15話 VSゴールドランク
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15話 VSゴールドランク
なっ!!
グサ!!
俺の首目掛けて来たナイフを左手を犠牲にしてなんとか防いだ。
あっぶない。
しかし、相手を拘束していた左手を放してしまった。
相手はそのスキを見逃さずに銃を再び握って、銃口を向けてきた。
やっ!!
バン!!
俺の頬を銃弾がかすったが、寸で銃を掴み避ける事はできた。
ただ、避けるときに相手の体から離れてしまったため、相手の拘束が解けてしまった。
相手はそれを狙ってたのか、直ぐに立ち上がりこの場から逃げていった。
が、俺もタダで拘束を解かずに相手の銃を奪い取った。
それに、実際に傷はついていないといっても、ダメージはある。
そんなに遠くには逃げれないと思うんだが、そうとは言い切れない。
足や目、心臓を刺した痛みがあいつの体には走っている。
普通はそんな事をできるとはとてもじゃないが無理だと思う。
少なくとも俺じゃ無理だ。
今までだって抵抗する奴はいた。
威勢が良かった奴、口が堅い奴、今までにもいろんな奴に行った。
しかし、直ぐ静かになり、喋った。
こういった事に恐ろしく適しているのが俺の魔法だ。
だけど、あいつは俺に抵抗し、今逃げている。
あの状態から、そんな奴は初めてだ。
そんな奴だから、どこまで動けるかは全くわからない。
とはいえ、今はそんな興奮状態で、痛みを忘れてうごいているだけ時期に動けなくなるだろう。
それに、走ってはいるが、先ほどと比べて遅い。
痛みを耐え、不自然気味、銃も持っていない。
相手の状態は最悪だ。
そうだ、どうしたんだ俺、逃げられて少し焦り気味になったか?
冷静に考えたら相手は俺から必死に逃げてるが、無理な話なんだ。
魔法もない。
最大の武器の銃だってない。
あいつは今逃げるしかない。
それだって長く続かない。
今は一回落ち着いて、相手をもう一回捕まえる。
今度は逃がさないように片足はつぶしておこう。
それでいい。
色々考えはしたが、俺は頭の中でやる事を整理して、相手を追った。
相手が曲がった道で俺も曲がった。
んっ!!
ところが、曲がった先に相手が見えなかった。
消え、いや、下か!
相手が見えなかったことに一瞬思考が飛んだが、そんな事あるはずがない。
俺はすぐに周りを確認して、相手が低く構えているのを確認した。
しかし、相手は既にもう一つ隠していたであろうナイフで俺の心臓、急所目掛けて突っ込んできた。
「グッ!」
俺は左手を何とか間に挟んで、致命傷を何とか防ぎはしたが、傷が抉られた。
俺の左手には激痛が走った。
俺は相手の腹を蹴って、自分も後ろに飛び相手との距離を取った。
そうだ、俺は焦ってた訳じゃなかった。
逃げられてからずっと何か引っかかっていたんだ。
それが今わかった。
コイツが不気味だったんだ。
さっきも今だって、俺を殺す気で攻撃してるってのに何も感じなかった。
いや、その前のコイツが逃げようとするときも何も感じなかった。
魔法を使う俺達はその兆候を見逃さないため、相手の魔力、気配の流れをよく見る。
優れた者はその流れで先読みすら行える程だ。
コイツらは魔力がない分、読みづらくはあるが、気配を全く読めないわけではない。
例外はあるが、相手にそんな概念がなかったのだろう、少なくとも対面で気配、殺気を消す奴はないと聞い
ていた。
俺だってゴールドランク、常に相手の気配を見てその兆候を見逃さない。
だが、俺は三回その兆候を見逃していることになる。
あるのかそんなことが?
特に俺を殺そうとした時の二回は油断なんかしていない。
尋問時には些細な事も見逃さないよう気を配ってた。
俺はそれなのに気付かなかった。
だから、俺はコイツを不気味に思ってたんだ。
なのに、俺は深く考えずに追ってしまった。
その結果が左手だ。
俺の左手はナイフによって貫通されていた。
後で治療すれば問題はないが、少なくともそれまではまともに使えない。
それどころか、即効性の毒が塗られていたのであれば、その時点で俺は負けていた。
俺はどこかで甘くみていたのかもしれない。
クソが、反省することがこれで増えたな。
でも、今はコイツを捕らえないとな。
目的や拠点以外にも聞きたいことはいっぱいあるしな。
俺は剣を抜き、相手に向けた。
相手は逃げようとせずに、こちらを向いている。
だが、片方の腕を後ろにやっている。
またナイフか、それとも何か他に隠しているのか?
どちらにせよ、これ以上後手に回るのはまずい。
俺は踏み込み、相手に向かった。
すると、隠れていた手が見え、何か箱のような物を持っていたのがわかった。
あれは、爆弾って言われる奴だな。
まさか、狙いは”自爆”か?
