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たっくんとサンタさん

作者: コウココ
掲載日:2019/12/15


今日はクリスマス。赤い屋根の家に住んでいるたっくんはサンタさんを捕まえてやろうと夜遅くまで寝ずに待っていました。


「サンタさんを捕まえて、プレゼントをいっぱいもらうんだ!」


布団を被って隠れているつもりのたっくんですが、ドキドキしすぎて動いているのでサンタさんからはバレバレです。

窓からたっくんを見たサンタさんは、そんなたっくんを見て困ってしまいます。サンタさんは良い子のところにしかプレゼントをあげられないのです。

夜遅くまで起きているたっくんは良い子ではありません。しかしサンタさんは悩んでいました。本当はもうたっくんにプレゼントをあげることはできないのですが、たっくんは今までとてもいい子だったのです。お母さんのお手伝いをしたり、バスで席を譲ったり、迷子の子を助けてあげたりもしていました。

なぜそんないい子のたっくんが、お母さんの言いつけを破ってまで夜遅くに起きているのでしょうか。


「たっくんは何がそんなに欲しいのかのぉ?」


困ってしまったサンタさんは、理由を知りたくて腰のポケットからたっくんの欲しいものが書かれた手紙を取り出します。そこには、習ったばかりの字が黒のクレヨンでたくさん書いてありました。ひらがながひっくり返ったりしていましたが、サンタさんはじっくりと読んでいきます。

その手紙を読み終えたサンタさんは驚いてたっくんに会いに行くことにしました。



サンタさんはたっくんの部屋の扉をノックして言いました。


「たっくん、こんばんは。わしはサンタクロース。今日はたっくんとお話をするために来たんじゃ」


そんなサンタさんの言葉を聞いて、たっくんは驚いて布団の中で丸まってしまいます。


(なんでぼくがおきてることをしってるんだろう)


どうしようかと悩んでいたたっくんですが、暗闇の中一人で不安だったこともあり、扉をあけてあげます。


「おぉ、たっくん。こんばんは。開けてくれてありがとう」


扉の向こうには、ランプを持ったサンタさんがいました。赤い服に、フワフワしている白い髭、優しそうな顔、間違いありません。たっくんは急にサンタさんを捕まえようとしていたことを後悔しました。サンタさんの髭や肩にはたくさんの雪が積もっていたからです。雪に埋まっている窓の外にあるドライフラワーと同じ花びらもそう思った理由でした。


(きっと、サンタさんはまどからぼくのことをずっとみてたんだ)


「どういたしまして、サンタさん。あのね、ぼく……」


謝ろうとしたたっくんですが、サンタさんになんと言ったらいいか分からずに俯いてしまいます。サンタさんはそんなたっくんを見ると、跪いてたっくんの肩を抱き寄せました。たっくんの瞳からはその温かさにホッとして、涙が溢れてきます。


「たっくん。たっくんが欲しいものはなんじゃ?」

「ぼ、ぼくは、いいこじゃないから」

「たっくんはいい子じゃないか」

「ぅう、ちがう、よ」


たっくんは首を振りながら、サンタさんに謝ります。


「ぼく、ぼく、サンタさんをつかまえようとしたんだ。そ、そ、それで、おそ、くまでおきてたの。ママには、やくねなさいっていわれたし、ほかのこも、サンタさんをたのしみにしてるって、しってたのに……。さ、サンタさんもぼくのこと、みてて、さむかった、でしょ?」


サンタさんはまだ泣き止むことのできないたっくんの話を肩を抱きながらただじっと黙って聞いていてくれます。


「たっくんは他の人のことまで考えられるいいこなんだね」

「ちがう、ちがうよ。だってぼくは……」


たっくんはとうとう声を上げて泣き出してしまいました。そんなたっくんを抱きしめると、サンタさんは優しくたっくんに語りかけます。


「たっくん。まず大切なのは気づくことなんじゃ。勉強もただやっているだけではほとんど意味がない。それから何ができるか、学んだことから何かに気づかなければ意味がないんじゃ。たっくんは今、他の人のことを考えなければならないということに気がつけたじゃろう?」

「ぅん」

「それができたらいいんじゃよ」

「ぅん」


サンタさんの話を聞き終えた時、たっくんの顔からは涙が消えていました。代わりに、瞳には強い決意が生まれていました。


「それで、たっくんの欲しいものはなんじゃ?」

「ぼくが欲しいものはーーー」








サンタさんはたっくんが眠ったことを確認して、たっくんからもらった手紙を取り出します。


『さんたさんへ


ぼくがほしいものは


ママのしあわせとけんこうです。


妹のリンちゃんのしあわせとけんこうです。


犬のクウたのしあわせとけんこうです。


パパのしあわせとけんこうです。


バーバのしあわせとけんこうです。


ジージーのしあわせとけんこうです。


ぼくにはなにもいりません。


1つだけじゃなくて、できればぜんぶほしいです。


わがままでごめんなさん。


たくみ』


サンタさんはこの手紙を魔法のペンでこっそり書き直します。


『かぞくみんながしあわせとけんこうになりますように』


サンタさんは良い子のたっくんのためにプレゼントを用意しに、空の向こうへ飛んでいきました。












クリスマス、皆さんは楽しみですか?

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