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ニューリズムゲームエピソード  作者: 桜崎あかり


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5-3

・2021年8月29日付

細部調整


・2023年6月10日付

細部調整

「そう言えば、向こうの筺体を見て思ったが――内部はどうなっているのだ?」


「確かに、あの見た目だと密閉空間に見えるだろうな。一人用カラオケの筺体も過去にあったが――」


 筺体内部は特にサウナ状態の訳ではない。意外な事に、周囲のモニターはバーチャルで表示されており、いわゆる拡張現実であるARゲームで使用されている技術も使われているようだ。周囲のモニター類は一種のパーテーションと似たような役割だが、冷房の風が通るようなスペースは確保されている。


 ARゲームフィールドである『オケアノス』では、機種によって冷房設備の近くだったりするので、熱中症で倒れるような事はないだろう。八月のような夏の時期は熱中症のニュースも取り上げられるほどで、その辺りは神経を使っている証拠かもしれない。


「SNS上でVRとARの良いとこどりみたいな反応もあったが、こう言う事だろうな」


「筺体の大きさの割に、重量はないのか?」


 これだけ大規模な筺体であれば、設置場所の移動も一苦労するはずだ。背後のリズムゲーム筺体も以前に設置されていた別ゲームの物は、移動に数時間はかかったと言われている。ゲーセンの筺体移動で数日かかると言うのは朝飯前で、数分で終わると言う機種の方が奇跡かもしれない。


「数トンと言うのはないだろうが、パーツごとに数百キロはあるだろうな。移動の為に様々な工夫はしているかもしれないが」


「そう言う物なのか?」


「ゲーセンの場合、様々な事情で筺体移動をせざる得ない状況だって出てくる。臨機応変に動けるようにするのは重要だ」


「確か、ARゲームの場合は筺体単位ではなく端末単位で動かしやすいと聞いたが」


「だからこそだな。草加市ではARゲームのシェアが大きい。VRゲームや昔ながらのアーケードゲームが生き残るには、試行錯誤は必要だろう」


「ゲーセンも広さだけが全てではないが――」


 ギャラリーの二人は、引き続きニューリズムゲームプロジェクトの方を観戦する。既にマッチングの方は終わっており、シュテン・ドウジと別プレイヤーの対戦が組まれていた。



「別のゲーセン同士のマッチングは、現状でも難しいか」


 マッチングしたのは低レベルのプレイヤーで、場所もここである。一番台と表示が見えるのも――そう言う事だろう。ニューリズムゲームプロジェクトでは、リズムゲームとしてはケタ違いのデータ通信を行っている。そうした関係で現状では設置されている店舗同士のマッチングに限定されているのかもしれない。仮に他の設置店舗と遠距離マッチングが実現するとすれば、それこそ通信環境の変化は必須だ。


 過去に格闘ゲームでは通信対戦という概念はなかった。それこそゲーセンに設置された筺体同士の対戦がメインだろう。その変化が起こったのは、インターネットを利用したオンライン対戦だが、当時は家庭用機種限定のシステムだった。


 後に通信環境の変化で、次第にゲーセンでもインターネットを使ったオンラインがメインとなっていく。その先駆者になったのは、麻雀ゲームのオンライン対局やクイズゲームのオンラインバトルだったと言う。後にリズムゲームでも広がっていき、その後にラグの発生を少なく出来る技術が出来た事でアクションゲームや対戦格闘でも運用された。


(とりあえず、重要なのは――)


 周囲のモニターを目視でチェックするシュテンだが、マッチングが始まるタイミングだったので既にARメットが装着されていた。それ以外にも目の前にアバターが見えるのだが、その存在はシュテンにとっても想定外だった。


(目に前に表示されるのは、PVが表示されるモニターと譜面が表示される画面では?)


 目の前にはアバター、それもコースの上に立っている事もあってコースが譜面の流れる画面とも思えるだろう。似たようなリズムゲームは見覚えがあるのだが、即座には思い出せない。コースを走るようなリズムゲームは――いくつか存在する。相手プレイヤーの方は、特にそれを意識する気配がない。もしかすると、意識し過ぎているのはシュテンの方かもしれないだろう。

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