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ニューリズムゲームエピソード  作者: 桜崎あかり


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42/50

9-2

・2021年9月2日付

細部調整


・2023年6月14日付

細部調整

 オケアノス内でビスマルクは黒騎士ギムレーに遭遇する。アバター姿ではなく、普通にスタッフとも見間違えそうな外見なので、知らなければ素通りは間違いない。


「こちらも、一連の勢力等に利用されて終わる訳にはいかないのだ。聞かせてもらおうか、カバーストーリとやらを」


 ギムレーの表情を見るまでもなく、明らかに焦りが見えたのをビスマルクは悟った。カバーストーリーに固執する訳ではないと思うが、上層部の圧力等は彼に焦りを生み出したと言ってもいい。まとめサイトの一件を含めて自滅と言う気配もする一方……。


「あなたの行動には同情の余地はない。それはファンの方が理解しているのでは?」


「こちらとしても同情が欲しい訳でもない。欲しいのは実績だ」


「――金や名誉、ストレス発散等のようなバズり連中と同じではない事には評価する」


 ギムレーの一言を聞き、ビスマルクは深層WEBを含めた事実を話すのをやめる事にする。その理由は明らかだ。金が目当てであれば、それこそまとめサイトやバズりを得て有名になりたいSNSユーザーと一緒だろう。そうした人物に事実を話しても、SNS上で拡散するのは明白だ。それが、SNS炎上のメカニズムを含め、様々な人間模様を見てきた彼女なりの答えなのかもしれない。



「しかし、深層WEBの情報を自分の手柄と言うのは、さすがに看過できない」


「深層WEB? カバーストーリーとは違うのか」


 それでもギムレーは何としても真相を聞き出そうとする。上層部さえも話さない事実を。おそらく、彼らは隠し通そうとしているのだ。一連の事件を黒歴史として。その真相を知ろうとする事の何が悪いのか。ビスマルクは知る権利さえも奪うと言うのか?


「どちらも差異はない。だからこそ、自分の手柄とするのは――」


「手柄? その一言で片づけるのは、さすがにこちらとしても許容できない」


 ギムレーの方は冷静を保っているようだが、ビスマルクの方が表情を出していないのは明白だ。彼女は表情を殺して発言している訳でなければ、ツンデレ等を演じている訳でもない。これが本来のビスマルクだからである。


「もっと簡単な例えで説明しましょうか。ありとあらゆる一次創作の異世界転移、異世界転生題材は自分が特許権を持っている――それと同じよ」


 これ以上の対話をしても情報は得られず、ストレスをためるだけであれば――直球の例えでギムレーを黙らせた方が速いと判断した。その際に出した例えは、ある意味でもギムレーは沈黙させた。周囲の野次馬には聞かれていないと思うが――下手に聞かれれば炎上は避けられない。


「それが、カバーストーリーの――」


 ギムレーには致命的だったらしく、その後は何も語る事もなく何処かへと姿を消した。出番の方もこれで終了というべきか。これ以上、SNS炎上勢力等をピックアップしても――何処かと明らかに被る。


 そして、これはあくまでもニューリズムゲームエピソードにスポットをあてるべきだ。だからこそ――ここでフェードアウトするべきなのだろう。仮に出番があったとしても、ここではなく言及されるのは外伝かサイドストーリー、もしくはメディアミックス化されてからになる。


 一つ分かるとすれば、先ほどのビスマルクの発言が彼にとっても止めの一撃になった事だ。これによって、プロジェクトからも退くほどには自信をへし折ったと言ってもいい。SNS上ではギムレーの撤退を喜ぶ声もわずかにあったが、ビスマルクはそうした勢力に塩を送るような行為をした訳でもなかった。



 ビスマルクがニューリズムゲームプロジェクトの筺体前に到着した時、既にメンテは終了している。少し前にもあったが、再調整があったのだろうか? 実際はギムレーが無断で直したのを――と言うオチかもしれない。


「これが噂のゲームかな」


 ビスマルクがセンターモニターに流れるデモムービーを視聴し、そこで何となくの内容を把握した。もしかしなくても、あのWEB小説に出てきたアレに似ている。それを丸パクリしたと証拠なしで言及しても自分が自滅するだけだろう。


 あくまでも深層WEBやアカシックレコードの記述にあった物であり、この『世界』にはない物かもしれない。一度プレイして、それから情報量を増やして判断するしかないだろう。

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