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異世界戦争  作者: ガイ
3章 幽霊
23/47

21話 当日 前編

長いですがよかったら最後まで読んでください。

評価、ブックマークも良かったらお願いします。

21話 当日 前編


色々あった昨日が終わり、戦いの日になった。


「あんちゃん、勝てよ」


「言われなくても」


俺はカモシダさんの声援に答えて、リングに上がった。


しばらく待っていると、タゴノウラと男が一人上がってきた。


おそらくレフリーだろ。


そして、男が、


「ルールの確認を行います」


そして、ルールの確認が行われた。


昨日の夜、事前にカモシダさんから聞いてはいた。


ルールは至ってシンプルで、武器の使用禁止。


金的、首、眼への攻撃はなし


10カウント制で、場外はない。


また、ダウン中の相手の攻撃も禁止されている。


これ以外はなんでもありのルールとなっている。


「二人とも準備はいいな」


レフリーによるルールの確認を終えると、俺達に確認してきた。


俺は頷き、


「おう」


タゴノウラもしっかりと答えた。


昨日はただ荒れている人だったが、そんな様子ではない。


試合とそれ以外ではキッチリ切り替えられる当たり、やっぱり元プロの人だ。


しっかり、強い人ということが構えからわかる。


そんな事を考えていると、レフリーが上に挙げてた腕を振り下ろし、


「はじめ」


の合図と共に試合が始まった。


始まりと共に、タゴノウラの野郎は仕掛けてきた。


素早いステップで近づき、そのまま右ストレートを撃ってきた。


俺はそれを肘を上手く使って、受け流し、反撃を試みて、腹に一発入れた。


が、直ぐに反撃され、俺は後ろへと引いて、距離を取った。


タゴノウラは距離を取った俺を深追いせずに、様子を伺っている。


「「「ウォォォォーーーーー」」」


この短い攻防を見た、この試合の観客が歓声を上げ始めた。


ゴーストタウンがもの凄い盛り上がりを見せた。


まあ、無理もない。


昨日カモシダさんが聞いた話と照らし合わせれば。


--------------------------------------------------


「なあ」


「どうした、あんちゃん?」


俺は試合の日程を決まり、カモシダさんにルールの確認をした後にもう一つある事を聞く事にした。


「タゴノウラの決め技とか、スタイルとかわからないか?」


そう、相手の研究をするために、聞くことにした。


俺と違って、ここ何回も戦った事があるはず。


リングのチャンスのために来た、カモシダさんなら色々と相手の事を調べて知っているはずだ。


相手の情報が多くあったに越したことはない。


知っていると知らないは天と地ほどの差がある。


だから、俺はカモシダさんに色々と聞いてみる事にした。


