アスカニア大陸戦記 黒衣の剣士と氷の魔女 あとがきに添えて
拙著『アスカニア大陸戦記 黒衣の剣士と氷の魔女』が、完結しました。
本作品は、スチームパンク×ファンタジーという世界観のもと、軍事大国の革命動乱後の世界、麻薬貿易、人身売買、奴隷貿易を背景として、主人公ジカイラとヒロインであるヒナとの恋物語を中心に、裏社会を垣間見る少年少女達の友情と恋愛と性、成長を描きました。
前作、『亡国の皇太子』の主人公ラインハルトを『光』とするならば、本作『黒衣の剣士と氷の魔女』の主人公ジカイラは『影』という立ち位置になります。
例えば、倉庫で奴隷商人達に少女が乱暴されている場面に遭遇した場合、ラインハルトならば任務の如何を問わず少女を助けた事でしょう。しかし、ジカイラは任務を優先し、少女を見殺しにします。
捨て子で家名さえ無い元海賊、任務のため非情になるジカイラは、いわばダークヒーローです。
一方、ヒロインのヒナは、いわゆる『落ちこぼれ』でした。
地元の公務員試験に落ちて、公務員一家である実家に居場所が無くなり、逃げるように革命軍士官学校へ入学、ラインハルトやジカイラ達に出会い、ラインハルトに憧れたものの、ナナイという強力な恋敵に負け、二人を遠くから眺めているだけでした。
しかし、ジカイラに出会い、恋仲となった事で彼女は変わっていきます。
人生に躓くことがあっても、人は立ち直ることができる。
愛すること、愛されることを知れば、人は強くなれる。
逃げること無く、やるべきことをやる。
他者と自分を比べる必要は無く、細やかでも自分自身の幸せを掴む。
これがジカイラとヒナの二人を通して、筆者が描きたかった事だと、今更ながら思います。
前回のあとがきと同じになりますが、本作品は、いわゆる『テンプレ』と異なり、タイトルが中身を説明することもなく、主人公は強く、転生もしません。
「小説家になろう」で投稿するにあたり、再び『王道』と『ハッピーエンド』、『非テンプレ』の物語で挑んだのですが、やはり埋もれますね(苦笑)
本作品中、何か読者諸氏の心に残る一話一文一台詞があれば、書き手の私と致しましては万々歳で御座います。
本作を執筆するにあたり、御感想やご意見、様々な評価を頂きました諸氏に厚く御礼申し上げます。
続編も計画しておりますので、今後ともご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
※タイトルを『アスカニア大陸戦記 黒衣の剣士と氷の魔女』に変更しました。
令和 2年10月12日 作者 拝
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