コイツらも死んでも倒すそういう精神が強すぎる。
コイツの仲間だって、、、。
だから終わらないんだ。
しかし、相手は持っていた爆弾を俺に向かって投げ、自分は後ろへと下がっていった。
自爆特攻ではなく俺だけ倒すために?
いや、今はともかく。
俺は剣をうまく使って自分の後ろに爆弾を弾き飛ばした。
「んっ?」
その爆弾には細い紐のような物が繋がっているのを気付いた。
これは、、、そうか!
俺は急いで剣で切り、後ろを確認した。
「チッ、」
だが、少し気付くのが遅かった。
ボッン!
相手がうまく紐を使ったせいで爆弾はたいして後方へ飛ばずに起爆された。
「グッ」
爆弾自体が小規模であり。ギリギリ爆発にこそ巻き込まれなかった。
が、問題は爆風によって俺は前方へと吹き飛ばされてしまった。
相手はコレが狙いだったのだろう。
しっかりと、爆風に備えており、俺の前でナイフを持って立っていた。
やられた。
爆風のせえで体制が悪い。
剣も魔法も何もかもが、もう間に合わない。
俺は相手の方へ飛ばされる中で、死を悟ってしまった。
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ドン!!
俺は目の前にナイフが来て死んだかと思った。
しかし、俺の目の前でナイフが刺さる事はなく、今は天井を見ている。
刺される直前に相手はなぜか止めて、俺の腕を掴んだ。
そのまま、爆風の勢いを利用して俺は投げられ、地面に叩きつけられ、今の状況に至る。
相手は俺の頭側の床に座っている。
コイツは何をしているんだ?
俺を倒せるところをわざと逃して、別に何かするわけでもない。
最大のチャンスだったのに。
俺は別に左手以外どこかを痛めているというわけでもない。
俺は仰向けの状態から、立ち上がった。
今からコイツを捕らえようと、倒そうと思えば俺は全然問題なくできる。
俺は相手に剣を向けた。
なのにコイツは何もしなかった。
「何してんだ、お前?」
俺は率直な疑問を相手に投げた。
相手は少し黙っていると、
「わかんない」
と、答え、
「あんたをやられる前にやらなきゃとは思ってた。けど、いざその瞬間になってやっぱり違うって思ったんだ」
「何がだ?」
「あんたをやっても何も変わらない。そうおもっただけだよ」
そんな事もないだろう。
少なくとも俺を倒せればコイツは生き残る事もできるってのに。
「とりあえず、早くここから逃げた方がいい。あんたの仲間にもどうにか連絡して」
俺が相手の行動の不可解さを考えていると、そう言って来た。
「どうしてだ?」
「詳しく言っている時間もないけど、あと5分くらいでここが爆発して崩れる。ここに残ってたら全員下敷きにな
る」
何言ってんだ、ここが爆発?
いや、でもあいつらはここで何かをしていたということは事実。
何かしらの目的で爆発を起こそうとしていたなら、俺達を倒すためにそれを起爆させるというのもありえなくは
ないのか?
ハッタリか?
いや、わざわざ俺をやれるタイミングを逃してまで言った事。
理由はわからないが、可能性は十分にある。
「あー、聞こえるか?」
『はい?』
俺は”テレパシー”の魔法で繋がっていたバケット君に、
「詳しくは言えないが、追跡をやめてドルマ達とともに一回戻っててくれ。今すぐ」
『わっ、わかりました』
説明した。
本当でもウソでもこれ以上危険な事はできない。
命は大事に行きたい。
でも、その前に確認する必要がある。
「お前の話が本当だったとしたら、何で助けるような事を?」
「速く逃げろよ。時間はそんなに」
「いいから」
俺は声を遮って、聞いた。
時間がないのはわかった。
それでも、解せないから聞いた。
例え、ギリギリになったとしても。
相手は諦めたのか、ため息を少し吐いて。
「あんたのせえで俺の体はもうボロボロ。さっきまではアドレナリンのおかげで何とか動いたけどもう限界だ」
言いながら、後ろに倒れて仰向けに寝た。
「あんたをやってもどうせもう俺は逃げれない。だったら二人が死ぬよりも、一人が生き残るほうがいいだろ、
普通に考えて」
人数的な事を言ったらそうだが、俺とお前は、
「・・・」
俺の顔を見て何かを察したのか、
「俺の目標はこの戦いを終わらせること。俺達が勝つじゃなくて、両方が平和に終わるようにだ」
さらに続けて、
「だから、俺が救いたいと思う命に敵も味方もない」
「そうか」
顔を見て、話しを聞いて、コイツの言ってる事は本当なんだろう。
これが、コイツなんだろう。
、、、。
「なあ、冥途の土産に一ついいか?」
仰向けになりながら聞いてきた。
「断る。悪いが、もう5分もないんだろ?」
「ああ、そうだな」
俺はコイツの願いを断った。
そして、近づいた。
「それに、お前が冥途に行くのは今じゃないしな」
俺は彼の手を取り、担いだ。
「えっ!」
「さっさとココから出るぞ」
そのまま出口に向かって俺は走った。
「まさか、また!」
「安心しろ。お前にはもう何も聞かねえよ」
おそらく、俺が彼を連れ出して、また魔法で尋問まがいな事をするかと考えたのだろう。
まあ、俺も話を聞かなかったらさっさと捕らえて、続きをしていただろう。
「ここから出て、助かったらそれっきりだからな」
「時間がないんだって言ってんだ。置いてって、さっさと」
「お前一人担いで助かんないなら、置いてっても変わんねえよ。黙って担がれてろ」
俺はそう言った。
それを聞いて、相手はそれ以上追及する事をやめた。
そして、しばらく無言のままでいると、
「何であんたは戦ってんだ?」
「それが冥途の土産に聞きたかったことか?」
「まあ、その予定だった」
彼は死ぬ前に俺が戦う理由を知りたかったみたいだ。
そんな事を聞いて何になるのか、意味があるのか、何で知りたいのか?