「あー、悪いな。実は俺もそこまで詳しくないんだ」


カモシダさんは申し訳なさそうに俺に言って来た。


「俺もここに来て1,2か月くらいでな。その間に見た対戦は1回だけで、その1回も一発KOのワンサイドゲーム

だ」


なるほど。


一発KOだったら特に何もないな。


だけど、


「色々調べたんじゃないのか?」


そう、カモシダさんなら調べてるはずだ。


俺はその情報が欲しい。


だが、カモシダさんは再び申し訳なさそうな顔で、


「残念ながらほとんどがワンサイドゲーム。弱点どころか得意技もよくわかってない。それだけ、あいつはココじゃ

圧倒的に強いんだ」


と、俺は言われた。


そんなに強いのか、それとも挑戦者が弱すぎたのかはわからないが、ぶっつけ本番でそんな奴と戦う事になる

のは流石に怖いな。


「ただ、わかっているのはあいつのスタイルがボクシングってこと、それがけなんだ」


「そうか、」


ボクシングか。


確か、殴り合う格闘技で蹴りがないんだよな、知らんけど。


「まあ、それだけわかるなら、まだいいか」


「あんちゃん、悪いな。大した物がなくて」


「しゃあなしだ。それにスタイルが分かるだけでも十分さ」


俺は軽く、カモシダさんにそう答えた。


ボクシングは訓練所で話だけしか聞いたことない。


明日のために色々と思いだしながら、どうするかを考えていった。


--------------------------------------------------


そう、この対戦は基本一発KOで終わっている。


いわゆるつまらない対戦だった。


今の一瞬で、俺がやれるという事がわかり、面白い対戦になるのを予感したのだろう。


ただ、そんな周りの事はどうでもいい。


今は目の前のタゴノウラ事だ。


図体がこんなに大きいっていうのに足を上手く使ったフットワークで動きが見た目以上に速い。


ボクシングか、話で聞いて、想像していたよりもずっと速い。


しかも、パンチの威力もとんでもない。


肘で流したが、ジンジンと軽く響く。


一発KOも頷ける威力だ。


力のゴリ押しされるだけならよかったのに、技術もしっかりとある。


訓練所にいた、似た体格もマッドはただ大きいだけのブンブン野郎だったけど、コイツはその体格に優れた技

術を持っている。


しかも、俺の腹への攻撃に微動だにしていないタフネスさも持っている。


一筋縄で勝てる相手ではないという事だ。


ただ、これでハッキリとした。


俺がやる事は相手が今までやったように一発KO狙いのカウンターだ。


だったら、もう少し色々と知らないといけない。


腹を括るしかないな。


俺は姿勢を低く構え始めた。


その構えを見て、小刻みにスッテプを踏み、一気に攻め込んできた。


奴の利き手の逆、左拳による攻撃が飛んできた。


バン!


「はっ!」


俺はそれを顔の前で構えていた両腕で防いだ。


が、そのまま右拳で俺の顔を狙って来た。


ガン!


