ななちぃ
「ズズーン」、「ズガガガガ」、「ギャギャギャギャ!」
、、、う、うるさいなぁ。
あたしは目を覚した。どうやら寝ちゃってたみたい、、、昨夜は色々不思議な事があったから、相当疲れてたみたいだ。
俗に言う寝落ちしたみたい。新しいスマホを弄っていたのまでは覚えているけど、、起きたくないなぁ、、このまま、目を瞑って寝ていたい気持ち。
《佳奈子ちゃ、、、、ん、、、起きて!》突然、頭の中に声が響いた!、、、例のテレパシー???
それにしても、昨日聞いた?と思われるネコのキュウちゃんの声では無かった、ハスキーで囁く様なお姉さんぽい声、、、なんか聞き覚えがある様な。
「わっ!これってななちぃの声‼じゃん!」〈ガバッ〉と言う擬音に近い動作で私は目を開けると同時に跳ね起きた!
あたしは机の上にうつ伏せに寝ていたらしく、まず目の前に自分の涎でべっとりと濡れた右の手首をチラ見してしまったが、左手で軽く持っているスマホからキラキラした光が発光しているのに気付いた。
目の焦点が合ってくると、あたしの机の上のほうに立体映像が映し出されているのだった。
映像は一人の女性、、、というか、間違いない、未来の勇者!ことにゃん!の主要メンバーの一人である《ななちぃ》があたしの方を見て微笑んでいた。
「こんにちは、佳奈子ちゃん。私は桐院前那奈と言います。そこより少し先の時代で地球を守ってるメンバーの一人です、、、、、、、、ビックリ、、、、させてごめんなさい、、、その時代のスマホアプリに付いている指紋認証から判別されるDNAの解析により、、、、佳奈子ちゃんの潜在能力を調べさせて貰ってました」
「ええええ?なんで、ななちぃが、、、」それ以上言葉が出ない。。。
「その時代に放映されてるドラマは、、、、、、未来で本当に起きてる事なの、、、いえ、実際には未来で二つの世界線が絡み合ってバランスを、、、、、、、、、取っていると言った方が良いかも、、、あっごめん、、ちょっと待っててね!今、戦闘中なんだ!、、、」
ななちぃの声が途切れて、《ドガガガ、、、バリバリバリバリ、、、スガーン!!》と凄い音が聞こえた。
「、、、一体なんの事を言ってるのかさっぱり、、、」と呟くあたし。
立体映像からから消えていたななちぃがまた現れた。
「あ、ごめんね!ちょっとヘルメット装備しないと、漢闘鋼獣からの攻撃が、、、、」
ホントだ!たまにドラマで見た白いカッコ良いヘルメットみたいの被ってる!
「反重力ホバー起動!スッパイラルッカッター三連撃シュー!!!、、、、、、、あっごめんごめん、、、、そうよね、突然、言われても驚いてしまうかも知れないけど、そのままだと28年後の地球に住んでる人間の未来は、、、ありま、、、せん、、、違う、、、世界線のインキュベーター同士の闘いに巻き込まれて、、、、、くっ、、、、、殆、、どの少女達は地球外や他の世界線に連れ去られてしまって、敵インキュベーターの手先の漢闘鋼星人にほぼ制圧されてしまっている、、、の、、、で、、そ、、、」
急にスマホから照らされてる光が消失してしまった。
スマホの画面を見てみると【接続不安定により時空通信は突然終了しました】という赤い文字表示が中央に出て点滅した後、透き通った透明の画面に戻ってしまった。
『ああぁ!電池切れにゃん!』と声がする。、、あ、また、テレパシーかっ、、慣れないよ。
スマホから目を離すと、机の上にキュウちゃんが横になって寝そべっていた。
キュウちゃんは前足をペロペロ舐めながら、
『戦闘中の上司のななちぃの代わりに説明するにゃん。今、向こうは戦闘中だけど、この世界線の未来の時間は平行に進んでいるから一刻もムダに出来ないにゃん』と〈言った〉
(今後は面倒くさいからテレパシーも〈言った〉って事にするね、、、てっ誰に話してるんだろあたしw)
戦闘中に説明してくるって事は、、、よっぽど時間が切羽詰まっているんだろう、、、もしかしたら、これも夢かも知れないし、、、キュウちゃんの話を聞く事にした。
ちなみにスマホの充電方法は昨日、箱を開けたら普通のスマホと変わらない感じだったので充電が終わるまでの間、この不思議な事象の説明を聞く事にした。
そして、あたしに何をして欲しいと云うのだろう?
あたしは普通の中学生だし、、、随分未来に起きる話なら、その時はおばさんかお婆ちゃんになってるじゃん。。。