表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争  作者: ガイ
3章 幽霊
20/47

18話 幽霊

長いですがよかったら最後まで読んでください。

18話 幽霊


「フー」


俺は息を大きく吐いた。


既に太陽は沈み、人がいないこの街に電気は付いておらず、あたりは既に真っ暗であった。


「とりあえず、このまま北を目指さないとな」


俺は腕に持っている小さいライトを使って、今の時代には似つかわしくない紙のマップと方位磁石を持って、道

を確かめている。


俺は今北へと向かっている。


俺は今日、建物の崩壊に巻き込まれた事によって、死んだ。


だが、それはあくまで形式上、書類上での話で俺は実際には生きている。


その理由は、2日前のアカガネ少尉に見せられた資料にある。


その資料には隊員が死亡時に隊長が記入しなければいけない資料と、知らない人物の名前だけが書かれた

資料であった。


その資料を見せた後に、今回の作戦資料を直接送られてきた。


それ以外に何か特別な事は説明されなかったが、その前の話とその資料から今回の事が頭に浮かんだ。


そう、”生死の偽装”をだ。


自分を死んだことにして、軍から抜ける事を。


少し悩みはしたが、軍を抜けて自由になるなんて、今後絶対にないと思われるほどのチャンスだと思った。


俺の頭の中に、軍を抜けるという事が浮かんだのも事実。


俺はアカガネ少尉に今回の話を受けることにした。


その了承の有無を返信した所、その次の日に今回の偽装のためにどうすればいいのかという事が書かれた紙

が部屋に置かれていた。


そして、俺は作戦の日、建物の倒壊に巻き込まれる前に、事前の作戦通り地下へと逃げ込んで難を逃れ、

俺自身を殺すことに成功した。


その後、事前の打ち合わせ通り地上に上がって、アカガネ少尉と最後の話をした。


--------------------------------------------------


「最後に聞くが、本当にいいのか?」


「はい、大丈夫です」


アカガネ少尉が最後の確認をし、俺は了承した。


「紙の処分は大丈夫なんだな?」


「はい」


部屋に置かれた紙には今回の偽装の内容と一緒に紙の処分をしてくれるように書かれていた。


まあ、こんな事バレたらアカガネ少尉自体まずい自体になってしまうからな。


「だが、良くこんな事思いつきましたね?」


少なくとも俺にはこんな方法思いつかない。


俺は事実上、死んでいる事になるんだから。


「見せた資料にある人物は覚えているか?」


「はい」


俺はあの日、アカガネ少尉と話た後にその人物の事を調べた。


名前は”コウジ タカネ”、所属していた研究所では主に生物の遺伝子についての研究を行っていた。


しかし、異世界と繋がった後はその研究室の教授を筆頭に異世界の遺伝子や魔力についての調査も同時

に行っていた。


その研究室の論文と言われるものがいくつか出てきたが、俺の頭じゃよくわからない内容だった。


が、その研究室の教授は賞の受賞経験もあるらしく、優秀な人らしい。


その研究室の一人の、この人もおそらく優秀な人なのだろう。


「それで、その人がどうしたんですか?」


「その人が俺に今回の方法を話して、実行したんだ。自分はただ研究したいだけだと言ってな」


今回の偽装は初めてではなかったみたいだ。


”タカネ コウジ”さんも同様に軍にいたんじゃやりたいようにできないみたいだから、抜け出すために今回の事

を実行したのだろう。


「その人の今は?」


「さあ、死んでるかもしれないし、生きてるかもしれない」


まあ、事実状死んだ人のその後なんてわからないか。


「ただ、彼は樺太の研究所に行くと言っていた」


「樺太?」


「ここだ、ココ」


そう言いながら俺に地図を見せて、指を指した。


指された場所は北側にある島だった。


「ここはお前の出身と同様、異世界の島が突然現れて融合された場所で、研究場所になっていた。まあ、

戦争後には研究チームは撤退して今はもぬけの殻だが、彼はそれを好都合と見てそこを目指したんだろう」


「そうっすか」