先程の左拳の攻撃のせいで、俺の腕は弾かれて、次の右拳の攻撃を左腕でまともに喰らってしまった。


「痛って!」


喰らった左腕は想像よりも痛い衝撃が走った。


だが、相手はそれに終わらず、再び俺の方に踏み込んで来た。


来る。


こりゃあ、まともに攻撃を喰らうのはまずい。


一回、早く体制を立て直さないと。


とりあえず、


俺は再び急いで、相手との距離を取ろうと後ろに引こうとした。


すると、


ニヤ。


と、タゴノウラは不適に笑った。


「まっ!」


俺は気付いた瞬間、腹に衝撃が走り、後方へと吹き飛ばされてしまった。


--------------------------------------------------


ザワザワ、


あんちゃんが後方へと吹き飛ばされてしまい、試合を見ている観戦者がざわめき始めた。


俺の隣にいた男が動揺しながら、


「キ、キック!?」


と、声を漏らした。


そうこのざわつきの理由は簡単だ。


タゴノウラが前蹴りをしたからだ。


そう、今までボクシングでパンチしかしなかった男がいきなりを蹴りをした。


タゴノウラを知っているならば、驚きの攻撃だった。


あんちゃんもパンチ、手を意識してたはず。


いきなり足による攻撃を繰り出され、反応できなかったはず。


このまま立てずに終わったら、あんちゃんは、、、。


いや、まだだ。


あんちゃん、何とか立ってくれ。


--------------------------------------------------


この坊主に昨日気絶させられた時から、何となくできる奴って事はわかっていた。


実際、ココで行ったリング争奪の試合では間違いなく一番強かった。


まあ、ここの奴らがぬるすぎた事もあるが、それを差し引いてもコイツは強い。


俺の攻撃に反応して、捌き、ガードをした。


だから、俺は奥の手であった”前蹴り”を使った。


ココじゃなく前いた場所はもっと荒れて、強さが絶対的だった。


そこでも俺は一番ではあった。


が、そこで生き抜くためには俺のボクシングだけでは苦戦を強いられる事もあった。


その苦戦を解決するのが、この”前蹴り”というわけだ。


どこかで聞いたことがあるが、”前蹴り”は最も長距離の攻撃を行うことができると。


俺のボクシング、拳に恐れをなして間合いを取ろうと離れる奴が多いい。


そういう奴に喰らわせる攻撃だ。


パンチしかないと思っている奴ほど嵌るし、この攻撃を警戒すればパンチの餌食となる。


まさに、俺の奥の手だ。


さらに、俺はその奥の手を相手の急所の一つ、みぞおちに喰らわせた。


人はみぞおちに強い一撃を喰らうと、横隔膜の動きが一瞬とまり、呼吸困難に陥る事がある。


本来なら。


この坊主は寸での所で反応して、後ろに自分から飛んで威力を軽減させやがった。


じゃなかったら、あんなに吹っ飛ぶわけがない。


「「「「オォォォ----」」」」


俺が倒れている、坊主を眺めていると、再び観客からの歓声が上がった。


そして、審判による10カウントが終わる少し前の9カウントで坊主が立ち上がった。


回復のためにギリギリまで回復していたな。


まあ、それでも全く効いていないってわけではないな。


顔色が悪い。


倒せなかったにしても坊主の頭に、蹴りをすり込めたのはでかい。


今後これを警戒してくれるなら、俺のボクシングが刺さる。


大丈夫、相手は確かに強い奴だが、何度も俺は勝ってきた。


後はじっくり攻めて、俺は勝つ。


そして、俺はこれで生き返る。


拳を強く握り、俺は再び速いフットワークで相手との距離を一気に詰めていった。


坊主も同様に俺との距離を縮めるために詰めてきた。


フン。


俺は心の中で笑った。


”前蹴り”を警戒して詰めてきたか。


でも、残念だが俺のボクシング甘くみすぎだ。


ダッダッダッダッダッダッツ、


俺は激しいラッシュの雨を坊主に喰らわせてやった。


坊主はそれを防ぐ、捌いていくので精一杯だ。


ために反撃こそしてパンチしてくるが、よくてミドル級の坊主だ、ヘビー級のパンチを受けてきた俺にとってそんな

苦し紛れのパンチ痛くない。


このまま一気に終わらしてやる。


俺はラッシュの雨を打ち続け、それを防ぐために縮こまった坊主に下から掬い上げるようにアッパーを繰り出し

た。


防がれはしたものの、その威力に耐えられず坊主の両手を弾くことができた。


そのおかげで、坊主は今ほぼ無防備になっている。


このまま、顔に一発でしまい、俺の勝ちだ。


が、坊主もこの状況をまずいと思ったのだろう、俺との距離を取ろうとしてきた。


でもよ、よいつが悪手なんだぜ。


俺のパンチの凄さで忘れちまったか?


俺様の”前蹴り”をよ。


こういう時のために磨いたんだ。


俺は再び前蹴りを放った。


バシ、


「えっ!!」


俺様の奥の手が、何で?


”前蹴り”は坊主が左肘によって強く外側に弾かれることで簡単に捌かれてしまった。


「まんずい」


不発に終わるだけではなく、右足を外に弾かれることで、俺自身の体に向きも変わってしまい、簡単に俺の

後ろを取られてしまった。


ガン!!


