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02

今日は、私の16歳の誕生日。

我が家でお祝いのパーティーが開かれる。

去年までは、放置の私の誕生日だったけど、16歳の誕生日は成人を祝い社交デビューの御披露目となるためいつもとは違う。

私は将来の王妃。

例え家族が私を嫌いでも、この日だけは、伯爵家の威信をかけて準備されていた。まぁ。義理の母と父は、主役ではないけどパーティーに出席する妹の準備に忙しく主役の 私の準備は、業者に丸投げだけど。。

妹の準備で手がいっぱの私の両親のかわりに、招待状など細々と準備してくれたのは亡母の公爵家だ。

亡き母の公爵家の祖父母は、私の父と折り合いが悪くほとんど交流はなかった。でも、この16歳をもって私は公爵家の養子になる。

なぜって?

私が未来の王妃だから。

王族と結婚するには、伯爵家ではちょっと身分が足りない。

私が王太子の婚約者となれたのは、母が公爵家の娘だったからだ。母の公爵家は、国でも随一の名門貴族で、祖父は宰相だ。

国力強化のため、政治的にもがっちり結ばれたいところだか公爵家に息子はいても娘はいなかった。

そこで、私が選ばれた。

将来は公爵家の娘として嫁入りするために。

公爵家としては私は貴重な駒だったのだろう。

本当は、16歳のパーティーは公爵家が全て準備するはずだったが、父が「伯爵家の娘である!」と強行した。

周りは、父が手離す娘のために最後に手をかけたいのだろうと見なしてるが、そんなんじゃないのは私が一番わかってる。

準備だって業者丸投げだもん。

招待状も公爵家が気にかけてくれなけば、自分で全てするところでした。

父は、とても外面がいい。周りにいい顔をしたいのと、王族と縁が出来るのを見せつけたいんだと思う。

私は。。わかっていても少し期待した胸が痛い。


「お久しぶりです。今日は私のために有難うございます。エディ様」

パーティーが始まると、私をエスコートするため、エディ様が現れた。

半年ぶりにお会いしたエディ様は、私をみて少し驚いた顔をした。

…そんなに私の表情は怖いのかしら?確かに今日は緊張でいつも以上にポーカーフェイスになっている。

それでも、少し視線を外して、

「アリア。今日はおめでとう」

そう一言言ってくれた。

エディ様のおめでとうがとても嬉しかった。

毎年届く私の誕生日プレゼントにエディ様は「おめでとう」とカードをつけてくれていた。誕生日に私におめでとうと言ってくれるのはエディ様だけだった。

父達からもプレゼントは届いたが、カードもお祝いの言葉もなかったから。今日、直接言って貰えて私の胸は高鳴った。。

まぁ。完全なポーカーフェイスで

「有難うございます。」そうお礼いったけどね。

周りは、ざわざわとしていた。

「まぁ。エディ様にもニコリともしないのね?」

「さすが、噂の人形令嬢だね。」

こそこそと交わされる言葉がきこえる。

でも、嬉しけれぱ嬉しいほど、緊張すれば緊張するほど、ポーカーフェイスになってしまう。

本当は、久々にお会いしたエディ様に胸はときめいてるし、お祝いの言葉も嬉しかった。

私は、本当に可愛くない。


パーティーが始まり、ファーストダンスをエディ様と踊る。

私がおしゃべりを上手に出来ないからか、エディ様もなかなか話しずらいようで淡々とダンスを踊る。

でも、ダンスは上手に踊れたと思う!

頑張ってきた妃教育の成果は出たはず。

その後は、エディ様と少し離れて私は招待客からのお祝いの言葉を受けていた。

公爵家からは、何年ぶりだろう。。

お祖母様とお祖父様。伯父様伯母様とエディ様と同学年の従兄弟ローレンがいた。ちなみにエディ様は私の3歳上になる。

「久しぶり。アリア。…少しはニコリとしろよ。可愛げないぞ。」

ローレンに呆れられたようにいわれた。

私もわかってる。

でも、緊張で表情筋が少しも動かない。。

いつも以上に動かない!

そんな事はいえないので、

「…善処いたします。」

そんな更に可愛くない事しか言えなかった。

次々とやってくる挨拶を一通り終え、挨拶する客が途絶えたので、会場を見渡すと、華やかな一群がみえた。


エディ様と、ローレンと他にも将軍の息子や侯爵家の子息、周りの令嬢の視線を独り占めしてる軍団だ。

そこに、見覚えのある顔をみつけた。

…妹のエリナが頬を薔薇色に染め可愛い笑顔で、エディ様達と話をして笑っていた。


本来ならエリナは社交デビュー前でパーティーには出られない。

でも、今回は、我が家の伯爵家主宰、更には家を出る姉のお祝いということで特別に参加していたのだ。

義母が、何ヵ月もかけて選んだ花ようなピンクのドレスを来て、誰もが振り返るだろう満面の笑顔。

華やかで楽しそうなその雰囲気に私は立ちすくむ。。


そこに私の居場所はみあたらなかった。



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