「まあ、何もあてがないなら目指してみるといい。俺の名前を言えば、話くらいは聞いてくれるかもしれない」


「そうしてみます」


と、俺はアカガネ少尉と話をした。


「じゃあ、最後の仕上げだ」


そう言うと、俺に手を差し出して来た。


現在、生死の判定はいくつかある。


誰かの口で言った事だけで、判定をすることはできない。


定期的な生存報告の有無などがあるが、最も一般的な方法としては、死体を持ち帰る事だ。


だが、戦いのさなかそんな事をやっている暇がない時の方が多い。


そのため、体の一部を持っていく事が多い。


そして、今回の俺の場合、体の一部ではないが、体の一部で命と同様に大事だとみなされている指輪、"リ

ング"をアカガネ少尉が回収することで俺の生死を偽装する。


リングは個人の情報が入っている言わば、本人確認証のものであり、なくした際の再発行は難しい。


特に戦地にいるものが亡くした場合は相手の魔法による変装や操られているなどの扱いを受け、基本的に

再発行が行われず、死んだ判定されることもある。


そういう事もあって、死体の持ち帰りが難しい時にリングだけ回収することもよくある。


そのため、俺達は死んでもこのリングを外さないようにしている。


だが、今回はそれを利用して、生死の偽装を行う。


「わかっていると思うが、そいつを外したらお前は死んだことになる。そして、お前は個人の証明ができず、これか

ら俺達の軍からは”敵”として見なされることになる」


そう、俺のようにリングによる個人の証明ができないという事は異世界人側として見られ、敵対することにな

る。


異世界人側も同様だろう。


俺はそういう立場に今からなる。


俺はリングを外して、アカガネ少尉に渡した。


「これで、もう戻れないぞ」


「わかってます。元々そんな気ないんで」


「そうか」


アカガネ少尉はリングを受け取ると背中を向けて、手だけ降って、戻っていった。


俺もその背中を見て、俺は自分が向かうべき場所の方へと歩いて行った。


--------------------------------------------------


当てがない俺はとりあえず北へと向かった。


だが、ここは既に相手の進行が進んでいたようだ。


寝ずに北に進んだが、その距離はそんなに大した物でもない。


なのに、俺が配属された場所とは違って既に始まっていた。


アカガネ少尉からあるとは言ってたけど、もう始まっているとは思わなかった。


俺はその光景を少し離れた街の丘の高い場所から見た。


横浜の時と違って、実際に体験こそしていないが、その光景を見るだけで今までの自分の考えの甘さが分か

った。


全員が口を開いて何かを叫んではいるが、その音はここからじゃ全く聞こえない。


いや、おそらくそうとう近くまで行かなければその声は聞こえないだろう。


周りの爆音のせいで。


聞こえてくるのは兵器と魔法による爆発音しか聞こえない。


後は、チラホラと銃声が聞こえてくる。


ただそれだけ、悲鳴すら聞こえない。


実際にその場にいても仲間の声を聴くこともできないだろう。


やはり、俺は知らなかったようだ。


俺はこれからこの状況をどうにか変えなければならない。


でも、どうやって変えればいいんだ。


実際に見て俺は再び現実に打ちのめされてしまった。


「誰だ!?」


俺が目の前の光景を見ていたら、突然後ろから大きな声が聞こえた。


振り返ると、二人の軍人が俺に銃口を向けていた。


「見ない顔だがどこの所属だ?ここは俺達の持ち場だぞ」


俺が担いでいる銃から同じ軍隊の仲間だと思っているのだろう。


そして、その銃から俺がここで狙撃するためにこの場所に来たと勘違いしているのだろう。


ここは適度な高所で狙いやすい場所だから。


現に俺はここで良く、観察することができたわけだし。


まあ、俺の銃はこの距離を狙うのはちと難しすぎるから役不足ではあるがな。


「おい、どうしたんだ?」


俺が何も答えずに黙っていると一人が痺れを切らして、叫び、持っていた狙撃銃を近づけてきた。


おそらく、彼らがここで狙撃する作戦なんだろう。


