静寂の倉庫2
静寂に包まれた倉庫。そこで対峙しているのは赤髪の男と黒髪の男。
「まさか…君と殺しあう日がくるとはね。」
「はい…でも、やっぱり僕はあなたを殺したくありません。他に…他に方法はないんですか!?」
「ない。俺か君か…生き残るのはどちらか一人だ。」
「…でも、やっぱり僕は…!」
黒髪の男がためらっているうちに、赤髪の男は黒髪の男の動きを封じ、銃をかまえる。
「うっ…!」
「君は甘いんだ。だからこうなる。」
「それでも…僕は…っ!」
「どうしようもないんだ。生き残るには君を殺すしかない。もう、これしかないんだ…!」
赤髪の男の口調はいたって冷静だった。しかし、その瞳は涙であふれている。
「…ふふっ…あははははは!」
「?」
「あなたの涙を見るのはいつぶりでしょうか…?いいですよ。僕を殺してください。」
「…本当にいいのか?」
「はい。僕はあなたに生きていて欲しいんです。」
「…わかった。」
赤髪の男は引き金を引こうとする。…が、引くことができなかった。
「やっぱり…できない…君を殺すことなんて…!」
「あなたらしくないですよ。」
「俺らしくなくていい。君が俺を生かしたいように、俺も君に生きていてほしいんだ!」
「…最期にそんな顔しないでくださいよ。…しかたないですね。僕が手伝います。」
「…え?」
「じゃあ、僕の分までしっかり生きてください。」
そう言って、黒髪の男は拳銃の持った赤髪の男の手を取り、自らの眉間に押し当てる。
「…っ!何を…!?」
「…ごめんなさい。」
黒髪の男は赤髪の男の手ごと引き金を引いた。乾いた銃声が鳴り響き、黒髪の男は動かなくなった。
「あ…あああああああああああああああああああああああああああああああ!」
赤髪の男の慟哭だけが、静寂の倉庫に響いていた。




