因ではない、何かしらあって起こった腕だ。
「フッン!」
そして、その異常な腕を使って銃口を握り込んできた。
なんちゅう力だ、単純な力だけなら勝てないな。
「オッ!!」
そう思いながら相手の腹目掛けて膝を入れた。
それを受けて相手もさすがに銃口から手を放して、距離を取る事が出来た。
「クソが」
出来れば今ので決めたかった。
さっきの力を見て単純な身体能力は勝てない事は分かった。
俺の銃は一発ずつのリロードで簡単にはさせてくれないだろうし、距離的には適性じゃない。
それに対して相手の拳銃は距離的にも適性である。
銃の腕はたいした事はないがいつ銃弾が当たってもおかしくない。
銃と相手の身体能力、怖いのはどっちか?
「フー」
俺は一息吐き、再び銃剣で突っ込み戦いを挑んだ。
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すっ、すごい。
相手は魔力がないとはいえ獣人の血が半分入っている相手だ。
しかも、軍でも強いとされて特別扱いされている相手と互角に渡り合っている。
身体能力は半獣人の”ヒルコ”の方が上ではあるが、モモはそれを技?というのか技術というのかわからないがソレでカバーをして渡り合っている。
俺がもしあの場で戦えるのか?
魔法のある分、俺の方が有利ではあると思うがそれでもあの場に立てる気がしない。
そんな禍々しい雰囲気が漂っている。
いや、違う。
立たないといけないんだ。
俺もあの場に。
隙を見つけて、突くように言われたんだ。
魔法を出して終わりじゃない。
俺だって・・・。
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コイツ、思った以上にやるな。
銃口に付いてるナイフを自分が持っているナイフで軽く受け止めながら力勝負に持っていこうとしているが、ウマい事相手に交わされる。
銃の間合いや力勝負、こっちの土俵には入らない様に戦っている。
もう一人いた子供の方は火の煙のせいでもう完璧には追えていない。
気に食わねえ。
コイツの技術は軍のもんだ。
使っている銃もだ。
異世界人が見よう見まねできる代物じゃねえ。
コイツは本来こっち側の人間だ。
なのに、異世界人の子供と一緒になって何かをしようとしている。
なんで、なんでそんな裏切りをするんだ。
人間側に生まれったって言うのに。
「気に食わねえ」
俺は相手の腹目掛けて一発思いっきり拳を放った。
銃身で受け止められてしまいはしたが、勢いでそのまま相手を後方へと吹き飛ばした。
相手は火の海の中へと飛んでいった。
「悪いがまだ死ぬなよ。てめえみたいな裏切りもんには聞きたいことが多いいからな」
銃を構えながら狙えを定めようとすると、
グサ!
火の中からナイフが現れて、俺の左目を抉った。
またか・・・。
さっきの発砲もそうだ。
見ていないはずなのに俺の居場所を把握して狙ってくる。
さっきの銃弾は感覚のない左腕に当たったが、今回の当たり所は左目、俺は痛さで体がよろめいた。
相手はそのスキを見逃さずに火の中から飛び出してきた。
心臓目掛けて銃剣を向けてきた。
俺はソレを寸でのところで右手で受け止めた。
良く見てみると相手の体のいたるところに火傷した跡
これ以上長引けば、この後の作戦にも響いちまう。
ここで決める。
グッゥー、
痛みを我慢して右腕に力を込めて銃口を握り込んだ。
「フッン!」
引き込んで相手の腕を握り込み。
このまま、コイツを頭から真下に投げて気絶させる。
抵抗されるだろうが力任せにいけばいいだろう。
最悪殺しちまうが、まあ元軍人なら上手く受け身を取るだろう。
さあ、投げようと力を込めようとした時、
ダッ!!
背中側の火の中からさっきいた子供が剣を持って飛び出して来きた。
反応が遅れた、いや間に合う。
ドッン!!
裏切りもんを子供の方へと投げて、ぶつけた。
ザッ!!
だが、子供が持っていた剣は俺の左足を切り裂いた。
二人とも再び火の中へと消えてったが、俺自身も足を切られたせいでその場に倒れてしまった。
傷口は深くはなく、足はまだ動きはする。
だが、左腕とは違って痛みがある。
動きは確実に制限されてしまう。
「まだか」
かすかに聞こえた音でまだ相手が立ち上がった事がわかった。
第一俺の専門は潜入や調査、こういう事は俺の専門外だが、良いだろうとことんやってやる。
この母親譲りの体と父親譲りの魂で。
足の傷に軽く布を巻き、火の中を進んで行った。
再び火の中から男がナイフを使って飛び出してきたが、俺は自分のナイフで軽く受け止めた。
知っている。
お前が隠れて来ていた事は。
そして、子供が俺の周りで様子を伺っているのは。
もう見失わない。
「ハァー」
相手は小さく叫び、銃剣のリーチを利用して巧みに俺に攻撃をしてくる。
俺はソレを受け止めたり躱す事だけに集中する。
全てを避けたり受け止める事は出来ずに、いくつかが俺の体を掠り擦り傷を作っていく。
近接格闘術の種類は地域で変わる。
俺が知っている物とは違うが、一つ言える事は俺よりも技術力は上だ。
あいにく俺はそういった訓練を真面目に受けて来ていたが、技術力の向上は見られなかった。
それは仕方がなかったんだ。
だって、獣人譲りの筋力がそんな事をしなくても解決させてくれた。
だから、近接格闘術も銃の腕も大したことがない。
でも、身体能力で俺に勝てる奴はほとんどいない。
少なくともコイツは俺にその分野では勝てない。
だから、機を待てばいい、その勝負に持っていける機を。
ガッ、キッン!!
