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魔法学院の俺の日常!  作者: 花咲旬
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01話 対面式(?)

「はい。皆さんおはようございます。今日は去年皆が体験した対面式があります。去年は分からない事だらけで、もたついていたり緊張してガチガチになっていたりしていましたが、今回は新入生を歓迎する立場です!新入生の緊張を少しでも和らげさせれるように、いい雰囲気で、笑顔で対面式を行いましょう」


いつもより少し声が高い。


俺たち紫クラスの担任のヤマニ先生は新入生が来るということで少しテンションが上がっているようだ。


俺たちのクラス、第2学年紫クラスの担任ヤマニ先生は、最近筋トレと歯について興味を持っているらしく、俺たち生徒にはよく筋トレの効率の良くやる方法や歯並びについて語ってくれるちょっと面白い先生だ。


実はこの先生、ミス30代の部門でコンクールに出ており、優勝経験のあるちょっとすごい人でもある。


「ちょっと早いのだけれど、これで朝の会は終わります。


外に出るならあと5分後に出てね。それじゃ解散!」


....さぁ、朝の会も終わった。これから一年生は地獄を味わうことになる。


そう。


精神的、そして肉体的な地獄を。




--------------------------------------------------------------------


5分後



皆が階段を下りて、玄関へ向かう。


ここで起きるのが3学年、2学年の押し合いだ。


学院内の2・3年生が一斉に階段を下りるため、とてつもない密度となり、押し合いが始まる。


当然、主に男子が先に行くので熱がすごい。


「うわっ?!」


中にはこけている生徒だっている。


階段でこけると前にいる生徒も巻き添えにどんどん倒れていく。


まるでドミノ倒しのように。


「うっわ。すげぇ熱気だなぁ。ユキ。結構危ないからこういうとこで先生が注意してたらいいのになぁ」


「.....はぁ。見えてないの?先生も巻き込んでるから対処できないらしいよ」


「あ、ホントだ。先生が埋もれてるなw」


「あの先生、新任らしいよ。可哀そうに。何もできないみたいだな。...え?」


ハウェイと俺がなんとなく話しながら階段を下りていると目の前で見てしまった。


「ん?どうした?なんかあったか...って、


なんで先輩らは身体強化使ってるんだ?!」


そう。俺が見たのは、ハウェイが言ったように、身体強化を使って思いっきり突っ走っている先輩だった。


「そりゃけが人も出るわな。.......俺らはケガしないようにゆっくり行こうぜ」


「うん。足元だけじゃなくて、周りにも注意しよう」


そして、俺らは玄関を過ぎてグランドに並んだ。


グランドの地面には、それぞれのクラスと学年を意味する数字と色が書いてある。


それに沿って並ぶのだが、前はもちろんのこと横もそろえなければならない。横をそろえるのには基準がいる。


その基準は2学年の黄クラスが担当する。


黄クラスは主に魔道具の生産や修理を研究するクラスだ。


常に命の危険を伴うため、他のクラスよりも厳しく指導されている。


そして数分もたたないうちに1年生が走ってグラウンドに集合してきた。


もちろん並び方は分からない。前後を確かめながら並ぶため、結構な時間がかかる。


そこで去年も大声で怒鳴っていたユーリン先生が


「おい一学年!お前ら前後くらいすぐにわかるだろ!先輩たちが待ってるんだ。早くしなさい!」


と、理不尽な一言。


(いや、おかしいだろ)


みんな心で思っていても口にしない。なぜなら生徒指導管理の先生だからだ。


下手に口にして指導になったらたまったもんじゃない。


そして、本当の地獄はこれからだ。


「二学年、黄色クラス基準!全体前にならえっ!」


..バサッ!!!


一斉に全学年が行うため、風を切る音がする。


「おい。一学年。お前ら前ならえが分からないのかっ!前ならえは前の人の耳まで腕を上げろ!」


ここでもよくわからない発言。事前に教えてもらっていたならいい。


しかし、新入生は今日学校に来ただけで、まだ何も知らされていない。


なのに分かるはずないだろ。と去年は思った。多分今頃新入生も思っている頃だろう。そして後悔していることだろう。


こんなところに来るんじゃなかったと。


「止め!お前ら横が全然そろってないし、縦列が歪んでいるじゃないか!やり直し!基準!全体前ならえ!」


.....バサッッッ!!!!!!


今度はもっと大きな風を切る音が聞こえた。


多分皆やけくそになってきているのであろう。


そして、


「お前らまだだ。まだそろってない!」


と言って。5分以上腕を上げた状態にさせられる。この状態、実は結構つらくて体を鍛えていない限り次の日は筋肉痛になるくらいだ。


身体強化を使えば楽なのだが、実は学校内では授業中又は緊急時以外生徒は使ってはいけない規則になっている。


現に、さっき会談で身体強化魔法を使っていた先輩ら数名は、他の教員につかまり、別室に連れていかれているのを見た。


横にいる、体が細くていかにも魔法使いって感じの先輩は、腕がプルプル震えだしている。


優しい先生は


「もうちょっとだからがんばれ」


と小声でささやいてくれる。


そして、7分が経過したところ、


「止め!」


という嬉しい言葉がかけられる。


その言葉を聞いたとき、安堵の気持ちで少しだけ目が潤んだ。




-------------------------------------------------------------




そして本当の対面式が始まった。


各クラスに分かれて自己紹介をする。


一学年は全員が自己紹介をしなければならない。


続いて、教員の自己紹介2・3学年生のクラブ勧誘などの時間がある。


そして、すべてのプログラムが終わる。


この時点で全員が精神面や肉体面で疲れ果てている中、


さらに追い打ちをしてくるような出来事がこれから待っている。


『魔力基礎測定』だ。



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