ずるい。
続き書いちゃった。
私は、どうしても言わずにはいられなかった。
「ねえ、ちょっと確認しときたいんだけど」
「ん? なに?」
「あのさあ、私ってあんたのなに?」
「へ? そりゃ恋人だろ、違ったっけ?」
「違わないわよ。恋人ってわかってるんだ」
ならよけいに言わずにはいられない。
「じゃあさ、なんでいつも下ばかり見てるのよ?」
「アリさんや虫さんがいたら悪いだろ」
「は? そりゃいるでしょうよ、地面だもの」
「だろ? だからだよ」
「よくわかんないんだけど?」
「アリさんや虫さんが困るだろ、こっちがよけてあげないと」
「……まあいいわ。じゃあこれは?」
私は上を向きながら歩いてみた。
「下だけじゃなくて、上もよく見ながら歩いてるよね?」
「ああ、よく見てるなあ。そんなに俺見てて楽しい?」
「楽しいに決まってるでしょ! ってそうじゃなくて、なんでなのよっ」
「だってさあ、空見てると気持ちいいじゃん。雲とかさ」
だんだん腹が立ってきた。
「はいはいそうですか、アリや雲が好きなんだね、よ~くわかりましたっ!」
「なに怒ってんだ?」
「なにってあんたねえ! 私がどんだけあんたを……」
……。
「ばかだなあ、お前を見ながらなんて歩けないよ?」
「……なんでよ?」
「お前以外目に入らなくなって、いざって時に守れないだろ?」
ずるい。
なんだかこの二人、書いてて気になってきちゃった。
もしかしたらまた続きを……?