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異世界戦争  作者: ガイ
3章 幽霊
26/47

24話 トンネル

長いですがよかったら最後まで読んでください。

評価、ブックマークも良かったらお願いします。

24話 トンネル


「はっ」


フレアはナイフで俺の腹めがけて思いっきり突き刺しにきた。


俺はそれを簡単に捌いて、その勢いのままフレアを地面へと投げた。


「クゥー」


地面に投げられたフレアはそのまま突っ伏してうなだれている。


「まだまだだな」


そんな状態のフレアに俺はそう言った。


「強すぎますよ。まだ、一発も入れられてないですよ」


フレアの名前を付けてから一か月程経った今、俺は色々な事を教えた。


俺の教え方が上手いのか、それともフレアの覚えがいいのかはわからないが、どんどん理解していくから教え甲

斐があってちょっと楽しい。


特にナイフの扱いといった、戦闘訓練のような身体能力をフルに使う物はもの凄い速さで上達していっている。


そんなフレアに俺は今課題を与えている。


それは”食事と睡眠、そして危険な時以外に、俺に一発喰らわぜる”という簡単な物だ。


が、まだ達成できていない。


それもそうだ。


いくら覚えが速いといっても、基本的に獣人として得たセンスによるゴリ押しが多いい。


つい最近まで前線にいて、鍛えていた男が簡単にやられるわけにはいかない。


「うー、なんでダメなんですか?」


フレアは俺に聞いてきた。


何でか、そう言われると何て言っていいか少し難しい。


でも、ハッキリとしている事がある。


それは、


「もう少し意地汚くなるのと、観察が足りてないって事かな」


「観察?」


「ああ、良く観るってことだよ」


フレアは獣人として得た優れた五感を持っている。


でも、それをフルに活用せずにただ見ているだけなのだ。


それじゃあ足りない。


「自分より強い相手や優位な相手に勝ちたいなら大切だ。それを実行できるだけの五感をちゃんと持ってい

るんだから、使わなきゃもったいない」


フレアの顔はあまり納得いっている物ではなかった。


自分ではしっかりと見ているからだろう。


「観察する事は重要なんだぜ。例えばこの間の助けた時だって、俺が正面から戦ったら勝てなかっただろう」


「そうなんですか」


「ああ。だが、相手を観察して知る事で勝てない勝負を勝てるようにする事ができるようになっていく」


実際あの時はそうだった。


流石に7体のゴブリンを正面から相手する事は俺にはできない。


それに、奥にまだ潜んでいる可能性だってあった。


だから、周りを見て人数や何を持っているのかを把握をしながら、あの時の作戦を実行した。


コレは事前に行っていた事ではあるが、戦いながらでも大切なことだ。


俺だって、タゴノウラとの試合の時には行っていた。


まあ、事前の観察、もとい情報にとらわれすぎて一発強いのをもらっちまったけど、体節だと俺は思っている。


「要は思考を止めるなって事だ。止めたら負けだと思え」


フレアは良くも悪くも素の身体能力が高すぎて、困ったら正面からゴリ押し気味になる。


だから、わかりやすい。


「難しいんですね」


「ああ、難しい。俺だって教えてる事全部できてないしな」


俺のそんな発現にフレアは疑問に思ったような顔をしている。


フレアの知っている世界はまだまだ狭い。


俺がタゴノウラに勝ち、”ゴブリン”達から助けた事で俺を最強とでも思っているんだろう。


でも、ソレは間違いだ。


確かに、自分で言うのもなんだが訓練所では好成績を残して優秀ではある。


が、一番ではなかった。


そう、俺は訓練所という狭い世界でも一番ではなかった。


この世界はそんな狭い世界よりも格段に広い。


しかも、魔法を使ってくる奴らまでいるんだ。


俺より強い奴なんてゴロゴロいる。


俺は別に最強というわけではない。


「なら、私と一緒ですね」


「何がだ?」


「成長途中って事ですよ」


フレアは俺にそう言った。


「そうだな」


俺は軽く鼻で笑って、そう返した。


俺もフレアもまだまだ強くなれる成長途中だから。


もっと強くならないとな。


--------------------------------------------------


「こんなのんびりでいいんですか?」


その日の夜、ご飯を作り食べている時にフレアが聞いて来た。


この一か月、俺達は北を目指しているが、ゴーストタウンがあった場所からはあまり進めていない。


「私の事はそこまで気にせず進んでも大丈夫ですよ」


