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掌編小説集3 (101話~150話)

今際の際

作者: 蹴沢缶九郎

その日、五人を無差別に殺めた男に絞首刑が執行された。


絞首台に立たされた男の首に縄がかけられ、しばらくした後、足元の台が開き、男の身体は重力に従い勢いよく落下し、(たい)は地面に落下しきる直前で止まる。


刑務官達はその様子を粛々と見守っていたが、事態は突然起こった。男の首に巻かれていた縄がブチブチと音を立てて千切れ始め、縄は完全に切断され、男の身体は地面に叩きつけられた。


男は咳き込みながら叫んだ。


「どうだ見たか!! 死刑失敗だ!! ざまーみろ!!」


室内には世の中を嘲笑うような男の笑い声が響き渡った。



死亡時刻を確認した一人の刑務官が言った。


「死刑が執行されたのに笑ってやがる。」


別の刑務官が言った。


今際(いまわ)(きわ)に、死刑が失敗した夢でも見たのだろう…。」

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