残酷な現実
どちらかというとペシミストです。
現実が残酷だとしたら
とことん残酷な世界を想定するのが
現実的にものを考えるってことかもって思って
あたしは頭をめぐらせてみた
どこもかしこも 血まみれの血みどろで
道路のアスファルトじゅうにガムが吐き捨ててある
ちくしょう また踏んじゃった!
猫は一匹もいないし
犬はかろうじて いないこともないけど
こわいほえかたをするでっかいやつだけだ
解散したあのバンドも二度と再結成しないし
好きな映画の続編も 鑑なきゃよかったって出来
カレーライスもお米にあんまりルーがかかってなくて
福神漬けでなんとか食べきるうえに
ハンバーガーはかじってるうちに
どんどんずれてきちゃって
さいごのひとくちはしたのうえのパンとレタスだけなの
チーズとハンバーグはしかたないにしても
したのパンまでのこってないだなんて
——したのパンなどいない!!
そんで 人間は
ほかのだれかなんかどうなったってかまわないひとと
ほかのだれかのことをじぶんのつごうのいいように
きめつけるひとの 二種類しかいない
きっとそんな世界
あぁ なんて残酷なんだ!!
いくらこの現実が残酷だとしても
あたしの想定した世界ほどではないだろう
だとしたら ひょっとすると
この現実よりもっと残酷な世界が
ありえるってことにもなるのなら
変ないいかただけど なぐさめにはなる
残酷だけど そこまでひどくない現実を
あたしの想定した世界ほど
救いのないものにしないためにも
あたしはなけなしの愛をふりしぼって
生きていきたいと思うし
みんなにもそうしてほしいな
猫が一匹もいなくならないうちに!
オプティミストというより、いい加減で無関心なだけなのです。