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4

「私見たんです。柊さんが、女の人と手を繋いで歩いているのを!」


青山のカフェに着いた瑞穂は、ぐっとワインを飲み干して語る。


「それはさっきも聞いたよ。どんな人だった?」


食後のコーヒーを飲みながら、優は首を傾げる。


「どんな人って聞かれても、よくわかりませんけど……。髪が長くて、なんかふわふわした感じの人でした」


「髪が長くてふわふわねぇ」


抽象的し過ぎて逆にわからない。優とさゆりは顔を見合わせる。


「あと、柏木さんも見ました。ブティックの前で、女の腰を抱いて歩いてたんです。確か……白いワンピースを着た人でした」


「白いワンピースか。まぁ確かに、深雪ちゃんが着そうな服ね」


しかしやはり、これだけでは不確かだ。


眉を寄せて考え込んでいると、今まで黙っていた華江が口を開く。


「ちょっとあなた達。何故そんなに彼女の旦那を暴きたがるの?」


仕事のミスを叱る様な口調に、3人は僅かにたじろぐ。


「なんか気になるじゃないですか」


瑞穂は消え入りそうな声で呟く。


「気になるのはわかるけれど、プライバシーの侵害よ。ただ噂話をしている程度なら未だしも、これはやりすぎね」


「はい……」


「すみません」


続いて優とさゆりも目を伏せる。


確かにこれは、やりすぎたかもしれない。気になるあまり、暴走しかけてしまっていた。


「全く。仕事もこのくらい精が出ればいいんだけれどね。ちなみにあの2人の連れは深雪ちゃんじゃないわ」


「え!?本当ですか?」


叱られたばかりだというのに、3人は身を乗り出す。


「多分ね。少なくとも柏木さんの方は違ったわね。身長差があったもの」


「身長差?」


「そう。前に見たけど、深雪ちゃんの背は、柏木さんの肩くらいだったでしょう。今日の子は、明らかにそれより低かったもの。ヒールで多少高くはなっても、低くなる事は有り得ないだろうし」


「そう、ですよね。全然気付かなかった」


一緒に目撃したにも関わらず、瑞穂は気付けなかった。


思わず華江の洞察力の鋭さに関心してしまう。


「とにかく、この話はやめにしましょう。せっかく4人揃ったんだし、どこか行かない?近くの駐車場に車を停めているの。ドライブがてらね」


「あ、はい!」


華江はキーを持って立ち上がると、3人を連れてオープンカフェを後にした。

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