囚われのお姫様はとても神聖なる存在なので、絶対にウ○コなんてするはずがありません!!!
「ちょっとばかしお花摘みに行って参りますわ」
「ああ...」
「おい、外に出たぞ」
「やっぱりそうなんじゃないか?」
悪魔たちはお花摘みと称して外に出るお姫様を見て口々にそう言った。ここ魔族の城では人間のお姫様が囚われている。黄色い髪の白いドレスのお姫様だ。魔物にかなりの人気があり、神聖な存在とされていた。そのお姫様、なにかと「お花摘み」と言っては外に出ているのだ。悪魔たちはその「お花摘み」と言うワードについて話していた。
「絶対そうだよな?人間の世界ではそのような言葉で行くって聞いた」
「いやいや、そんなわけないだろ!!」
「だが、どんな生物でも生物である以上これを避けられないだろう?『トイレ』に」
「ああ、しかもこの前は少し長かった。おそらくアレだろう『帰還』」
アレというのはアレだ。トイレで長くする...アレだ。流石にそのワードをいうのはよろしくないので悪魔たちの中では『帰還』という名称で呼ばれている。
「いやそれは無い!絶対にない!!あんな可憐な人間だぞ!」
「いくら可憐だろうか食べたものを排出しなければならない。『帰還』するのは当然のことだ」
「次あのお姫様が出て行ったらついて行こう。そしてトイレの入るのを確認するのだ。それ以上は踏み込めないがトイレに入ればその可能性は高い」
「いいのか?そんな事して」
「まあ別に中に入るわけじゃないのだから良いだろう」
「何だか良くないことをしている気がするが...まあいいか」
かくして、その作戦は決行されるのだった。
「では、お花を摘みに行って参ります」
「ああ」
別の日、お姫様がそう言い部屋を出る。こっそりと悪魔たちは後をついて行き、隠れながら後を追う。お姫様が曲がるとバレないようにその後をつける。確かあの曲がった先にトイレがあるのだ。角を利用して恐る恐る様子を伺うと、もうそこにはお姫様の姿はなかった。この廊下はまだ先があり結構な距離がある。ここで姿が見えなくなるということはおそらく入ったのだろう。
「入ったな」
「ああ」
「でも『帰還』かどうかはわからない」
「そこは想像するしかないな」
しばらくするとジャーという音と共に誰かが出てけくる。そこにはお姫様ではなく幹部のメデューサだった。普段意識しないようにサングラスをかけている。どうやら頭の緑の蛇たちと話しているようだ。蛇はたくさん集まってまるで髪の毛のようにウネウネと曲がっている。悪魔の1人が駆け寄ってこんな質問をする。
「メデューサ様!他に個室は入っていmっしたか?」
「いや、いなかったわよ?」
「いなかった?」
「どういうことだ?『帰還』ではないのか??」
「やっぱりそもそもトイレなんて行かないんじゃないか!!」
「今度はちゃんと入る瞬間を見よう」
「ああ」
悪魔たちの決意は固かった。
「お花摘みに行って参りますわ」
その言葉を言いまた出て行った。今度は張り付くようについていく。途中、早歩きになったりしながら燃したがなんとかついて行った。
「何であんな早歩きするんだ?」
「おそらくそんなに見られたくないのだろう」
なんとかついていくとお姫様は目的地に着いた。そこはトイレではなく、緊急避難用の扉。何を知るのかと思いきや近くの石を持ってガンガンと南京錠を叩き始めた。
「おい!待てええええええええ!!!」
「おや、ばれてしまいましたわね」
トイレより重要な事をやっていたお姫様はすぐに連れ戻されたという。