31話 決着後
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31話 決着後
「ウッ、、、」
俺は起き上がり、辺りを見た。
状況から考えて、俺はどうやらこの場で倒れて寝てしまったらしい。
倒れる前の記憶が全くない。
ここはどこなんだ?
みんなは、敵はどうなったんだ?
頭の中にそんな疑問がグルグルと回っていると、
「あっ、起きましたか」
そう、後ろから声が聞こえて振り返ると、フレアが立っていた。
俺が状況を理解していないのを察して、
「先生は私達と合流してからずっと寝てましたからね」
と、俺が倒れていた理由を教えてくれた。
「それで、手当だけして軽く進んで、今は休憩中ですね」
現在の状況を説明してくれた。
「二人は?」
俺はこの場にいないヨウさんとウリはどうしてるかを聞くと、
「食べ物を探してます。多分そろそろ戻ってくると」
フレアからそう返ってきた。
飯?
わざわざ獲りにいかなくても十分あるんじゃ?
そう思って、自分の鞄を探したが周りにはなかった。
あー、そう言えば逃げるときに鞄は流されたんだったな。
それに気づいて二人はわざわざ言ってくれたんだろう。
悪い事をした。
反省する事は多いいが、今はとりあえず現状を把握しないとな。
鞄の事もそうだが、忘れている事が多そうだ。
まず、”SILENT”との戦いに俺は負けて、川の流れを利用してその場から撤退した。
その際に俺の鞄は流されて残ったのは銃だけだ。
俺はその銃を手に取り、軽く壊れてないかを確認し、特に問題はなさそうだったため、その場に置いた。
流された後、俺は川から上がりは合流地点に向かい、どうやら辿り着いたみたいだ。
合流後に俺は倒れ込んだ。
俺が倒れている間にも3人は進み、今いる場所まで来たって事になる。
そんな所だな今の現状って奴わ。
現状を軽く整理して、しばらく経つと、
「あっ、起きたのね」
二人が戻ってきた。
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二人が戻ってきた後に確認のために現状を聞いてみると、自分で整理したものと差はなかった。
ただ、俺が寝ている間に思ったより進んでおり、目的地まで大分近くなっていった。
「無事にとはいかないけど、逃げられて良かったよ」
と、安堵するようにヨウさんが良い、フレアは同意するように頷いた。
「でも、特に追ってが来なかったのは気になりますね」
ウリがどこか腑に落ちない様子で言った。
俺もその意見に同意だ。
戻ってきた際に話を聞いたが、特に相手は追って来なかったという。
通信設備破壊直後の連携が取れない状態で3人は上手く逃げ出すようにしたが、治りさえすればまた追ってくと思っていた。
なにより、ヨウさんの高度な魔法を見せた後ならなおさらそう思ってたが、そんな事はなかった。
危険性を考慮して追うのは諦めたのか、それとも想像以上に火が激しくそんな暇すらなかったのか、理由は分からない。
だが、
「そこは運が良かった事にしとこう」
不気味ではあるが、特に危険がないため、そう片づけ、
「”SILENT”との遭遇こそ運がなかったが、目的は達成できたんだから、今は前の事を考えてこう」
話を続けた。
「”アクエリアス”の事ですよね?」
俺は頷き、
「現場に着いてみないとハッキリとは言えないが、最初の作戦通り以降と思っている」
当初の作戦、それはシンプルに”アクエリアス”を囲む水の中を調べて、都市内に入れるミトを探すという物。
「でも、そんな道が本当にあるんですかね?」
ウリはそう言った。
「あるかないかは行ってみないとわからない。だから、行くんだ」
と、返した。
「それに可能性としては十分にあると思ってる」
現在、この世界は非常に歪な世界である。
なんてたって二つの世界が混じり合ってるからだ。
異世界の場所が基準になっている所や、こっちの世界の場所が基準になっている所と場所によってその形は様々ではあるが、地形が混じっている。
この今いる森だって異世界の場所が基準になっているが、所々にこっちの世界の痕跡が残っている。
今向かっている”アクエリアス”も例外ではない。
元々あった下水道といった名残が残っているはずだ。
俺達はそこを賭けて、狙わなきゃならない。
「でも、そんな道を軍は放っておかないと思うし、警備もすごそうですね」
「警備云々は見てみないとわからないが、軍は何もしてないだろう」
ウリの言葉に対して、そう返した。
俺の結論に疑問を感じている顔をしていたので、
「仮にその道を軍が見つけたとしても何もできないってのが結論だな」
「それは何故?」
「俺の持っている銃は水の中に浸けた程度じゃ使えなくなる事はないが、爆薬とった物の大半は使えなくなる。それに軍最大の兵器のほとんどの持ち込みは困難を極め、持ち込もうものなら相手に簡単にバレちまう。大人数での突撃も同じだな」
俺が話していると、納得するようにウリは頷いている。
「バレずに侵入できるのはせいぜい10人もいない。仮にできたとしても魔力を持たない俺らは簡単に敵だとバレる。そうだろ?」
「確かに見たらわかりますね」
向こうの世界からしたら俺らを敵、いわゆる”ヒューマノイド”って事を見るのは簡単らしい。