フレアは俺が樺太を目指しているわけを知っている。


色々と教えるために時間をかけているのは事実である。


自分のために時間をかけているのを気に掛けているのだろう。


だが、


「そんな気にしなくていい」


ゴーストタウンの話を鵜呑みにして信じるなら、いますぐ港に着いたとしても船はまだでない。


「速く着きすぎても、向こうで待つことになるからな」


西側の戦いのおかげで、俺達の道中には人が確実に減っている。


が、逆に人気が無くなった事で魔物が活発になっている気がする。


魔物の事に関して俺はあまり詳しくない。


逆に危険度は上がった感じになっていると俺は考えている。


「今は確実に安全に進んで行こう」


「わかりました」


そう言いわれ、食事を再開しようとすると、


「だったら、ソレ教えて欲しいです」


と、俺の後ろに指をさしながら言った。


俺は後ろに背負っている銃を降ろして、前に持っていき、


「コレか?」


と、聞くと頷いた。


「先生が狙って倒すところがすごくて憧れてたんですよね」


旅の途中で、たまに遠くから魔物を狙って倒すところが度々あって、それを見て思ったのだろう。


正直に褒められるのは嬉しい。


だが、


「ダメだ」


できれば教えてやりたいが、今は教えることができない。


「えー、何でですか?」


そう言われて、フレアは少し不満げであった。


だが、今の状態で教えてあげる事はできないので、理由をしっかりと説明することにした。


「理由は3つある」


俺は指で数字の3を作ってフレアに見せて、説明をした。


「まず、銃声によって気付かれる可能性があるため、できるだけ使いたくない」


銃声は言わずもがな音がでかく、周りに気付かれやすい。


今までも、非常時以外には背負っているマークスマンライフルは使って来なかった。


「次に弾丸の節約、数が限られている今は無暗に使うわけにはいかない」


軍を抜けるために、死を偽装した際に色々と持ち出したが、その数には限りがある。


こちらも、最初の理由と同様に滅多な事では使って来なかった。


「そして最後に、フレアにはあってないと思う」


これが最後の理由だ。


「合ってない?」


「ああ、今は獣人として恵まれたその身体能力をフルに使う戦い方のコレを覚えるのが良いと思っている」


俺は腰からナイフを取り出し、そう言った。


「そうですよね」


フレアは理解してくれているが、納得はあまりできていない様子だ。


「まあ、でもあくまで今はだ。少なからず俺に勝てるようになるまではなしってだけだ」


そう言うと、


「本当ですか、だったら速く続きをしましょうと」


と、食べるスピードが上がった。


我ながら相手のやる気を出させるのが上手いんじゃないかと思う。


だが、それ以上に昔に比べてフレアは大分明るくなってくれたという事が俺は嬉しい。


俺もフレアに続くように飯を速く食べ始めた。


--------------------------------------------------


そして、1週間経ち俺達は青函トンネルの入り口へと到着した。


樺太向かうにはまず、北海道に行かなければならないのは当然で、海と空から向かう事はリングがなく死ん

だ事になっていると俺と獣人のフレアには不可能に近い。


それに、その数も少なく選択肢から除外される


だから、今は使われていない鉄道が通っている青函トンネルに目を付けた。


本州と北海道を繋ぐトンネル、俺達はココから北海道を目指す。


「よし、行くぞ。神経張れよ」


「はい」


俺はフレアにそう言って、中に入った。


中はもう使われていないためか、電気が通っておらず、真夜中の様に暗かった。


俺には全く見ることができないこの暗闇もフレアの目にはある程度見ることができるのは事前に確認しており、

フレアを先頭にして前へと進む事になっている。


この青函トンネルを抜けるまではフレアの課題も今はない。


この暗闇だと俺が一方的にやられる事は目に見えているためである。


一応、光になる懐中電灯などは事前に用意しているが、何が起こるかわからない現状はフレアの目を当てに

して、節約して進むことにした。


一番の懸念される点は中に魔物などが住み着いていた場合だったが、


「何もないか?」


「今の所は大丈夫です」


どうやらその問題はまだなさそうだ。


俺達はそのままトンネルを慎重に進み始めた。


--------------------------------------------------


トンネルに入ってから12時間程経過した。


休みながら進んでいたが、俺達のペースであればそろそろトンネルを抜けられそうなんだが、まだなのか?


