表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の子たち1  作者: あじのこ
14/70

春 1-14

「リサ!怪獣の後ろにシールド展開できるかしら?」

「う、うしろ……ですか?」

「そこでミツキに手足を狙わせて!お願いね!」

「……!クリスあんた……」

「いいから、任せなさいな!」


その時、細い道を猛スピードで駆け抜ける見覚えのあるバス。ハンドルを切る音が鋭く響き、無駄のない動きで車体を操るのは——トーマスだ。


サングラスの寡黙な男はコウリの叫び声など歯牙にもかけず、バスの窓から巨大な物体を放り投げる。その瞬間だけ、サングラスの奥の鋭い目がクリスを見据えた。


「トーマス……来たわね!」


クリスは軽々とキャッチし、すぐに“それ”を確認する。金属が手に馴染み、ずしりとした重みが心地いい。銃というにはあまりにも巨大で、砲というには精密すぎる機械。


「そ……そんなもの、どこに積んでたんだ!?まさか、“それ”をこんな街中でぶっ放すつもりじゃないだろうな……!?」

「アラ、やだ聞いてないの?魔法少女状態のミツキがいる半径10キロの中は——治外法権よ」

「はぁぁあああ!?」

「サァ、怪獣!これで勝負よ!」


クリスは笑みを浮かべると、鮮やかな手つきで機器を操作し始める。冷たい金属の感触が指先に伝わり、精密な動作が武器と一体化していく。まるで長年の相棒を扱うように、スムーズかつ正確に。


「リサ、ミツキ!急いでよ!」

「わかってる!」


リサは魔法を解放。次の瞬間、空気が震え、巨大なエネルギーシールドが展開される。光の壁はうねりながら拡大し、怪獣の動きを封じ込めるかのように周囲を覆っていく。


「ミツキ、頼んだわよ!」


クリスの目が鋭く輝く。


ミツキはその一言を受け、星の魔法弾を放つ。鮮やかな軌跡を描いた弾は怪獣の足元に着弾すると、瞬時に鎖のように絡みつき、四肢を封じる。


「シールド、そのまま維持してよ!」


リサは歯を食いしばりながら力を込め、シールドがさらに厚みを増す。


その間にも、クリスの手は無駄なく装置の設定を進めていた。金属の操作音が響き、計器が次々と反応していく。手元のスクリーンには怪獣の心臓部——光る核が映し出される。


「照準合わせ……よし、完璧!」


クリスは息を整え、指先に集中を込める。音が消えたような静寂の中——


「行くわよ、バカ野郎っ!」


引き金が引かれた瞬間、轟音が空を切り裂いた。圧縮されたエネルギーが解放され、真っ直ぐに怪獣の胸部へ。


直撃。


凄まじい爆風と閃光が炸裂し、衝撃波が周囲を揺るがす。怪獣の核が砕け、その巨体がスローモーションのように傾ぎ、ゆっくりと崩れ落ちる。


砂煙が舞い、静寂が訪れる。


クリスは肩で息をしながら、ニヤリと笑う。


「ほら、やっぱり私に任せて正解でしょ?」


砲を片付けるその手際は鮮やかで、まるで日常の一部であるかのようだった。その表情には余裕と自信が満ちていて、まさに歴戦の戦士そのものであった。

なんだ歴戦の戦士って。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