何をされたかわからず、大きな音が鳴ったと共に、目の前が暗くなっていった。


--------------------------------------------------


「8・・・9・・・10!!」


「「「「ウォォォォーーーーー!!」」」」


レフリーの10カウントが終了すると同時に大きな歓声が上がり、観客は騒ぎ始めた。


そう、俺は勝った。


何とかタゴノウラに勝利したのだ。


リングにいる俺へと駆け上がってくるものもいる。


そして、俺を称え、話しかけてくくる。


気分は中々いい。


そして、その中に俺の見知った奴もいる。


「あんちゃん、よくやった」


と、大きな声でカモシダさんが称えてくる。


「狙ってたのか最後?」


俺は最後、タゴノウラの”前蹴り”を左肘で外側に捌き、そのまま相手の後ろ側に回った。


そして、口もとを抑えて”前蹴り”を放った方とは逆の左足を思いっきり蹴り、相手を後ろへと投げた。


そして、タゴノウラは頭から地面に落ち気絶した。


そして、俺は一連のこの過程を俺は、


「ああ、狙ってた」


あの”前蹴り”を喰らった後、10カウントの間に回復しながら考えていた。


どうやって勝つかを。


そして、考えたのが”前蹴り”を利用する事だ。


確かに、とんでもない威力で完成度は高いものだが、他の技と比べるとレベルが落ちる。


それもそうだろう、他のとは違って年期が違う。


あくまで、アレはボクシングを警戒した相手に一発で決める”奥の手”だろう。


少なくとも、何回も通じるようなものではないし、通じちゃいけない。


けど、タゴノウラはあの技に自信があった。


だから、引き出すように俺は動いた。


わかっているならどうとでもなる技だ。


覚えたての技だから使いたかったんだろう。


逆に言えば、あいつの他の技は俺が対応するのは難しかった。


だから、ボクシングで来られたら怖かった。


いや、全盛期のあいつなら敵わなかっただろう。


というか、最近まで現役の軍人が止めて数年も経ってる奴に負けるわけにいかない。


そう、俺の勝ちだ。


「おめでとう」


俺が勝利を噛み締めていると、リングの外からクジョウさんが言って来た。


「君の勝ちだ。約束通りしよう」


そう付け加えて言って来た。


「ありがとうございます」


「君がもぎ取った物だ。礼はいらないよ」


クジョウさんは後ろを向き、


「手続き諸々があるから、来てくれないか?」


「はい。あっ、この人もいいですか?」


俺はカモシダさんを指さして言った。


リングを受け取るのはおれじゃないし、いたほうがいいだろう。


クジョウさんはしばらく考えて、


「ああ」


と、だけ言い、歩いて行った。


俺達二人もそれに続き歩いて行った。


--------------------------------------------------


クジョウさん続くと、黒い車に乗せられた。


俺達変なとこに連れてかれないようなと俺は思ったが、カモシダさんが気にせず乗ったため、俺も乗る事にした。


そして、森の中で隠されているようだが、少し大きな家に連れてこられた。


おそらく、クジョウさんが住んで居る家なのだろう。


そして、豪華な部屋へと通された。


「そこに座ってくれたまえ」


クジョウさんは前の綺麗な椅子に座り、ソファーの方を指しながら言った。


とりあえず、俺とカモシダさんはソファーに座る事にした。


コンコン、


すると、扉がノックされ中にメイド服の女とスーツを着こなしたおじいさん、多分執事という奴だろう。


そして、タゴノウラが奴隷としていた獣人の子が入ってきた。


ゴーストタウンにいた時と違って、服が綺麗になっている。


あの時は光景に驚き、怒りがあってちゃんと見てなかったが女の子だったみたいだ。


3人は部屋に入るとそれぞれ作業を始めた。


メイドの人と執事だと思われる人は俺達の前に飲み物や茶菓子を置いていった。


獣人の子は用意されていた椅子へと座った。


そして、作業が終わり二人がクジョウさんの後ろへと立ち、クジョウさんが、


「では、話をしよう」


仕切り始めた。


「リングは君ではなく、彼でいいんだよね?」


クジョウさんはカモシダさんに手を向けて言った。


「ああ、はい」


「了解した」


多分、俺がカモシダさんも連れていくって事で今回の事を察したのだろう。


話が早くて助かる。


「では、しび方向で進めていく。頼むぞ」


後ろの執事に向かって言い、執事も頷いた。


