表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニューリズムゲームエピソード  作者: 桜崎あかり
2/50

1-2

・2021年8月27日付

細部調整


・2023年6月5日付

細部調整

 今から数週間前の事、このゲームとは違うが自分がプレイできそうなゲームを検索する人物がいた。外は七月中旬と言う割には、若干の小雨が目立つ。屋内で行われるゲームであれば、この雨でも出歩くゲーマーはいるだろう。SNSの情報検索をしていた彼女はインドア派と言う訳ではないのだが、このタイミングで外にで歩こうとは思わなかったのかもしれない。


 このゲームがロケテストされていたのは、丁度一カ月ほど前の話。他の大手サイトでも、それは言及されている。ある事件の影響もあって、開催時期は七月十日から一週間程度行われていたと言う事だが――。


 その事件の名前こそ記載はなかったが、何となくの内容はサイト上にも拡散している。様々なサイトで情報を検索している人物にとって――それは全く興味がない訳ではないが、信用出来るものではない。何故かと言うと、事件は『ヴァーチャルレインボーファンタジー』というARアバターを用いたゲームで起きた。そして、その裏に絡んでいたのは案の定だがまとめサイトやバズり目的のモブアカウント勢力だった――と書かれている。


 見ていた記事はロケテストしていたゲームよりも、むしろ延期した理由や事件の事を書いている割合が多く、目当ての記事ではなかった。結局、情報検索のやり直しをする羽目になり、数分でも時間をロスしたような気分になる。



(これも何か違う。やっぱり、ピンと来るようなゲームは見当たらないのかなぁ)


 両腕を組みながら、自室のパソコンに向かい合っているのは、一人の女性である。着ているのは明らかに部屋着ではない。いかにもパンチラをしそうなミニスカート、上半身はさすがに胸が丸見えではないが――。


(一連の事件を受けて、ARゲームのロケテストも減っているのは分かっているけど)


 近くに置かれた鏡に映るのは、黒髪にメガネをかけているように見えるのだが――。


(RPGもVRMMO的な物は出尽くしているし、アクションもリアルで殴り合う様な格闘はちょっと――ね)


 彼女が探しているのは自分がプレイできそうなゲームだったのが、プレイ出来ればVRもARも関係はない。仮想現実でも拡張現実でも、違うのは若干のプレイ感覚やアバター等の見た目だろう。彼女にとって、こうした箇所は変わりがないのかもしれない。その証拠に、ビジュアルの評価が高いゲームでも彼女にとっては、乗り気にならないのだ。


「このCMって――?」


 先ほどのサイトの関連動画でアップされていた物、それは実際にロケテストされていたゲームのCM動画である。わずか三十秒と言う短い動画ではあるものの、パワードスーツ同士の熱いアクション、オリジナルの楽曲、更には様々なアバターがCM内にこれでもかと凝縮されていた。


「パワードスーツ系のシューティングかな?」


 CMを見ただけでは判断しづらい。それもあってか、設置されている場所を別口で検索した結果、三か所ある事が判明した。しかし、自宅より遠すぎる気配がした秋葉原と西新井は断念。北千住も設置予定だが、八月中旬記載である。結果的には自宅から自転車でも行けるような距離の草加市のフィールドへ向かう事になった。



 八月上旬、ロケテストの行われた草加市内へ向かった彼女は、そのジャンルがリズムゲームだったなんて――実際の場所へ訪れるまでは分からなかった。明らかに置かれている筺体はロボットアクションゲームのようなコクピットを連想する形状で、それが四台横に並べられている。


(ジャンル間違えたのかな?)


 オウム返しをするような表情で筺体の上にあるパネルを確認する彼女は、数秒の思考を行った後に、帰ろうとも考えた。リズムゲームと言えば、太鼓とかギターとか、ドラムの形状をした筺体で演奏するようなイメージが強い。近年はスマホのアプリで配信しているイメージもあるが、大抵がアニメソングや動画サイトのオリジナル曲を採用しているケースが多いだろう。そうした事もあって、マニアやヲタク辺りのイメージが強く、どうしても――と彼女は思ったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