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ニューリズムゲームエピソード  作者: 桜崎あかり


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35/50

7-5

・2021年8月31日付

細部調整


・2023年6月13日付

細部調整

 サーバールームでまとめサイトを見ていた人物の正体、それはかつて『ヴァーチャルレインボーファンタジー』でも関係者の一人だったビスマルク。今はプロゲーマーと言うポジションだが、メーカー等からの依頼があればガーディアンにも似たような事をする。それでもまとめサイト絡みで積極的に関与はしない。彼女なりに考えがあって、中立を貫いているのだろう。


(あれっ? さっきまで閲覧できたと思ったのに)


 三分もしないような短時間、別のリンクもチェックしようとしてリンクをクリックすると、次に出てきたページは――。


【404】


 まさかの404表示だった。既に何者かがページを閉鎖したと言うのだろうか? それにしては明らかに手際が良すぎる。ガーディアンの囮サイトに見られるような特徴もなかったし、それに――。


「どういう事でしょう? 警察などが動いたとか」


 スタッフの方は404表示になった事に対し、炎上が最小限になると喜んでいるようにも見えた。しかし、ビスマルクは深刻そうな表情で404ページを見ている。その表情が何を示していたのかは、スタッフには読み取れない。


(あの程度の文章であれば、怪文章と騒ぎ立てるサイトがあってもおかしくないのに、それもなかった――)


 404ページからバックして戻っても、先ほどまで見られたページまで404表示だった。つまり、このページは完全に閲覧不能になったと言うべきだろう。


(それに加えて、過剰な信者等が削除要請したとしても対応が速すぎる)


 あの時以上にSNSが炎上に対して様々な規制をしようと考えているのも理由だろうか? 単純な規制では言論の自由の侵害と言う様なサイトが出てくるし、特定の規制であれば逆に噛みついてくる勢力もいるかもしれない。


(どちらにしても、噂のゲームを調べてみる必要性はあるかもしれない)


 ビスマルクが気にしている噂のゲームこそ、SNS上で話題となっているニューリズムゲームプロジェクトだった。



 オケアノスの最上階、ゲームメーカーがいくつか入っているのだが、それでも空室が存在する。ここを使うにはある一定以上の条件をクリアしないといけない。それをクリアしたメーカーが一握りしかないのは――どういう事だろうか?


「この一角を使えるとは、ある意味でも驚きだが――」


 オッドアイに背広と言うと、違和感を持つかもしれないが――彼は契約プロゲーマーとしてメーカーのビルにいた。現在は別のVRゲームのテストプレイ中だが、周囲には彼以外のスタッフはわずか数人しかない。スタッフの数人は最上階ではなく四階の別部屋でデータテストを行っている。つまり、最上階の一角はゲームのテストプレイ用のエリアと言うべきだろう。


「まさか、ここにいるのは自分一人とは」


 プレイしているゲームが広大なフィールドを使うFPS系のゲームと言う事で、この広いエリアを使っているのかもしれない。このゲームもニューリズムゲームプロジェクトと同じように、広いフィールドにアバターが表示される系のゲームのようだ。


(しかし、あのシステムを利用したVRゲームがここまで派生を生み出せるタイプだったとは)


 彼は自分の発案したアバター投影型のVRゲームに関して、ここまでの規模になるとは思っていなかったらしい。アバターに関してもARゲームがメインの技術だったのに加えて、あの『ヴァーチャルレインボーファンタジー』と同じシステムと言ってもいいだろう。七月に起きた事件を覚えていないプレイヤーは、該当ジャンルに興味がなかった等の事情がない限りは単語を聞いた事があるはずだ。風評被害でSNSが炎上するのが不思議ではないようなシステムに対し、当然だが反対意見はあった。


(まさかARをVRに変更しただけで、手のひら返しをするとは――予想外だったが)


 アバター投影システムをVRゲームに導入と聞いただけで、SNS上では手のひら返しが起こったのである。この反応は反対していた上層部も予想外と発言する一方で、このシステムがオケアノスの最上階を使える規模の技術だった事にも驚きを隠せなかった。


「今は、様子を見るか」


 テストプレイが終わり、最上階の窓から見る草加市の光景――本当に、あの草加市なのか? 別の意味でも彼は驚く。


【グラム、準備は出来たようだ】


【近い内にメーカー側が動くぞ】


 ある人物のメッセージが透明プレートに表示されたが、このシステムはあくまでもARゲームのシステムの延長線だ。彼の名前はグラム、ニューリズムゲームプロジェクトを生み出したスタッフの一人でもある。

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