イギリスEU離脱に関して、まとめと思う事をぐだぐだと
イギリスが国民投票でEU脱退を選択しました。
まあ、しょうがないですよね。今のEUは明らかに間違った方向に進んでいますから。沈みゆく泥船にいつまでもしがみ付かない賢明な選択と言えるでしょう。
イギリスを責める声の方が大きいのですけど、私は断言します。
EUが、悪い。
EUが存在意義を忘れ暴走した結果が、イギリス離反の、最大の理由なのです。
まずは情報をまとめてみましょう。
・ そもそもEUとは何か
ヨーロッパ内で戦争が起きないように作られた枠組みです。
主な仕事は利権の調整。利権トラブルが戦争の理由No.1ですからね。
個人的には「ヨーロッパ連邦の設立」が最終目標だったように思います。
・ なんでイギリスは離反したのか
いろんなニュースサイトを巡回して集めた話です。
一番の理由は「難民問題」という安全面での問題で、次に取り上げられるのが「他国への経済支援、イギリス人の雇用機会喪失」などの経済問題となっています。
あとは「ナショナリズムの喪失」「内政干渉」といった、「イギリスらしさ、イギリスの独自性が無くなっていくことへの危機感」でしょう。
逆に考えるとこれの反対がメリットです。
難民を受け入れなくて済むから安心を得て、他国への支援をしなくていいから経済に余裕が生まれ、イギリス文化が失われずに済む。
EU参加は、イギリスに大きな負担をかける事だったのです。
・ イギリスのデメリット
経済問題が9割です。
ポンドの暴落は深刻で、そのあおりを受けて円高となってしまうほどです。
雇用面でも他国に就職しようと思っていた学生はその道を断たれ、EU内で循環していた取引が潰れるであろう事から国内企業が打撃を受け新規雇用する体力が残らず、EUを市場とする外国企業は別のEU国家に逃げ出すでしょう。
経済面に関して言えば、EU離脱は最悪に近い一手だといえます。
・ 世界への影響
イギリスという欧州三大強国(残りはドイツとフランス)が欠けたことでEU内の派閥争いは激化し、経済面の脆弱化からメリットが弱まり、イギリス同様に離反する国が出るのはほぼ間違いないでしょう。EU崩壊の危機ですね。
イギリスポンドが暴落した結果、世界経済に大打撃が与えられました。ユーロも下落の一途をたどっています。欧米という言い方をする事からも分かるように、ヨーロッパ経済とアメリカ経済は密接な関係にあります。アメリカドルはギリギリ現状維持ですけど、下落に転ずる可能性は低くとも、鈍化すると言われています。
逆に日本円は安定・安心の通貨として買い漁られています。円高は深刻なレベルで、麻生財務大臣は国が主導して円高を防ぐといった趣旨の発言をしています。
ここまでがニュースサイトまとめです。
細かい事はニュースサイトを直接見に行ってください。
ここからは個人的見解です。
・ なぜイギリスはEUを離脱したのか? EUの難民に対する「人道的救済行為」の経緯
EUの内政干渉が厳しく、国内の統制が取れなくなったからですね。あとは行き過ぎた「人道主義」です。
難民問題で有名なのは、ドイツのアパートで起きた「共同スペースをアッラーへの祈りの場に“勝手に変えた”事件」でしょう。
難民たちは被害者であり、保護すべきだという流れがEUにはあります。
そのため、EU各国は経済規模に比例した難民受け入れを「強要」されています。
正直、この段階でも「愚かな選択」なのですが、ここまでならイギリスも許容範囲だったのですけど。問題はそのあと、EUが「難民への対策を許可しなかった」事なのです。
通常、国内の治安維持は各国の裁量によるものです。そして治安維持には「失業者対策」「法的な行動制限」といったものがあります。
そして国が国である大前提として「国民の利益を最優先にする」行動をとる必要があります。
ですがEUは「そんな事はするな」と駄目出ししたんですよ、信じられないことに。
このあたりは「EU条約(マーストリヒト条約・1993年)」「アムステルダム条約(1999年)」「共通欧州庇護制度(CEAS・2004年)」「リスボン条約(2009年)」参照です。
これらを簡単に言ってしまえば「EU加盟国は人道的精神の基、難民を保護し、自由を保障し、職の斡旋し、EUで生活するのを支援することを、EU加盟国である条件とする」って内容だと思えば大きく間違っていないです。それ以外の取り決めも多いですけど、今回の件に関して言えばそんな話です。
ですが、国を傾かせてまでするべき事ではありません。誰かを救うために自分が溺れてどうするんですか。
ついでに。地中海で難民が密入国して失敗し、死んだ事件が過去にはたくさんあります。それに対しEU世論は「難民を見殺しにするなんてとんでもない事だ。溺れているかもしれない彼らを探し、救助・保護すべきだ」なんて言っていたんですけどね。
詳しくは2012年10月3日の「ランペドゥーサの悲劇」(不法移民を乗せた船が沈没し、300人以上が命を落とした)を検索してください。
まず、難民受け入れは強制です。難民であると認めるかどうかという部分についてはある程度の裁量がありますけど、その基準すらEUがかなり口を挟んでいます。
そして「難民を強制的に追い出すことを、EUは認めていない」のです。また、「難民の行動を制限してはいけない」という内容もあります。
しかも、不法入国者にすら生命保全の観点から救助を行うように求めています。
これらはすべて「人道的精神」を主張するヨーロッパ文化から来ています。他国への死刑反対運動とかもその一つですね。
結果、何が起こったか。
難民の増大です。難民はEUに希望を見出してしまったのです。
