ジャイアントオーク戦 ①
ボスがいるのはノートル平原とウラヤマ山道の狭間の道らしい。
そこにはデカいオークが立ち塞がり、岩で進路を妨害しているらしい。オークか。女騎士とオークは定番の組み合わせだよな。
くっころは時代を風靡したことあるし。
「オークか……」
「オークに何か思い出でもあるんですかー?」
「いや……。ママのチャンネルで言うには卑猥すぎるからやめておく」
「何を想像してるんですか……」
「昔、オーク×女騎士のエロ本にはまってたなって……」
「この話題ダメです。さっさと倒しに行きましょう!」
私にとってオークはもはや青春だったといっても過言ではない。オークがいるから女騎士はくっころするのか、女騎士がいるからオークは屈服させるのか。卵が先か鶏が先かの問題だ。
私たちはウラヤマ山道に続く道についた時だった。
崖の上から岩が落ちてくる。私たちはそれをよけると、デカい二足歩行の豚がデカい槍を抱えてこちらをにらみつけてきていた。
「ブモォオオオオオ!」
「くっころ!!」
「屈するの早いわ!?」
私は武器を取り出した。
ママは相変わらず双剣使い。私はとりあえず初手狐火を放つ。小さな火の玉がオークを襲うが、オークはその狐火を持っている槍で振り払った。
そして、オークは両手で私をつかんだ。これはまさか……!
「エロ漫画で見た展開だ! くっ、殺せ……!」
オークは地面に思い切り私をたたきつける。
結構痛いな。オークのレベルを越してるぐらいにはレベルを上げてるんだけれど、それでもこんだけ食らうってことは大技のような感じもするな。
私は起き上がり、再びメイスを握りしめる。
「大丈夫!?」
「なんとか! 捕まれて叩きつけられるの私でも結構痛かったんで即死レベルっす! 気を付けて!」
「わかったわ!」
ママは双剣でオークに攻撃を仕掛けた。
私もオークの脛めがけてメイスを振るう。オークは脛を抑えて飛び回っていた。ダメージも結構入ったようだ。
そりゃ弁慶だって泣くところだぞ! 痛いに決まってる! だが世の中にはそんな痛みも快楽に感じてしまう変態がいるらしい。末恐ろしいよな、人間の性癖って。
「ブモ……ブモォオオオオオ!」
オークは鼻息を荒くしていた。
どうやら怒ってしまったらしい。前作やほかの会社のゲームだと怒り状態は与えるダメージが増えるが、受けるダメージも増えるという仕様なのだが、このゲームでもそうなんだろうか?
だとすると、一撃も食らってる余裕はないな。
オークはじたばたと地団太を踏み、そして、大きく息を吸ったかと思うと、そのまま炎のブレスを吐いてきたのだった。
思わぬブレス攻撃に、私は近くにあった木に上る。が、ママはそのブレスが直撃してしまった。
「あつっ! 熱いわっ! 結構体力持ってかれちゃったわね……」
「そりゃ持ってかれますわな……! でも、怒ってるってことは体力があまりなさそうっすよ! 今がチャンスっす!」
「そうね! ここで引いてる暇なんかないわ!」
私はメイスを思い切り振るったのだった。