「コウジさん曰く、俺達に魔力を注入させると副作用が半端なく、戦いは無理らしい」
コレはコウジさんが行った実験の結果からわかっている。
「以上の事から、軍はその道を発見しても干渉はできていない。だからこそ”アクエリアス”は現在まで落とせなかった都市なんだ」
軍が何もしてないと考える理由を話した。
「もし、入れる道があるなら、警備はされているだろうが、道があるなら入る事は出来る。だから、その道を探すぞ」
そう力強く言った。
「でも、先生はどうするんですか?確かヨウさんは都市内に入らずに待機で、3人で入るって話ですよね?でも、バレちゃうんですよね」
と、俺の話を聞いてフレアは侵入後の俺はどうするか疑問に思って聞いて来た。
「先生もヨウさん同様に入らないんですか?」
「いいや入る」
「じゃあどうやって?」
俺はフレアの疑問に答えるために、フレアが持っていた鞄の中を漁った。
”SILENT”と戦う前に、念のためこっちに移しといて良かった。
おっ、コレだな。
目当てのものを見つけて掴みだすと、フレアとウリは驚いた顔をしていた。
フレアには反対されると思って、ヨウさんとコウジさんにしか言ってなかったから無理もない。
「コレを使う」
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”SILENT”に負けてから、2日経ち俺達は都市”アクエリアス”へとたどり着き、
「じゃあ、探してきます」
そう言ってフレアは水の中へと飛び込んだ。
”アクエリアス”内に入るための道を探す方法はフレアが水の中から直接探し、ウリが”SILENT”を見つけた時に行った”感覚共有”の魔法を使って、水の中にいる生物の視覚を共有して間接的に探す。
二人が探している間、ヨウさんと俺は周りを見ている事になっている。
本当ならフレアの役目を俺がやるつもりだったが、銃を撃たれた傷は魔法で防いだだけで、完治していないため無理をさせないというフレアの意見から俺はこっちに回った。
ハッキリ言って、ヨウさんの魔法だけで十分すぎるので、ほぼおまけみたいなものだ。
なので、俺は見つかるようにただ願っている。
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「モモさんこれってそうですよね?」
しばらく待っていると、ウリが俺を呼んだ。
なので、俺はウリの方に向かい、
「見せてくれと」
と頼んだ。
ウリは答えるように俺の頭に手を置いて、何かを唱えると、目の前に海の中にいる魚が見ている光景が広がった。
自分の目ではない者の視覚を見るというのはとても不思議な感覚ではあるが、今はそんな事はどうでもいい。
ウリが見つけたっていう物を確認するのが先だ。
「んっ、コイツは」
ウリが言うように道があるにはある。
都市の下に少し大きめの穴があり、そこを進むとおそらく下水道のマンホールでできた真下への道であった。
マンホールの道はともかくとして、最初の穴の道は明らかに後から作られたものである。
「他にも入れる道はありましたけど、少ないながらも人がいましたよ。ここだけっすね」
そうウリが言った。
マンホールの上を確認するまでハッキリと言えないが、この様子だと大丈夫そうな感じがする。
とりあえず、
「フレアにその上を確認させてから決めよう。俺はヨウさんの方に行くからそっちは頼んだ」
そう残して、この場を後にした。
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「なろほどね。じゃあそこから行くって事?」
「フレアが見た結果次第だけど、多分そうなる」
と、先ほどウリと話したことをヨウさんに伝えた。
「わかったわ」
そう返事が返ってきた。
「それでわざわざそんな事を言いにきたの?」
ヨウさんはまだ何かあるんじゃないの?と言いたげに聞いて来た。
「それは何でだ?」
「だって、私は進入しないわけだしフレアちゃんが確認してからでも遅くないじゃない?だってそこが通れなきゃ元も子もないしね。それに何か言いたげな顔をしているような気がするからね」
俺の質問に対して、そうヨウさんは答えた。
見た目は俺より少し上くらいのお姉さんって感じだが、俺らの何十倍も生きている人だ。
流石年の功って奴かな。
「ちょっと失礼な事考えてない?」
「いいや、そんな事は特に。さすが長年冒険している人の勘は違うなって思っただけですよ」
と、答え、
「ヨウさんの言う通りまだいう事があります。俺達が進入している間、ヨウさんは転送系の魔法を準備する話になってると思います」
「ええ、そうね。ライチもとい勇者を見つけ助けられたらその場から逃げるためにね。そう言う作戦よね?」
俺は頷いた。
ヨウさんは捕まっている勇者のパーティーのため、一般には知られていないが、追われる者である。
中に入るのは基本的にリスクしかなく、都市の外で待機する事になっている。
それでも、転送魔法で援護作戦の要の部分を担っている。
「だけど、俺は問題がると思っている」
「そうね。そんな上手くいくわけないけど、そうするしかないのも事実なんじゃない?」
その通りではある。
俺達の戦力では手札が、できる事に限りがありすぎる。