体力的なことを言えばただ歩いているだけ、俺達なら問題はない。


だが、この暗闇に12時間ただ進むだけというのは神経を大分消耗する。


実際に俺達の体力は相当削られている。


できれば速く到着してくれると助かるんだが、と考えていると、


「モモ先生待って」


フレアは俺の前に手を出して、静止させてきた。


「どうした、何か見えたか?」


「いいえ。でも、この先臭いがすごいです。多分腐敗臭って奴です」


って事はこの先に何かがいるのかもしれない。


だが、ここを引き返して別の方法で北海道を目指すという選択肢は俺達にはない。


だから、


「ペースを落として進もう。周りを頼む」


ココを真っすぐ進むしかない。


俺達は進み続けた。


--------------------------------------------------


しばらく歩くと俺の鼻でもわかるくらい臭いがするようになった。


どうやら、臭いは非常口の方からしていた。


いざという時はそっちに逃げ込む事も考えていたが、その方が危険なのかもしれない。


それに、進むたびに雰囲気が重くなっていっている気がする。


「ウッ」


フレアの口から突然叫び声を必死に押し殺した声が聞こえた


どうしたんだと思い、フレアが見ている先を向いた。


真っ暗で良く見えなかったが、良く目を凝らしてみてみるとそこには何かかが山積みになっており、腐敗臭が

漂っていた。


俺にはハッキリと見えないが、フレアには見えてしまったんだろう。


「速く進もう」


俺がそう言うと再び歩き始めた。


早くこの場から離れないとフレアには酷だろう。


それに、この原因がこの近くにいるだろうし、ココを速く離れるのに越した事がない。


んっ?


