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星の子たち1  作者: あじのこ
20/70

夏 2-4

「じゃあ、補習始めるぞー」


センセがダルそうに黒板にチョークを走らせる。


「くぅ〜!やっと学校が終わったと思ったのに、夏休みになってもまた授業を受けることになるなんて……!」


ミツキが机に突っ伏しながら嘆いた。


「自業自得だろ」


センセが冷たく返す。


「えへへ……すみません……」


その隣ではリサはしょんぼりしながらノートを開いた。


「海に行くとか言って、お前ら全員が追試受けるんじゃしょうがねえな」

「えへへっ」ミツキは頭をかきながら笑う。

「す、すみません……」リサは申し訳なさそうに縮こまる。

「……」コウリは無言で視線を逸らした。


センセは盛大に頭を抱えながらぼやく。


「いや、ミツキとリサはともかく……コウリ、お前は話が違うだろ。噂の知能はどこにいった?」

「……ボクの勝手だろ」

「ははーん。お前、2人と一緒にいたくてわざとやったな?」

「……!」


コウリの耳がほんのり赤くなる。


「なっ……そ、そんなことあるわけ……!」

「ほら、図星じゃん!」


ミツキが笑いながら肘でつつく。


「うるさい!」コウリはバサッと答案用紙をめくって、そっぽを向いた。


「で、でも……補習頑張って、追試に合格すれば海に行けるんだから!」

「ポジティブだなぁ、お前は……」


センセはため息をつきながら、机の上の赤点答案を見て、ふと遠い目をした。


「……あー、オレの教え方が悪いのかなぁ……オレ、教師向いてないのかも……」


ミツキとリサの解答用紙には、信じられないほどの珍回答が並んでいる。


「……はぁ……」


センセは机に突っ伏した。


「こんなに必死に教えてるのに、なんで伝わらねえんだ……?」

「せ、センセ……!」


リサが心配そうにセンセの前に立ち、優しく微笑んだ。


「だ、大丈夫です!センセの教え方は悪くないです!私たちがもうちょっと頑張ればいいだけで……!」


「リサ……お前……」

「センセは立派な先生です!」

「……お前、いいやつだな」


センセはじーんとしながら、リサの頭をぽんっと撫でた。


「でも、慰めるなら赤点取らないように頑張ろうな?」

「うっ……」


リサは一瞬固まり、視線を逸らした。


「……あ、あはは……」


「おい。なんで目を逸らした?」


「ち、ちがいます!私だって頑張ってるんです!」


「頑張ってるやつは ‘みんな仲良くできなかったから’ なんて書かねえんだよ!」


「えっ、それじゃダメなんですか!?」

「ダメに決まってるだろ!!」


センセのツッコミに、リサがしゅんとする。


「ふふ……」


その様子を見ながら、ミツキがくすくす笑う。


「なんだよ」

「センセ、めっちゃ先生してるじゃん」

「……バカ言え、オレは教師向いてないって言ったろ」

「ううん、めっちゃ向いてると思うよ?」


ミツキがニッと笑った。

センセは「……チッ」と舌打ちしながら、黒板を叩いた。


「はいはい、いいから授業続けるぞ!ここからはマジで覚えろ!追試落ちたら海どころじゃねえぞ!」


「「はーい!!」」

「……」


こうして、補習授業という名のセンセの奮闘が始まった――。

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