これで、とりあえずカモシダさんのリングは何とかなりそうだ。


約束が果たせて良かった。


「次の話に入る前に、個人的に気になるんだが何でリングを渡してしまうんだ?」


うーん、全部話す必要はないよな。


俺は何を話すのかを頭の中で少し整理して、


「俺は別にリングが欲しいわけじゃなく、海を渡ってある場所に行きたいんだ。カモシダさん、この人が海を渡っ

てココに来たみたいだから、その方法を聞く条件で試合をしたんだ」


とりあえず、話す事にした。


「なるほどね。それで君はどうやって海を渡ったんだ?」


今度はその方法が気になったみたいだ。


「おっ、私は船に乗る際に金さえ払えば密航を了承してくれる船がある事を知って、その船の船員に金を払

い、ここまで来ました。彼にはその船を教えようと思っていまいした」


密航か、まあその方法ぐらいしかないよな。


だが、問題はそこじゃないよな。


「君はどこから海を渡って来たんだ?」


「私はユーラシア大陸の方からです。ですが、北アメリカ大陸への行き方もあるので問題はないと思います」


やっぱり、そうか。


密航っていわれてから頭に浮かんでいたが、俺が生きたい先にその方法ができるかは別だ。


「君が行きたいのはその二つの大陸のどちらかなのかい?」


クジョウさんもその事を考え、カモシダさんに聞いたのだろう。


「いいや、違います」


そして、その杞憂通り俺が行きたい場所と被る事はなかった。


カモシダさんは少し驚いていた。


多分、俺の行先が北アメリカ大陸のどこかだと思っていたんだろう。


まあ、事前に言わなかった俺も悪いし、そういう事もある。


「すまねえ、あんちゃんが頑張った意味が」


「しゃあないさ。確かに俺の行先ではなかった無駄じゃなかった。海を渡ったて事実とその方法が分かっただ

け、御の字さ」


そう、不可能ではないという事が分かったのはでかい。


だったら、俺にだって海を渡れる可能性ができたのだから。


「それに、勝つための理由はもう一つあったしな」


俺は獣人の子は見た。


「なるほど。ところで君はどこに行きたいんだ?」


「俺は樺太に行きたいんです」


「んっ、何でまたそんなところに?」


その反応をするだろうな。


ただ、俺は会いたい人がいるだけなんだが、この人達に何でもかんでも話すわけいかないしな。


「ただ、落とし物をしただけです。そう大事な落とし物を。それを拾うために行かないといけないんです」


俺がそう答えると、クジョウさんは不思議そうな顔をしたが、コレ以上この事を聞こうとはせず、


「だが、樺太なら可能性はあるな」


と、言ってくれた。


「それは、何でですか?」


カモシダさんも気になったらしく、聞いてくれた。


「樺太にいる人の回収があるからな。あそこは異世界と共存した数少ない島の一つ、そのため多くの研究者

が派遣されている」


そう、俺の故郷と同じだ。


「今の政府の作戦のために、この日本本土とその周辺の島の避難を行っている」


「作戦?」


「君の恰好的に元軍人だろ?だったらここでの作戦が1年間だったのは気にならなかったのかい?」


「ん?」


俺は顎に手を置き少し考えた。


確か、異世界人の資源確保のために錬金術を編み出し、相手が狙いやすい島国を狙って来た。


だから、相手が日本に来ていた。


そして、俺達がわざわざここに来たのはそれを喰いとめるためだった。


その期間は確かに1年間だった。


訓練所で好成績を残してた俺は俗に言われる”出世コース”に乗っていると思ってたから、その後に本部にで

も戻るかとか考えていた。


実際、一緒に日本に来た訓練所1位のファルコも一年間だったから。


だけど、クジョウさんの話し方的に他の人もそうなんだろう。


じゃあ、全員が一年間で作戦が終わるってことなのか。


「俺は所詮新兵だったんで、1年間日本で防衛準備をするとしか言われてないです」


作戦の深いところ、最重要事項は漏洩対策で教えてもらっていないが、


「でも、一年後に全員が撤退するというのは確かに不思議というより、ありえないですね」


そう、いくら不利な戦いだからって、全員が撤退すれば相手に獲られてしまう。


それこそ、相手に資源をタダであげる事になってしまう。


そんな事普通に考えてするわけがない。


つまり、


「1年後に何をするんですか?」


俺が日本に来て行った防衛準備、今行われている防衛は軍隊以外の人を避難しているための時間稼ぎっ

て事になる。


そして、全員がいなくなった日本で何かをするって事なのか?