そう思って速く進んで行こうと思っていると俺の肩に小石がパラパラと落ちてきた。


不思議に思って上を見てみると、そこにはハッキリと俺には見ることができないが、黒い大きな物体がいるとい

う事、今から天井から降ってくるという事はわかる。


「ヤッ!!」


俺は急いでフレアに飛び突き、それを寸でのところで回避した。


そして、直ぐに懐中電灯を取り出してその物体の正体を確認した。


「なっ!?」


そこには想像を絶する大きなクモの様な怪物がいた。


「なんですかアレ?」


フレアもその怪物を見て驚愕していた。


「多分”アラクネ”って奴だ」


俺達の世界ではギリシャ神話なんかでは確かクモに変えられた女性だったきがする。


しかし、異世界の”アラクネ”は大きなクモの魔物。


この間の”ゴブリン”や今まであった魔物とは比べるまでもないほど危険らしいが、俺はコイツの事を良く知らな

い。


この暗闇で生きてたせいか、懐中電灯の光にひるんでいるがもうじき慣れてしまう。


「ゆっくり目を見て歩くぞ。直ぐに走れるようにするのも忘れるなよ」


俺は後ろからフレアの背中を軽く叩いて、そう言った。


この腐敗臭を作っている死体の山の原因はコイツで、俺達を狙っている可能性が高い。


コイツの事は良く知らないが、こういう時は別の奴に当てはめて考える。


クマなんかの猛獣相手の時もそうだが、急に走り出すのはアウト、相手を興奮させて危険な行為だ。


逆に動かない事もダメ、こういう相手と遭遇した時は落ち着いてゆっくりと後ずさりを行う。


全部が全部そうあるかと言われたら相手や状況によって変わってくるが、相手の事をわからない今はセオリー

に合わせて対処していくのが、ベストだ。


俺達は”アラクネ”から目を離さずに、ゆっくりと進んで行った。


そんな俺達に対して”アラクネ”もゆっくりと近づいてくる。


着かず離れずの距離を保ってくる。


その距離は目算で5mといった距離。


大きさが自動車一台分とクモにしては大きいが、特別巨大な生き物というわけではない。


が、この距離のコイツが放つ雰囲気の重さは異常だ。


尋常じゃない程のプレッシャーが俺達を襲ってくる。


そのプレッシャーにたまらず、フレアは目を一瞬がけ目を離した瞬間、


ガサッ、


”アラクネ”は急に素早く動き始め、8本もある足の1本を大きく上へと振り上げて、俺達に向かって振り下ろ

してきた。


俺は急いでフレアの背中を叩き、


「走れ」


大きな声でいい、フレアもそれに答えるように前に走った。


”アラクネ”の振り下ろしを回避は出来たが、俺達が走った事で俺達を追いかけ始めた。


俺は振り下ろされた場所を見てみるとヒビが入れられていた。


ああ、やっぱり倒すのは無理そうだな。


だったら”逃げる”一択だな。


俺は再び前を向きなおして、走り始めた。


だが、問題があるとすれば”アラクネ”の速さだ。


普通にに逃げているだけじゃ俺達は簡単に追いつかれてしまう。


だったら、賭けるしかねえか。


「あそこの非常口に入るぞ」


「はっ、はい」


俺が言うと、フレアは返事をして非常口へと向かった。


あの中は狭いし、あの体躯なら入ってこれないかもしれない。


一番の理想はソレだが、仮に入ってきてもあの体で思い切り動く事はできなくなって、動きが制限されて遅く

なるだろう。


でも、問題は入ったら出口が塞がれて出れなくなっている事もあるかもしれない。


もう使われずに”アラクネ”が住み着いてるんだ。


十分にありえる。


「モモ先生これって、やばいんじゃ」


非常口に入った先に広がっていたのは大量の糸にくるまれた何かと先ほどの”アラクネ”程の大きさではないに

しろ俺が知っている者に比べて大きなクモがいた。


一番最悪だと考えていたのはあの巨大な”アラクネ”一体だけではないという事。


どうやらそうみたいだ。


多分あの糸の塊の中に死骸があって、保存されているんじゃないか。


このトンネルの非常口こそ”アラクネ”の巣であったんだろう。


まあ、そんな事はどうでもいい、俺達が逃げれる可能性の確率という物が下がっただけだ。


とにかく今は、


「フレア走り続けろ。絶対に止まるな」


「で、でも」


フレアは少しためらった。


無理もない。


この非常口の通路はもう使われていないため汚く、クモ達の糸のせいでなんか粘々する。


それに、掌サイズのクモがうごめいていて、何があるかわからない危険さがココにはある。


俺もできれば通りたくないが、


ガッツ、ガン、


と、俺達が入った扉からあの巨体も入ろうとしてきている。


「俺を信じて走れ」


俺達にはココを進むしかない。


そう言われて、フレアは覚悟を決めて走り、俺もソレについていった。


ただ幸いな事に非常口内にいたクモ達は俺達を積極的には襲って来ない。


それどころか避けていっている。


それもそうだろう。


いくら大きいクモといっても俺達と比べるとまだ小さい。


俺達だって外の”アラクネ”と戦おうと思わなかったようわざわざ自分達よりも大きな相手をわざわざ襲う生物

は少ない。


基本的には避けるのが当たり前。


まあ、中にはアリみたいに群れで襲うパターンもあるし、全部が全部そういうわけではない。


それに、俺達の祖先はマンモスを狩っていたらみたいだし、例外もちゃんとある。


けど、コイツ等は例外ではないみたいだ。


こっちから何かしない限りは大丈夫だろう。


何かあっても、今のフレアなら対処できるし、俺にもできると思う、多分。


とりあえず、賭けには勝った。


あとは実力次第だ。


ドン、


狭い入口が壊れて、”アラクネ”が無理やり入ってきた。


そして、そのまま俺達の方へと向かって来た。


俺達が巣に入ってカンカンに怒っているという感じかな。


でも、まあ俺の理想通り狭い通路で先ほどよりも速く動けていない。


だったら、


ドタドタ、バタバタ、


と、通路の中にあった糸の塊や瓦礫などを倒しながら進む事にした。


その際にその陰に隠れていたクモ達が、俺に対して襲ってくる奴も現れた。


俺はそれを持っていたナイフやハンドガンを使って対処していった。


「だっ、大丈夫ですか?」


そんな俺の状況にフレアは心配そうに聞いて来た。


「ああ、それよりも次出れる所があったら、出てくれ」


俺はそう答えて、指示を出した。