特に人数面ではそれが顕著に出ている。
俺達4人でできる最善は進入して、勇者を見つけて救出をして、転送魔法で一気に離脱する事が最善かもしれない。
「あなたが問題に置いてる救出の部分でしょ?確かに難しいかもしれないけど、それは行って見てから考えないと何とも言えないんじゃない?」
「ああ、意外と警備が緩くサクッと助けられるなんてこともあるかもしれないのも事実だ。でも、俺が問題に思ってるは確かにその部分もあるけど、一番はその後だと思ってる」
「その後?」
不思議そうな顔をヨウさんはした。
「勇者がどこかに逃げ出したんだ。それを放っておくわけがない」
コレはコウジさんとも話したが、ウマい解決策は思いつかなかった。
だが、コウジさんには言わなかったがマズイ解決策は思いついていた。
「今から言うお願いは救出の面の事はどうなるかわからいし、下手したら俺達全員の危険性は跳ね上がるが、その後の事は解決できるかもしれない」
「その方法は?」
ヨウさんがそう尋ねて、俺はヨウさんにやってもらう事を話した。
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「本当にそんな方法やるの?」
ヨウさんは俺がお願いしたことに対して、どこか嫌な顔をした。
「できないですか?」
そう聞くと、ヨウさんは首を横に振った。
「”結界魔法”の方はできる。ヒューマノイドは魔法がないから物理面に強くても魔法面には弱いから問題なく。もう一つはやってみないとわからないけどできなくはないと思う」
そう答えが返ってきた。
”出来るかもしれない”、魔法を使えない俺からしたらその難しさは秤知れないが、そこは流石そこはダイヤモンドの称号だ。
「じゃあ頼みたい」
「でも、そんな事したら外にいる私はともかくあなた達も危ないんじゃないの?」
俺は少し考えた。
自分の事はともかく、フレアそしてヨウさんの仲間のウリの事もあるからだ。
でも、
「ああ、その通りだ。ハッキリ言って死んでもおかしくない」
そうハッキリと口にし、
「俺にとって一番最悪の事態はなんだと思う?」
そう返した。
ヨウさんは少し考え込み、
「やっぱり4人全員が全滅する事でしょ」
ヨウさんの言う通り最悪の事態の一つかもしれない。
でも、
「俺にとっての最悪の事態は勇者を助けるだけ助けて、俺に手を貸してくれないって事だ」
俺はヨウさんにそう答えた。
「俺の目的はヨウさんとは違う。勇者を助けるのは俺の目的に協力してもらうためだ。これだけ命を張っても協力してもらえないってのが一番最悪だ」
敵は異世界最強の一角の一人、勇者。
力づくで協力してもらうのは不可能。
そもそも、ヨウさん一人にも勝てないんだから、問題外である。
「どんな人間か知らないが、協力してもらいやすいようになると思っている」
まあ、逆もしかりだが、人の死に対して何も思わない奴が勇者になるとは思わない。
俺の想像の中の勇者象では多分大丈夫だ。
「ただ、一ついえる事がある。どっちで動こうとも作戦の要はヨウさんだ。ヨウさんがいやなら元の作戦通り動く、勇者を助けるってのは俺も一緒だから」
最後にそう付け足した。
結局はヨウさん任せの作戦、ヨウさんが動いてくれないならできない事だ。
しばらく、沈黙が続いた。
ヨウさんも考える事が色々とあるんだろう。
そして、
「とりあえず、どっちでも良いように動く事にする。結局は”ライチ”が見つからないと何もできないでしょ?」
俺は頷いた。
「モモ君の考えなら、”絶対無理”でも”助けられるかも”くらいには確率が上がるのも事実。でも、周りを大きく巻き込み危険度が上がるのも事実、どっちがいいかは見つけてからでも遅くないと思うの」
ヨウさんからはそう返ってきたので、
「わかりました。その線でいきましょう」
俺もその線を落としどころにした。
まあ、良い線で落とせただろう。
「じゃあ二人の方に行きましょう」
そう、言ってウリとフレアの方へと向かった。
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確認や話し合いをした所、ウリが見つけた道で問題なさそうだ。
なので、そこから都市”アクエリアス”へと進入する流れになった。
「それで、本当に良いの?」
そしてヨウさんは俺に確かめるように聞いて来たので、俺は
「ああ、問題ない。俺は二人を信頼してる」
そう言って荷物の中からある物を取り出した。
ヒューマノイドと言われる俺が異世界人の都市の中にいても違和感がないようにするもの、それは奴隷の首輪だ。
元々フレアに使われていたものを持ってきた。
フレアにとっては思い出したくない記憶だから捨てようと思ったが、フレアが拒否し捨てていなかった物を今回使う事にした。
「じゃあ、頼む」
そう言い、ヨウさんに首輪を渡し、ウリを契約者として俺は付けてもらう事にした。
「先生」
少し不安そうにフレアが呼んだが、俺は
「気にすんな」
と、笑顔で良い、俺の首に首輪が付けられた。
こうして、俺はウリの奴隷となり、
「じゃあ行こうか」
俺達は都市の中へと向かうため、水の中へと向かって行った。
次回は未定です。
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