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幽霊屋敷の化け物 ②

 勇者メロンはエクスカリバーでどろどろゾンビを切りつける。

 ダメージはあるようだがすぐに傷は修復されてしまうようだった。私も光属性の魔法を連発しダメージを与え続ける。

 すると、どろどろゾンビは動きを止めた。そして、顔が赤く染まっていく。


「怒ったぜ、どろどろゾンビ!」

「おうともよ! ここからが正念場だな!」


 勇者メロンは盾を構える。私も何が来てもいいかのように態勢を整えた。すると、どろどろゾンビはずるずると這いあがってきた。

 そして、ものすごいスピードでこちらめがけて走ってくる。


「えっ、これは逃げるしかない!」

「駆け上がれ!」


 私たちはどろどろゾンビに追われる戦いが始まった。

 延々と続く階段を駆け上がる。下がどろどろゾンビによって浸食されていき、階段が腐食し始めた。

 石造りの階段だぞ……? 石が腐ってるって……。触れたらダメっぽいな。この速度では近接で戦うのはまず無理だ。


 私たちは攻撃をやめ、階段を全力で駆け上がるが。


「書斎が見えてこないぞ! どうなっている!?」

「結構な距離を走ってるのにまだ書斎につかないのか……」


 走ること十分。

 書斎が見えてこない。というか、同じ場所を延々と走っているような感覚があった。もしかしてこの階段は延々と続くのではないだろうか……。

 私はそう仮定を立て、すぐに攻略法を模索し始める。

 どうやってこの状況に対処すべきか。もし近接だけだったら触れるだけでアウトなものにどうやって勝てというのか。


 ゲームには必ず攻略法がある。この閉鎖された階段で、どこかに抜け道があるはずだ。

 

 私は壁を手で触りながら走ることにした。


「何してる!?」

「攻略方法を探してる! 死にたくないし!」

「壁に何かあったりするのか!?」

「こういうのってどこかにスイッチがあるでしょ!」


 私がそう言いながら全力で走っていると、なにかくぼみのようなものがあり、そこには何かスイッチのようなものがあった。

 私はすぐに押すと、何かが動いた音が聞こえた。


 光が見えてくる。私たちはその光に飛び込んだ。


「……書斎?」

「ヨクココマデキタ」


 と、いつぞやの化け物が私たちの前に立っていた。

 化け物は3体。包丁を構えており、私たちを殺そうと……しているようには見えない。化け物は私たちを追ってきたあのどろどろゾンビめがけて走っていく。


「えっ、手助けしてくれる展開!?」

「ウム」

「タダ、倒スコトハムリダ。毒ヲ無力化スルコトダケ……」


 そういって、化け物はどろどろゾンビにまとわりつき、じたばたと暴れていた。

 シュウウ……と溶けていくような音がなくなる。赤く染まっていた体は緑色に戻り、すごく疲れた顔をしていた。

 私はチャンスだとメロンに告げて、全魔力を使って天翔神通力を使う。


「最後の大技やるぜ?」

「これで最後にする」


 エクスカリバーを構える勇者メロン。私は神通力を放った。

 それと同時に、勇者メロンはエクスカリバーでどろどろゾンビを切り裂いたのだった。


 どろどろゾンビは、うめき声を上げた後、そのまま地面に倒れ伏せ、消えていく。どうやら私たちの勝ちのようだ。

 化け物たちも、満足そうな顔をして、どんどん薄れていく。


「我々ノ役目ハ終ワリ……。コノ屋敷ニハモウ留マルコトハナイ……」

「アリガトウ」


 といって、化け物も消えていく。

 不気味だった屋敷にはもう化け物はいなくなったようだった。私たちはハイタッチで、勝利の喜びをかみしめる。

 そして、また再び階段を降りていく。階段を降りていった先に、この鍵を使うところがあるはずだ。


「何が眠っているのかな?」

「山分けだぞ、イナリ!」

「当たり前!」


 ボスを倒してこの屋敷を浄化したのだ。

 なにかいいものあるかなー?












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― 新着の感想 ―
[一言] これで幸せに眠れます、おやすみ
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