そんな疑問が浮かんでくるが、そんな野暮な事を聞く気にはなれない。
それに、これで最期かもだしな。
「別に俺にはそんな深い理由は特にない。俺達の世界には昔から魔物や魔獣といった化物がいて、それを
退治する事を生業としていた”冒険者”という職業があった」
そう、俺達の世界は昔からギルドにランク付けされ、依頼をこなす冒険者という職業があり、自分の肉体や
魔法を使って戦う事はあたりまえだった。
「”魔王”を退治しても、それは続いていった。そして、世界が一つになった時に俺達の対象が君たちの世界、
人間へと変わった」
世界が一つになり、徐々にその冒険者にくる依頼の対象が彼らの世界になっていった。
そして、始まった。
「俺達も”冒険者”に憧れて、なった。そして、戦った」
戦うのが当たり前の世界。
違和感は特になかった。
俺達は依頼をこなして、戦いを続けていった。
「なんで戦うのかだよな。俺達はその依頼を通して、俺の同期や知り合いも多くが亡くなった。その敵討ち、
ってのが多いいかもな」
自分の知り合い、友、家族を失った奴も多いい。
故郷を奪われた奴だって。
「俺だって、それで動いてるかもしれない」
俺も何人も友と仲間を失い、相手をゆるせないっていう感情も大きい。
「でも、俺達が戦う根本的な所は違うのかもしれない。一番最初、この戦いの始まりがどっちが先かは置い
といて、何があったかはわからない。だが、そこにはなかったはずだ。”感情”は」
そう、戦いは誰かが死んで始まっていない。
引き金が何かわからない。
それが、この戦いなのかもしれない。
「だから、わからないかもしれない。なんで俺達が戦っているのかは」
色々考えた結果、なんで俺らが戦っているのかがわからなくなった。
「ただ一つ言える事は俺達にとって戦いは当たり前の日常だった。生き残るために」
そう、昔から変わらないのは自分たちの力を使って生き残るためにギルドや冒険者は戦い続けた。
「それが続き、いくとこまでいっちまったんだろうな。俺達はもう戻る事ができない所までいっちまったんだ」
「ああ」
俺の答えに彼は軽く返事をした。
そうこうしている間に俺達は建物から脱出した。
「これでいいんだな?」
俺は彼にそう言った。
「いや、まだだ」
彼の声と共に、
ドッドーン!!
と、突然大きな音が聞こえた。
ドッ、ドッ、ドッーン!
さらに、それに続いて爆発音が続いていった。
これが、彼がいっていた事なんだろう。
いや、そんな事よりもだ。
俺は急いで、倒壊に巻き込まれないように彼を担いだまま走り始めた。
途中建物の瓦礫や周りの倒壊に巻き込まれた物がこちらに降ってきた。
身体強化の魔法を中心に走って逃げ、こちらに来た瓦礫は魔法や剣を使って、破壊していった。
そして、しばらくして爆発音が止んだ。
まだ、建物の倒壊に伴った瓦礫の雨やホコリが舞っていはいるが、とりあえず安全な所にまで行くことができ
た。
俺は周りを確認して、
「これで、もう大丈夫かな」
安全を確認できた。
「お前はここからどうにかして、仲間と合流するんだな」
俺は担いでいた彼を降ろして、そう言った。
「ああ、ありがとう。でも、何で助けたんだ」
降ろされると、彼は俺に聞いて来た。
「さあな。ただ、お前のおかげで一度は助かった命を使っただけだ」
一度は亡くなってたと思う命。
彼は彼の目的があったにしろ、俺はそれに救われた。
その彼の目的は正しいと思う。
平和に終われればそれに越したことはない。
「だから、気にしなくていい」
しかし、そんな綺麗ごとではもう解決できない。
俺はそう思っているが、
「だから、お前は頑張れよ」
俺は彼に笑顔を向けた。
「ああ、頑張るよ」
彼も俺に対して笑顔でそう言った。
俺は最期に信じてみることにしよう。
グッシャ!
その瞬間俺の目の前が暗くなっていった。
やっぱ、か。
な、まえく、らいしりたか、た。
次回は来週、月曜の8時です。