ダッ、ダン!!
「ココ」
俺は相手との距離を一気に詰めて、足を払ってマウントポジションを取る事に成功した。
ダガン!!
そのまま相手の顔目掛けてナイフを突き下ろしたが、それは銃身で防がれた。
だが、時期に終わる。
ここまで持ってくれば後は単純な力勝負。
なら、俺が勝てる。
子供の位置もココから離れ、火のせいで直ぐには近づけない。
魔法での攻撃も正確な射撃があるならもっと使っていただろう。
あの子供が何か仕掛けてくる前にコイツを終わらす。
パン!
銃声と共に俺の右肩が撃ち抜かれた。
銃弾が来たのは子供がいたはずの場所とは違う場所。
移動したか?
いや、目で追えてはいないが、鼻と耳でしっかりと追えている。
じゃあ誰なんだ。
「フッ!!」
銃弾に撃たれて意識が別にいっている間に下にいた相手は一気に力を入れてきた。
そのせいでマウントポジションは解かれて、俺は地面に尻を付いてしまった。
相手は立ち上がった勢いのまま俺に銃剣を持って突っ込んできた。
ダメだ、俺は負けるわけには行かないんだ。
まだ、やらなきゃいけいない事がたくさんある。
俺はまだ人にしてもらった恩をあの人にナナ隊長に、あいつらに返してない。
ここが俺の死に場所じゃない。
「まだ勇者を」
力を振り絞って左手でナイフを握った。
カラン、
だが、ナイフを地面へと落ちていった。
左腕を見るといくつかの傷があった。
多分、相手が立ち上がる時にナイフを使って切っていたのだろう。
感覚がない事が仇になってしまった。
グサッ!!
気付いた時には俺の顔に銃剣が刺さっていた。
「はぁ?」
気に入らねえ、何でお前がそんな顔、目をすんだよ。
俺を刺殺したくせ、に。
な、んなん、だ、、よ、、、ほ、ん当に、コイ、ツは。
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勝った、危なかった。
俺は急いで火を避けながらモモの元へと駆け寄った。
「やりましたね」
敵の方が強かったと思うがそれでも、この人は勝ち取った。
モモは腕で顔を拭って、
「ナイスタイミングだな。いつの間に拳銃何か持ってたんだ?」
拳銃?
何を言ってるんだ。
俺の位置からじゃ何もできずにいた。
そこに銃声が聞こえてきて、相手を撃ち抜いていた。
全てはモモがやったのかと思ったが、反応的に違うみたいだ。
じゃあ誰が?
「こっち来い」
モモは直ぐに俺を掴んで、物陰に隠れていった。
カチャ!
モモが銃をいじくって何か音がして、準備をした。
まだ敵がいるって事か、
「ちょい待って、待って、俺だよ俺」
と、声が聞こえた。
モモが物陰から慎重に確認すると、
「何してんだ?」
銃を構えながらモモは出ていった。
「解放してくれたのお前なんだろ?モモ」
男はモモの事を知っている。
「モモさんあの人は?」
「”ソルダム・ハーバー”、この場所で知り合った軍人だ」
モモと一緒で捕まった人って事か。
でも、軍人なら何であの人を撃ったんだ。
ただ、モモはソルダムって人の質問に対して何も答えずにいた。
「二回も命を救ってくれた恩人が何かしてるか追ったら、ピンチになってるときたもんだ」
モモが黙っていると男は喋り始め、
パン!