難民というと戦争被害者というイメージの方が多いと思いますが、実はその大半が経済的困窮から「貧乏脱出のために」ヨーロッパを目指した人々です。つまり、生活向上のために自分に都合のいい国を探していただけなのです。
だからか、今の生活に追加する形で金銭的余裕や安全な生活をしたいと考えている人たちです。
しかし、難民になってヨーロッパを目指すことは命のリスクを背負う事です。地中海の藻屑と消えた「ボート難民」は年間1000人を超える死者を出していました。2000人を超えるのではという声もあります。そんなハイリスクな行為に手を染めるほど、強い覚悟はありません。
ですが、EUは世論の圧力により難民保護政策を打ち出しました。
幼い子供が溺れて死ぬ映像が電波に乗ってしまったのが原因ですかね? とにかく「死にそうな人が要るなら助けよう」と言ってしまったのです。
地中海で溺れ死ぬ不法入国者は、30分の1になったと言われています。
そしてリスクが減った事を知った貧乏国の貧乏人が、「助けてもらえるんだから」と不法入国に挑戦するようになったのです。
これが昨今問題になる難民増大の、最大の理由です。戦争が理由じゃないんですよね。
ヨーロッパは当たり前ですけど、キリスト教が最大宗派です。
そんな中にイスラム教徒の難民を受け入れさせるとどうなるか? 喧嘩などは当たり前、揉める事はむしろ前提でした。他者との協調路線を主張するEUの国民と、独自路線を貫くイスラム教徒。相容れないのは当然です。
ですが、「宗教の自由」で改宗を迫る事はしません。それが彼らの言う「人道的」だからです。
揉め事は「基本的に」放置されてきました。明確な権利侵害をしたならともかく、「協調性が無い」程度の行動に留まっていたからですけど。そのあたりの常識を持っていないわけではないのですね。……たまに捕まるレベルで問題を起こす馬鹿もいますけど。
まぁ、そんなわけで難民と仲良くなれないEU側。
宗教の問題に妥協はありませんし、しょうがないのですけど。
そうなるとどうしても国民に不満が溜まります。
イギリスがクローズアップされましたが、他の国でも難民受け入れを疑問視する声が上がっています。元は自分たちがするように言ったのに、です。
馬鹿じゃないの?
そう言ってはいけません。
死にそうな人を助けたいと思うのは、人情です。当たり前の感情です。そこで後先考えることなど、国民にはできません。
それを言ったら日本の「小泉支持派の大勝利」「民主党による一党独裁政権樹立」も何も考えず目先のことに囚われた馬鹿のした事ですし。それと同じなのですよ。
いやほんと、何がとは言いませんけど簡単すぎませんかね?
とまあ、「人道的精神」の名のもとに難民を助けようとしているEUですが、そろそろ現実が見えてきました。
トルコからEUへ来る難民の制限をはじめ、ようやく重い腰を上げましたけど。
ぶっちゃけます。
いまだに、EUが難民を救うべきだと考えている愚か者が主流派です。
現実が見えていないんですかね?
だから制限はしても、難民を受け入れ続けることを選択しています。
愚か者は半分冗談ですけど、世論対策なんですよね、これ。
というか、人権主義者対策でしょうか。
これが難民を切り捨てる事がいまだに出来ない訳です。
難民問題で反発を受けていても、です。
本来国のために動くべき政治家が、理性よりも中途半端な国民の感情で悪手を打ち続けています。
そこで理性に従えるのが政治家のあるべき姿だと思うのですが、彼らにしてみれば違うのでしょうか。
それとも難民受け入れのメリットがどこかにあり、それに私が気が付けないでいるのでしょうか。
私には分かりません。
自分が難民になったらと考えれば、そりゃあ助けてもらえる今の制度の方がいいですよ?
しかしですね、国は国として存続しようと動くべきなのです。
難民を助ける事が最終的に自国の利益にならないなら、切り捨てるべきなのです。
すでにそれを主張する「反EU派閥」はEU各国のどこにもあります。EUの規定に逆らってでも難民を切り捨てるべきだという意見が無視できないほど増えています。
断言しましょう。
EU崩壊は確定路線でした。
すでに形骸化した理想を掲げた、夢の跡でしかありません。むしろ夢の痕?
イギリスの件が無くとも、誰かどこかが言いだしていた話だったんですよ。
EUは選択を間違えたのです。
・ 今後EUはどうするべきか
当たり前ですが、難民問題の見直しです。各国の裁量権を拡大し、人道的見地による判断ではなく、経済と安全といった各国の状態に合わせ、柔軟な対応を推進するべきです。現実に足のついていない理想論など、「理想を抱いて溺死しろ」と言っているのと変わりませんし。
あとはそのことを広く知らしめ、その上でイギリスに残留を求めればよいのです。
そうやって各国に求めていいラインと、そうでないラインの見極めを慎重に行う必要があります。
今のEUは巨大な利権を盾に無理を強要しているわけですし、そういった傲慢な姿勢を改める必要もあります。
・ 総括、結論
ヨーロッパ連邦とでもいうべき一つの国になっていれば、ここまで問題は大きくなっていませんが。せめて難民受け入れを強要しなければ良かったのです。
イギリス離脱は、固まっていない地盤に対して強すぎる無理を強要したEUの失策としか言えません。
たとえメリットがあってもデメリットがそれを上回れば意味が無いのです。
イギリスの国民投票がEU離脱を決めました。
ですが、まだ離脱したわけではありません。
EUが理性に従い難民問題に立ち向かうかどうか。
それこそが問題解決に向けた、真の解決策です。