7 異世界転移 2
私はマリエールに魔法を貰った。復興事業に欠かせない物資支援だ。復興事業の早期解決に役立った。
7 異世界転移 2
私はマリエールを掴む力を強める。
「ここにいる人達は、誰もがひもじい思いをしているわ。私、あなたの事知らないけど知り合い? あなた何故ここにいるの。あなたも被災者? あなた便利な物持っているわね。アイテムボックスていうのでしょ。それがあれば被災地に物質が届けられるわ。」
確かにアイテムボックスがあれば、被災地の救援に役立つだろう。でもマリエールの国が魔法のある国だからだ。マリエールと同じ私には魔法が獲られる可能性は高い。しかし魔法のないこの世界で認められるのか?
「アイテムボックスは魔法よ。この世界では認められないわ。」
マリエールが魔法を持てる可能性を示した事に私は驚いた。
「誰にも認められ無くてもいい。私は人々を助けたいの。だから魔法の力を与えて。」
マリエールは自分がそんな事を考えていた事を思い出した。
「いいわ。」
私が魔法の力が欲しいと願い、マリエールが私に魔法の力を与えたいと願えばそれだけで叶うと告げた。お互いに宣誓し合って、魔法の力が付いた。アイテムボックスについて説明し、マリエールと共有部分がある事を知らせた。複製、転移、フライ、回復魔法を説明した。私は食事を出し複製してアイテムボックスに入れた。2人は部屋を出て、両親と娘の3人の家族に会った。私は食事と飲み物を出して5人で食べた。食後大量の保存食と飲み物を出して家族に渡した。
私は職場復帰すると言って仮設住宅を離れた。マリエールも王城に帰った。魔法が共有化され意識を向ければ私の事が判る。私は上司に魔法の事を話し、被災民への物質支援を担う許可を得た。食事や飲み物、生活物資を複製して被災地に配った。急速な復興が可能になった。政府も魔法の能力を認め、全国の被災地だけでなく、世界中に派遣された。地位も主幹、参事と上がり、ノーベル賞候補になった。私の活躍がマリエールの楽しみになった。
貯水池の掘削工事に入った。直径300m深さ15m、非公開だが更に50mの出入り口のない、空洞がある。魔素溜まり、魔力の元である。この貯水池の周りに下水処理場、ゴミ処理場を置きスライムに処理させて、空洞に魔力を貯める。また工房も幾つか建てる。魔素溜まりは魔力を発して水道事業を担う。軌道に乗れば王都全体の下水道工事の担い手になるだろう。
掘削は、貯水池は魔導人形のアイテムボックスでの収納、地下の魔素溜まりや下水処理場、ゴミ処理場はマリエールのアイテムボックス、工房は魔導人形が作る。ここは、マリエール達の拠点になる。掘削が始まった。大量の土砂がアイテムボックスに入って行く。掘削をしていくもの。整地していくもの。コンクリートを張っていくもの。配管を通して行く者。全員が協力し合って着々と進行していく。
私はその頃、東京に帰って上司に報告していた。被災地復興は予定より早く終わった。後はそれぞれの自治体の仕事だ。私は総務大臣より呼ばれていた。私の仕事はマスコミにも放映され、論議の対象にもなっていたが、復興事業に役立った事は事実でヒロインとして扱われた。当日はマスコミも招かれて大々的なセレモニーとなった。復興事業の早期実現、その立役者としての私、その業績により主幹となった。今後ウクライナの支援に回る事になった。
王城の上下水道工事にかかった。まず貯水池の工事だ。上手く成功させて王都全体に広げたい。