「それはな、」


「ちょっと旦那さま!」


クジョウさんが何かを話そうとしたが、執事が止めた。


それだけ、知られてはいけない事なのか。


「いや、大丈夫だ。一人は今後一緒に暮らす事になるから、管理はできる」


「ですが、もう一人は」


「ただの死人だ。世間に広まる事はない」


執事は渋りはしたが、納得して再び位置に戻った。


「1年後にやる事はな、」


ゴクリ、


今までの流れから話す事は重要さが良くわかり、俺とカモシダさんも固唾を飲んだ。


「ここに、”生物兵器”であるウイルスを投入することだ」


「「!!」」


”生物兵器”、それって、


「禁止されてるんじゃ」


”生物兵器”の生産は比較的に他の兵器と比べ簡単と言われ、費用対効果が高い物とされている。


しかし、被害の予測が難しく自分たちに帰ってくるリスクもある。


そのため、国際法で禁止されているはずだ。


なのに、使おうとしているのか、今。


「ああ、その通り。本来ならダメだが上は使おうとしている」


まじなのか?


でも、それだったら全員がココから避難する理由は頷ける。


被害を異世界人だけにするようになのだろう。


でも、いいのかそんな事。


自分たちに帰ってくる可能性が十分にあるっていうのに。


「私は戦争に巻き込まれた父の代わりに、今は主に治療にための薬などの開発に携わる代表の一人で、そ

のおかげでこうして前線に立たずに有意義に暮らしているわけさ」


クジョウさん自分の事を急に話し始めた。


ゴーストタウンを統べる人だから偉い人とは思ってたけど、想像以上に偉い人なのかもしれない。


「我々はその”生物兵器”のウイルスの抗体作成を行っていたから、今回の事をよく知っている」


「その抗体はできたんですか?」


「ああ、だから今回の作戦が実行可能になった」


さすがに、リスク面を何も考えていないわけではないという事か。


でも、何が起こるかわからないし、危険なのは変わらないんじゃ。


「君たちがウイルスの強さを表すなら何を一番重要だと思う?」


いきなり、俺達に質問を投げかけてきた。


「やっぱり、感染してから死ぬまでの時間とかかな?感染して即死なら強そうだし」


カモシダさんはそう答えた。


目的を考えるんだったら、それが一番なんじゃないかと思ったが、


「確かに大事だと思うが、私は違うと思っている」


どうやら、クジョウさんの中では違うみたいだ。


それだったら、


「感染力とかですか?」


「ああ、私はそれが一番重要だと考えている」


俺の答えに関して肯定の言葉が帰ってきた。


「もちろん兵器として使うなら殺傷力も大事だが、そもそも感染しなきゃ意味がない。今回のウイルスは感染

してから死ぬまでの時間は1年以上掛かると言われている。殺傷力とういう点ではもっと強いウイルスは他に

もあるだろう」


1年以上掛かるのは確かに長いのかもしれない。


「だが、その分感染力がとても高く、接触するだけ、いや話した際の飛沫だけでも感染するほどの強さを持つ」


「なっ!そんなのとても危険なんじゃ」


「ああ、その通り。簡単に感染が広まっていくウイルスだ。だから、そのための抗体だ。本土で作業を行う物や

近辺の軍人は全員打つことになるどろう」


「なるほど」


カモシダさんは納得した様子だが、それだけでいいのか?


抗体を100%信じて、こんな危険な事をしようとするのか?