そして、俺が何か勘違いしてここに来たのだと思っているのだろう。


とりあえず、ここは何とか誤魔化して離れないとな。


「すみません。勘違いしてました」


俺は適当な事を言った。


「そうか、だったら速く持ち場に戻れ、もう始まってんだぞ」


「はい」


銃がおろされて、俺はこの場から離れようとすると、


「待て!!」


狙撃銃を持っていない方の人が、再び叫んだ。


「まだ、どこの所属か聞いていない」


「ちょっと、今はそんな事してる暇はないんじゃ」


狙撃手がなだめようとしていたが、


「一人でいるのが不自然に思わないのか?」


しかし、その言葉を聞き入れず、俺が一人でいる事を不自然に考えた。


それはそうだろう。


こんな真っ最中で一人でいるなんてまずありえない。


最低でも彼らのように二人行動をしているはず、もう一人の方はえらく冷静にこの状況を見ている。


俺は左手を後ろにしようとすると、


「お前、その手」


まずい、俺がリングをしていたのがバレた。


「構えろ、敵だぞコイツ!」


再び銃が構えられそうになったが、俺は銃口を蹴り上げて、銃を突き上げた。


「しまっ、」


俺はその前に丘から下へと飛び出し、俺はその場から逃走した。


--------------------------------------------------


なんとか、あの場から離れる事ができた。


それなりに遠くに逃げ込んだはずなんだが、それでもまだ聞こえる。


あの爆発音が。


それだけ、激しい戦いって事なのか。


俺達の世界は今までお互いの国同士、直接戦いはしなかったがいがみ続けていた。


それがやっと終わって新たに一つになろうとしていた。


異世界だってそうだ。


かつて異世界には魔物と呼ばれる敵がいたらしく、そいつらとの戦いは1万年も続いていると言われるほどの

歴史が異世界にはある。


だがしかし、その長年の戦いはこの世界と異世界が混合する5年程前に、勇者たちが協力して、魔王を倒

して終わったと聞いた。


そして、平和が訪れたと。


そう、お互いの世界で平和になろうとしてたのに、お互いで新たな敵が現れた。


いや、お互い新たな敵を作ったんだ。


そんな、長年の歴史に終止符が打たれ平和になって束の間に、


今までだって、そうだった。


中央に集められた時に、サンダーズさんから貸してもらった歴史の本に書かれた内容にだってそうだった。


昔から争っては終わって、また争って、それがずっと続いている。


仮にこの戦いが終わったとしても、またもう一度新たな戦いが始まるだけかもしれない。


そう考えてしまうと、俺がやろうとしている事は無意味なのかもしれない。


いいや違う、そんな”もし”を考える方が意味ない。


俺が今考えるのは終わらせる事だけだ。


でも、歴史を見てもどちらかが勝つまで続いている。


やっぱり、無理なのかどちらかがいなくなるまで続くのか。


どちらかが負けるまで。


いや、一つ思いついたことがある。


でも、こんな方法でいいのか?


それに、そんな方法俺にできるわけがない。


いや、当てがないわけじゃない。


確か、あの研究者は現存する魔力を持たない生き物、つまり俺達の世界の生き物に魔力を注入した時の

結果がどうなるかを研究していた。


確か、マウスの実験ではマウスは魔力を獲得したことになっていた。


だが、その後すぐにそのマウスは息絶えたという結果だったらしい。


でも、重要なのは獲得した魔力の量の方だ。


注入した量よりも多かったという報告が挙がっていた。


もしかしたら、できるかもしれない。


その方法が、もしあれを使う事ができるなら。


どちらにしても、当てがない旅じゃなくなりそうだ。


当てが、目的ができたんだ。


当てのない旅じゃなく、終わらせるために俺は向かうんだ。


俺は北へ、再び歩き始めた。








これから次回は出来次第挙げていきたいと思います。

進捗みたいなのは活動報告やら作ったTwitterで挙げると思います。

Twitter;@tScRxzYLtrcGXnG

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