「だから、助けるために撃ったってわけだ」
手を叩いて男は言った。
この人が銃を撃ったみたいだ。
「でも、まさかよ。戦ってたのがこの人とはな」
「知ってんのか?」
男は頷き、
「一応、一括りにすれば同じ旅団だからな。顔は知らなかったが、”ヒルコ”で”LOOSE”の異名を持つ諜報員がいる事は知ってた」
確かにこの人は最初に自分の事を”LOOSE”と言っていたのは覚えている。
「”ヌル・ナガン”、どこのナナ旅団もといSKULL部隊の一人しか所属していない特別部隊に所属し、単独で適地に潜入して情報を集める凄腕の諜報員だた聞いていた」
「色々と運が良かった。そもそも、お前が撃たなかったら負けてたよ」
「だろうな。異名が付けられる人の程だしな」
倒した男はやはりとんでもない程の人だった。
そして、モモはその男の干からびたような黒い左腕が気になっていた。
「多分それ、”魔力過剰症”っすよ」
俺はその原因に心当たりがあったので、モモに原因を言った。
「何だそれ?」
「人にはそれぞれ魔力が入る器があるんですよ。訓練次第で大きくする事も出来るんですけど、その器を超える量の魔力を一気に体に取り込むと症状は体が膨張して破裂したり逆にその人みたいに干からびて変色したりする症状の事っすね。その人の腕を見る多分そうっすよ」
モモは「へー」と呟き、男の腕を持って見ている。
「”魔王の死体”が回収できないのもこの症状が原因っすね」
と、俺は続けて言った。
「そうなのか?」
俺の言葉を聞いて、食いつき、男の腕を地面に置いた。
「魔王が死ぬ直前に自分の持っていた大量の魔力を爆発するみたいに放出させたせいで、そこた一帯に魔力が充満して、侵入したら一気に”魔力過剰症”を引き起こしてしまうらしい」
それが”魔王の死体”を回収できない大きな理由。
魔力は毒と違って、体の異物ではなく魔法で浄化する事ができない。
魔力を常に放出して中に入っていた者もいたらしいが、体力の問題や異常な吸収量でほうしゅつが間に合わなかったりして、結局そのエリアに入ることが出来ない。
今そのエリアにはその環境に適応した魔獣しか存在しない。
「なにかしらの毒とかだっと思ってたけど、魔力だったんだな」
モモさんはどうやら初耳だったらしい。
「でだ、お前達はココで何をしてたんだ?」
そして、一番最初の話に戻った。
「モモよ。その子は異世界人だよな?」
俺を見ながら男は言った。
そりゃあ気になるよな。
ヒューマノイド側の元軍人のモモが敵の子供と一緒になって自分の上司を倒しにかかっている。
「見ての通りだ。異世界人の子供と協力して”SKULL”部隊の一人、お前の元上官を倒した」
モモは直ぐにありのまま答えた。
男は何も話さず、この空間には火が燃えている音しか聞こえなかった。
「そうした果てには何があんだ?」
しばらく沈黙の後に男は銃を構え、モモに尋ね、
「明日が来る。異世界人と人間が暮らす明日が」
モモは答えた。
男は持っていた銃を降ろして、
「俺と違って行動してたんだな」
何の事を言っているか俺には分からないが、二人の間では分かっている感じがする。
「別に今からでも遅くないだろ」
「何がだ?」
「行動するのがって事だよ。一緒にすればいい」
「えっ!」
モモの発現に思わず声が出てしまった。
「ちょ、モモさん何言ってんすか?」
「仲間にならないかって誘ってる」
「そんなの危険じゃ?軍の人間なんでしょ?」
軍に俺達の事を話される様な事、スパイ的な事でもされる可能性が十分にある。
「もっと慎重に精査するんもんじゃ?」
「ソルダムはもう軍人じゃない。俺と一緒でリングを失い死んだ事になっている。スパイとかの線はない」
「でも、裏切る事だってあるんじゃ」
ヨウ、いや作戦が成功した場合には勇者の情報を手土産にして裏切り、再び戻ろうとするなんて事も考えられる。
「裏切る奴は裏切るし、裏切らない奴は裏切らない。今ココで、いやこれからいくら考えても分かる事じゃない。分かるのはその時が来た時か終わるまではわからない」
「いや、そうかもしれないけど」
「大丈夫、多分そんな事はしないよあいつは」
モモはそう言うが、この場で即決できる事じゃない気がする。
「コウジさん達以外の人間の協力は絶対に必要だった。少なくとも短い間だが一緒に過ごして話したコイツなら信用できる」
モモさんはそう言うが、
「信用できるかはこれからのコイツで見て判断してくれ」
俺は納得できないが、とりあえず頷いた。
「それで、どうするんだ。一緒に行くか?」
「いいのか?」
「お前がいいならな。でも、覚悟はしといた方がいい」
「なんのだ?」
「地獄に落ちる覚悟」
モモがそう言うと男は先程倒した相手を見た。
モモの目的は知っているけど、そのために何をするかは俺にもわからない。
でも、少なからず綺麗なままで進まないって事は何となくわかる。
再び沈黙が進むのかと思ったが、
「ああ、するよ。俺もな」
と答え、手を伸ばし、二人は握手をした。
手を放すとこちらにも手を伸ばし、
「”ソルダム・ハーバー”だ」
俺の方にも伸ばした。
「ウリです」
それに答えるように握手をして、
「よろしくな」
そう言いながら力強く握手をした。
次回は未定です。
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