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わたしの新入社員時代 昭和懐旧人物史   あの頃君は若かった。(創作小説)

作者: 舜風人

昭和45年春


わたしは二浪してやっと入った某大学を

卒業を迎えることになった

わたしはそう23才だった

わたしは迷っていた


同学生より、歳も2歳上だし

旧友ともなんか違和感を感じていたし

在学中に友人といえるのは

沖縄出身のS君と

変わり者のt君だけだったし

まあそれはともかくいわゆる好きで入った学部なので

それなり上位の成績はキープしていましたけどね


でつまり学部の指導教授から

大学院へ来ないかと誘われていたのでしたが

23才だし

更に2年も研究生活して

さてじゃあ大学教授になれるのか?

まあ無理でしょ。という思いもあったし

大学院出て一般就職って不利だしなあ

文科系の大学院ってつぶしが聞かないんだよなあ

わたしは迷っていた


結局私の家は一般庶民で父親も安給料だし

大学学費も私がアルバイトで補っていたという事情もあり


大学院は学費・生活費でも無理と判断して辞退したのでした

さてそれから就職探しです

わたしは安定志向で

公務員をいくつか受験していました

東京都とかその他の県とか

幾つか受験済みでしたが

何と全く期待してなかった

G県の公務員試験に合格していたのです

まったく行く気もないマアタダ流れで受験しただけなのに合格とは

皮肉ですよね?

東京は不合格でした


仕方なくG県の面接を受けて

わたしはなんと福祉課に就職内定したのでした

福祉なんて無縁だった私が福祉ですか??


勿論縁もゆかりのないG県です

担当の人から

下宿先を紹介してもらい

さっそく赴任したのでした

荷物といっても蒲団と鍋釜栗でしたから簡単でしたよ

赴任先は福祉課で

いわゆる障碍者や老人担当でしたね

50年以上昔の事なのでまあよく覚えていませんが

たしか

障碍者の相談担当とかそういう内容だったとおもいます

自宅訪問したり

生活援助したり

まあそんな内容です。

またtく初めての事ばかりでした

それまで福祉なんてまったく知らなかったからです


それでも見様見真似で何とか日々やりくりしたのです


いまさら焼けて故郷に帰っても仕事もないだろうしね

なんとかがんばるしかなかったからです

それでも数か月たつと

それなり余裕も出てきて

うまく回るようになったから不思議ですね

余裕が出てくると周りも見えるようになってきて

障碍者といってもいろんな事情の多様な人がいることも見えてきました

今でも覚えてる人物としては

朝鮮出身の方とか

その地方の名家の女性とか

いろんな人がいました


中でも私が心惹かれた人が

片足に障害がある20歳の女性で

その人に私はいわゆる恋してしまったのでした

恋に理由はありませんよね?

半年後に思い切って告白しましたが

返事は

「あなたの言ってくれて事は一生忘れませんが

 ごめんなさい」というものでした


なんで?

わかりません


それっきり彼女は他県に就職してしまって

二度と会うこともなくなってしまったからです

かくして初恋は終わったのです

さてそんな私もその職場で3年つとめて


とある事情でそこから転職することになり

また知らぬ他県へ行くことになったのです

まあこれが私の新入社員時代の思い出の

大雑把な記録になります

あれから気が付けば50年が瞬く間に過ぎ去りました

気が付けば私はとっくに70才を超えているのでした

人生なんてまさにあっという間の出来事です

若さも

消えて

いま私は立派な高齢者そのものなのです

人生って

すぎさってみれば

あっという間の

正に夢のようなものなんですね


そう

つくづくと感じる

今日この頃の

わたしなのです。

あの頃君はあんなにも

若かったのに

そうして未来は

永遠に続くと信じていたというのに。

過ぎ去ってみればあっという間に過ぎなかったんだね?


青春も

若さも

そして

私自身の人生も





































































































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