入学式は恋の香り!?−中学生−
私、黒木萌香。12才です。今日は中学校の入学式。早起きして、制服に着替えて、友達と一緒に余裕で登校♪
…のはずだったのですが。なな、なんと!!寝坊してしまいました!!!大急ぎで着替えて髪とかして、顔洗って、歯磨いて!!朝ご飯なんて食べてる余裕なしっ!!!
「いってきまーすっ!!!!」
スカートがめくれない程度に走って、中学についたものの……。
「体育館…どこ……?」
次は迷子に!??受け付けもとっくに終わってしまい、案内の一つもありゃしない!!
「なんて不親切な学校よ!!」
悪いのはもちろん私だけど、会場が分からないんじゃ行きようがないわ!!
これじゃ私、入学できない!!!
「どーしよ……。」
「体育館ならあっちだけど?」
?…誰?
「アンタ、新一年生でしょ?」
声の聞こえる方を見ると、そこには茶髪の男の子が。二年生か三年生の先輩よね……。
はっ!!あいさつしたほうがいいわよね!!!
「は、はいっ!今日からココに通うことになりました!!黒木萌香デス!!!!」
「ふーん……。いいけど入学式とっくにはじまってるよ?」
「きゃ!そうだった!!!いかないと……。」
「ちょっと!一年生さんよ!!体育館行きの裏道教えてやるから来な!!」
「へ?あっ、はい??」
なんか流れで裏道教えてもらえそう……。
「生徒会専用のドアがあるからそこから行きな」
「私が使っちゃっていいんですか?あなた生徒会の人……?」
「…いや、違うけど……。」
「やっぱそれダメですよ!!私、怒られちゃいます!!!」
「ダイジョーブ!“ドアがあったんで入りました”と言え!!一年生なら知らなかったことになる!!」
「えぇ〜!??」
なんつー無茶苦茶な……。
「じゃ、しょうがねぇから、怒られそうになったときは先生に“二年生の細川先輩に通れって言われましたぁ”って言っとけ!!」
「それじゃあ先輩が怒られちゃうじゃないですか!!!」
「いいよ!俺が代わりに怒られといてやる!!」
「え…でも……。」
「早くいかねぇと、式終わるぞ?」
「そうだった!!」
「おし!行け!!!」
「で、でも!先輩のせいにはしません!!遅刻した私が悪いんです!!!裏道、ありがとうございました!!!!」
やっぱ、人のせいなんかにできないよ。でも、心配してくれてありがとう。
−次の日−
昨日の遅刻もどうにか切り抜け、新しい友達が二人できました。
遠坂 実咲ちゃんと小道 華ちゃん。私は前の小学校が家から離れていたので、小学校の友達は、ほとんどこの学校には来ていません。
この二人も私と同じように遠くの小学校に通っていたらしく、ここに友達がいないんだそう。
共通点を見つけた私たちは、すぐに仲良くなれました♪そんなある日……。
「萌香ちゃんて、好きな人とかいる?」華ちゃんが聞いてきたんです。
昼休みのたわいもないおしゃべり。
「えと、私は前の学校とかの子もいないし…まだよくわかんないかな……?」
「そーなの?うちは先輩とかがいいなぁ♪」
…なんか変な気分だな……。
「実咲ちゃんは?」
「…同い年がいい」
「そっかぁ……。先輩希望はうちだけ?」
…先輩……。たしか昨日の人は「細川」っていったよなぁ……。
い、いやっ!好きとかじゃなくて!!
でも、かっこよかったなぁ……。華ちゃんはあーゆう人タイプかなぁ……。
なんとなく嫌な気分……。
「萌香ちゃん?どーしたの?」
「へ?なんでもないよ!?」
私、へんだな……。
「なんか悩み事?」
「なんでもないって!!」
「ごめん。余計なこと聞いちゃったかな……。」
思わず顔がひきつる……。やばい、どうしたんだろ。
あやまんなきゃいけないのはこっちだ……。強く言いすぎた。
華ちゃんひいてるよね…?ホント、私どうしちゃったの!??
「あっれー?この前の新一年じゃん」
…なんか聞き覚えのある声……。
「何?ケンカ??」
「ち、違いますっ!!」
やっぱ先輩か……。
「誰?知ってる人?」
華ちゃんも実咲ちゃんもなんだか警戒してるような……。
「えと…顔見知りって言うの?入学式の時お世話になって……。」
「へーえ!先輩!?彼氏とか!!?」
さっきの空気とは一変。華ちゃんが食いついて来ちゃったぁ!!;
「え…ちょっ;ちがっ」
「そおだよーw彼氏、彼氏♪」
…は……?か、彼氏!!!????
「えぇ!?そうなの萌香ちゃん!!」
「うわー。すげーw」
「え!???何その反応!!?そんなわけないじゃん!!!??えぇぇ!!!!!!????」
「え?嫌なの?」
!!!!!!!!???????????
「ちょ、ちょっと待ちましょう先輩;アナタ、私の名前も知らないでしょ。なんですかいきなり彼氏とか」
「そーだねぇ。じゃ、教えてw」
「マジで何!!!??」
なんなんですかこの展開!!私、思いっきり素、出ちゃいましたよ!!?作者さんは何を考えてるんですかぁ!!
「ねぇ、俺が彼氏じゃ嫌なわけ?」
「だからっ!!ふざけてるんですか!!??さっきからへらへら笑って!!!」
「…ふざけてない。入学式の時会ったろ?そん時から一目惚れ。かぁいいなと思ったから裏道教えたんだし」
「じゃ、じゃあ本気ってことですか……。」
え?じゃあマジ告白!??ぎゃー!!二人ともぽかんとしてるよ!!!
「ラブラブだねぇ……。」
「そろそろおいとましますか」
行っちゃった!!!(泣)
こういうときはなんて言うの!?
キライじゃないけど…キライじゃないけど……。そんないきなり……。
「あんたの彼氏にしてよ」
「……。」
はいって言うのか?それともいいえって言うのか??
「…は、はい///」
言った……。唇が震える。
「やったw」
なんて言うか…無邪気な人だなぁ……。
こんなオトナっぽい雰囲気なのに……。かっこいいし……。
「そんで、名前は??」
「黒木萌香ですよ。『細川先輩』」
「なーんだぁ!おぼえててくれたんじゃん!!」
「この前のお礼…言おうと思ってたんです」
「偉いね」
彼氏になった先輩は、私を目一杯抱きしめた。
これからの学校生活。楽しくなりそうだな♪
あんまりなさそうな話だなぁ……。
少なくとも私は経験無い(笑)
そんなコクられるような子でもなかったしな。
今回はハッピーエンドでしたねw