表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/29

●第3章 冒険者として  ~3話 てんどんとつんでれ

「――――成程のう。あ奴らが、結婚とはのう。時がたつのも早いものよ」


 どこかで聞いた会話のやり取り。


「ああ。でまあ、これからはこの子達と一緒に組んでいこうかと思っていてな」


「なんじゃったかのう。そうじゃ――」


 嫌な予感がするフェイン。


「ロリい」


「違うからな。瑠璃色の乙女だぞ」


 てんどんである。


 


 つまらなそうに舌打ちする老エルフのソニアを他所に、フェイン一行は鍛冶屋のドーバから聞いていた放置ぎみの依頼について確認する。


「うむ。魔道具の製作に必要な素材を依頼しているのだが、中々受けてくれる冒険者がおらんのでの」


 フェインは依頼の詳しい内容を聞くと依頼が不人気な理由を察した。


 ソニアが依頼した素材採取に必要なレベルや金額自体は問題ないのだが、3つある素材の入手場所がてんでバラバラなのである。


「なあ、これって、別々に依頼したほうが良かったんじゃないか」


「ふん。最近の冒険者は軟弱なもんじゃのう」


 と言ってはいるが、個別だと依頼料がかさむのだ。



 結局、急ぎの依頼ではないが、このままだと受けてくれそうな冒険者もいない。


『瑠璃色の乙女』の面々をチラリと見たソニアと目が合う期待に満ちた少女たちの眼差し。


「はあ~。わかった、わかった。近いうちに冒険者ギルドで、お主ら、瑠璃色の乙女に指名しておくわい。といってもそこまで急ぎではないからのう。ギルドの近くに行った時にでも変更しておくわい」


「おお。よろしくな」


 フェインはシルファ、モモ、エリメラ、ククルフィールに向けて頷いた。


「「有難う御座います!!」」


 ふん、とソニアはめんどくさそうな顔をしているが、ただ照れているだけなのだが。


 ニヤニヤ笑うフェインを「何も買わないなら帰れ、帰れ」とソニアは追い出すのであった。




(ツンデレだな)


 と店を出たフェインは、ククルフィールをそっと見る。


(エルフはツンデレ率が高いのだろうか。そういえば村長もツンデレキャラだったな)


 何? と言うククルフィールと目が合うと、フェインは他の3人にも聞こえるように話す。


「どうだった? 営業はこんな感じだが、それぞれ冒険者のやり方があるからな。自分なりの方法を探していけばいい。あと無理強いはするなよ~」


「「はい」」


 元気よく返事する4人。


「けど、直ぐに資金を手に入れるのは難しいのではないのしょうか」


 直ぐにエリメラが疑問の声を上げた。


「そうだな。よし!一旦ギルドに行くぞ」


 フェインは少し考えて次なる手に向けて行動するのであった。





 ギルドに到着した5人は依頼掲示板を確認する。


 依頼にはそれぞれランク分けされており、ランクの低い順から、E・F・D級となり、C級とそしてB級はただのB級か上級が付くかの2パターンに分かれている。そして最後にA級となっている。


 掲示板に掛かっている木札は、その殆どが、C級以下の依頼であり、C級とB級が僅かに掛かっているだけで、B上級とA級の木札は見当たらない。


「ん。わたしたち受けれる依頼ない」


 ぼんやりとした口調でモモが呟く。


 バルバリア城塞都市では高額で危険度の高い依頼はそこまで多くない。


 国の重要拠点でもあるバルバリアでは討伐隊が定期的に編成され、街道を含め周辺の安全を確保しているのだ。


 むしろ、交易で栄える辺境伯が納める都市などの方がむしろ冒険者ギルドは賑わっており、高額な依頼も多くなるのである。




 フェインの説明に「ん。納得」とモモは頷いた。


「じゃあ、次は特殊依頼について説明するかな。ちなみに特殊依頼は知ってたりするか?」


 ぶんぶんと首を横に振る4人。


「まあ、知らないのも仕方がないかもな。よしカウンターに向かうぞ」





「こんにちは、フェインさん。何か御用でしょうか」


 カウンターに座る、少し頭髪が怪しくなった中年の男性職員が笑顔で声を掛ける。


「ああ、実は特殊依頼があれば、と思ってな」


 男性職員は笑顔を深める。


「ええ、ええ。ありますとも」


 と一旦席から離れると、後方の棚から幾つかの木札を持ってくるとカウンターの上に並べる。


「フェイン殿、これは普通の依頼とは違うのだろうか」


 シルファが「んっ~!!」と、つま先立ちでカウンター上の木札を見ようと背伸びをしている。


 フェインと職員はその様子に顔を合わせて苦笑いを浮かべた。


 フェインはカウンター上の木札をシルファに手渡すと、シルファの持つ手札を他の3人も後ろから覗き込んだ。一見普通の依頼にも見えるのだが。





「あれ? 何だか、金額が安くない。それに、何級か書いてないわよ」


 ククルフィールが不思議そうに言うと、フェインは笑顔で「よくわかったな」と褒める。


「それがA冒険者であっても受けることができる、特殊任務だ」


 「「おー」」


(というか、本当に何もしらないんだな)


少し先行きが不安になるフェインであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