この狭い通路のおかげで奴との距離は大分離す事ができた。


それに、ここが非常口という事で出口までの距離が表示されていた。


出口は近い、俺達だったらその距離を全力で走りきる事も可能。


そのまま外に出れればコイツをまく事がココよりもしやすい。


非常口は塞がっている可能性はある。


あのでかい”アラクネ”は外から獲物を獲得しているはず、つまり青函トンネルの方の出入り口は空いている。


そっちを俺達は目指す。


そうこうしているうちにフレアは出口を見つけて、非常通路から出て、再び本道に戻った。


そして、全力で走り続けた。


非常通路の糸がない分とても走りやすい。


俺は後ろを軽く確認した。


でも、それは相手も同じこと。


やっぱり速い、俺が思った以上に。


「みっ、見えてきました」


フレアがそう言うと、出口である光が見えてきた。


だが、このままのペースでは追いつかれてしまう。


ラスト1個だが、出し惜しみしている場面でもない。


「フレア」


俺は前を走っているフレアを呼びつけて、振り返ったフレアに自分自身の耳を指すジェスチャーをした。


フレアはそれを受け取ると俺の意図をくみ取り耳栓を付けて、蓋をした。


”俺が耳に指を指したらコレを使うから、耳栓を付けろ”、俺とフレアはそう事前に示し合わせていた。


コレとはXM84、フラッシュバンやスタングレネードと言われるものだ。


コイツを投げると周囲に激しい光と衝撃音を発生させるもの。


突発的な目の歪みや難聴を引き起こす。


人が不意にコレを喰らい防御してない時、平衡感覚や視界を失う事もある。


あくまでこれらの症状一時的に引き起こすもので、殺傷能力のある兵器というわけではない。


だが、不意を突いたり状況次第では非常に強力な武器である。


あの”アラクネ”の野郎に耳があるようには見えないし、ないかもしれない。


でも、目がある事は確認できた。


しかも、あの目は暗闇の中でも俺達をしっかりと認識をしているほどで良い目である。


あの目はこの暗闇の中でも生活をできるようにとても良い。


だが逆に眩しい光には慣れていない可能性が十分にある。


実際に俺が懐中電灯を向けた時には迫ってくるのを止めて怯んでいるように見えた。


まあ、相手の考えてる事を全部読めるわけではないから、合っているかはわからない。


どちらにしても、あいつが俺達を捉えてるのは視覚と聴覚によるものだろうし、コイツを使えば視覚と聴覚を一

時的に麻痺できる事には変わりない。


このトンネルから出るまでの時間は十分に稼げる。


カチャ、


俺はスタングレネードの栓を抜き、俺は真上に軽く投げた。


そして、


バッン!!!


と、後方で大きな音共に激しい光が発生した。


ウッ、トンネルという環境のせいだろう。


耳栓をしていても、一瞬もってかれそうなほどの轟音であった。


俺は後ろを見てみると、”アラクネ”がスタングレネードの威力に耐えられず、何も見えてないのか平衡感覚を

失ったのかトンネル内の壁に向かって激突して、動けなくなっていた。


俺達はトンネルの外へと出る事ができた。


そして、そのまま青函トンネルから離れていった。


--------------------------------------------------


俺達はトンネルを抜けた後はひたすら離れるように全力で走った。


そして、そこそこ離れた場所で休憩できそうな場所を探し、見つけ、二人で座って休んでいる。


ほぼ全力でずっと走っていた。


流石に疲れた。


でも、まあ特に怪我もなく逃げ切れたのは良かった。


フレアの方を見てみると、壁に寄りかかり下を向いて息を切らしていた。


「大丈夫か?」


俺がそう聞くと、


「すみません」


そう、誤ってきた。


「私が足を引っ張ってしまって」


「何がだ?」


フレアが少し間を置き、


「だって、相手に気付かなかったですし、私が目を離したから」


申し訳なさそうに俺に言って来た。


だが、しょうがない。


フレアは別に熟練の兵士というわけではない。


あんなでかいクモのプレッシャーに目を逸らすな何て、つい最近教えたばっかりのフレアには難しい。


しかも、フレアは子供だ。


だから、


「しょうがない。気にすんな」


「で、でも」


俺が言った事に納得していな様子だ。


だから、俺は続けて言った。


「あくまで俺の持論だが、過程はとても大事だ。同じ勝ち方でも過程の違いによって価値が大きく変わると

思う」


俺の言葉を聞いて、フレアは下を向いた。


この俺の持論だと、フレアを否定することになるからだろう。


「だけど、本番、命のやり取りでは別だろとも思う。過程を重要視するあまり死んじまったら意味ないだろ。そ

う考えたら生き残ったんだフレアは。だから、いいんじゃないか?」


「そうですけど」


「それにその過程をどう捉えるかだ」


「ん、捉える?」


「ああ、できなかった。ダメだってそう思えたなら次に活かせる事ができるじゃないか」


俺はそう言いながら、カバンの中から水筒を取り出してフレアに向かって軽く投げた。


「とりあえず、今は生き残れた事を喜ぼうぜ」


俺はもう一つの水筒を取り出し、それを飲んだ。


そんな俺を見てフレアも水を飲んだ。


フレアは今はそれでいい、生き残る事を優先するので。


そうやって成長していけばいいんだ。


でも、俺はダメだ。


反省しなきゃいけない。


ハッキリと見えない場所だからって死体の山に気を取られてあそこまで”アラクネ”を近づけさせた事。


いやもっと前に中の事を調べてれば、もっと楽に進む方法があったのかもしれない。


今はまだ俺は死ぬわけにはいかない。


それに、巻き込まれたフレアを死なすわけにはもっといけない。


もっと考えないと。


だが、とりあえず俺達は北海道に到着した。


とりあえず、旅の終わりは見えてきた。


パン!


俺は両手を顔の前で叩き、立ち上がった。


「もういいか?」


「あ、はい」


「じゃあ行くか」


俺達はさらに北へと進んで行った。



次回は未定です。

Twitterや活動報告で適当に次回については更新してます。

Twitter:@tScRxzYLtrcGXnG

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