俺が疑って、考えていると、


「君の事が考えている事はわかる。それでも感染する可能性は0じゃないだろうって所だろう」


クジョウさんは察してそう言い、俺は頷いた。


「ただ、このウイルスに感染後も治療して完治することは可能なんだ。我々とは別のチームが関わっているから、

深くは知らないがな」


それなら、そこまで危険性は高くなにのか?


詳しくはわからないが、上は抗体と治療法がしっかりとあるから今回のは大丈夫だと考えてるのか。


ん?


「”今回の”?」


クジョウさんは俺の言葉を聞き、口角を上げて、


「勘が良いな。君」


と、言われた。


ということは、


「前回のがあるって事なんですか」


クジョウさんは頷いた。


「前回は2年前に行われた。今回の同様に抗体も治療法もしっかりとしていたが、敵に使用がバレて方法は

知らないが、キッチリと対策を取って防いだらしい」


まじかよ、そんなの全く知らなかった。


「知らないのは無理もない。そんなの使ったと知られれば、反対派が活発になるからな。”生物兵器”は本来

禁止されて、イメージが悪いからな」


そうだろうな。


聞いててもあまり良いイメージが湧かなかった。


「ただ、上はそんな事を気にせず行った。それに相手が同じ人間ならともかく違うからな」


んっ!


やっぱり、そういう認識なのか、それでそんな事したのか。


「でも、また同じように防がれるんじゃないですか?」


俺が少しイラついていると、カモシダさんが気になったみたいでクジョウさんに尋ねた。


確かにそうだ。


一度は防がれてるんだったら、また同じように防がれるかもしれない。


「いや、確かに防がれはしたらしいだが、治療法つまり相手は感染後治す事はできないらしい。それに、目的

はあくまで本土を相手に獲られないようにする事だから、十分目的を果たせる」


つまり、相手の殲滅に使うのではなくて、相手の侵入を阻止する事。


この作戦がバレたとしても、治療ができないなら、わざわざココにはこないって事か。


「異世界人は魔法によって大概の事を解決できはするが、病気方面にはめっぽう弱い」


この事は結構言われていることだ。


異世界の魔法には腕が無くなったとしても、再生することができる凄腕が何人かいるらしい。


だが、ワクチンや薬といった医学は精通されておらず、感染症に苦しめられた歴史もあるらしい。


向こうにとってはウイルスはまさにそれだ。


「これは極秘事項の一つだから、リングを受け取る君にはココで一緒に働いてもらうよ」


カモシダさんの顔を見ながら言い、


「はい」


返事をした。


特に不満そうな顔はしていない。


カモシダさんはココで執事、いや使用人の仕事をすることになるみたいだ。


まあ、こんな話を知ったら無暗に外には出れないよな。


それに、元々は書類上での死人だ。


知らなかったとしても、目立つわけにはいかないしココで働かせるつもりだったんだろう。


もしかしたら、ここで働いている人の中には同じような状況の人もいるのではないか?


俺は後ろに立っている二人に目を向けると、


んっ、あの人。


「それで、樺太なら可能性があると言った話に戻すが、」


クジョウさんは話を戻してしまった。


まあ、とりあえずいいか。


俺的にはそっちの方が重要だし、俺はクジョウさんの話を聞くことにした。


「樺太には異世界の研究のために行っている研究者がいるが、当然今回の作戦の影響を受ける可能性が

あるため、避難しなければならない。その船が北海道からでる事になっている」


「密航して、行ける可能性が十分あると」


「ああ、それに向こうからならともかく、こっち側からはあまり警戒されない可能性があると私は考えてる」


そうかもしれない。


「あんちゃん、全然あるぞ」


カモシダさんが嬉しそうに言って来た。


俺も同じだ。


十分可能性がある事が分かったのはうれしい。


俺の旅は続けられそうだ。





次回は未定です。

Twitterや活動報告で適当に次回については更新してます。

Twitter:@tScRxzYLtrcGXnG

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