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シラクス雪山にて

 仕方ないので、私はカメゾーとフォクスの二人をシラクス雪山に案内した。

 シラクス雪山の中間部に進化の泉がある。これはママと私で発見したものだ。進化の泉は各地にあるようで、シラクス雪山の進化の泉もその各地の一つ。

 進化の泉って魔物が出る場所にしかないようだ。


「リーダー! 僕のたっ君が動かなくなった……」

「情けないねぇ。うちのセンコちゃんは元気だというのに」

「そりゃ爬虫類にこの寒さきついでしょ……」


 私たちはアバターの体だから平気だけれど、その馬鹿でかい亀はこの世界の魔物だ。爬虫類って雪山とかに生息はあまりしてないイメージあるし。

 北海道に蛇とかいるけど冬の時期とかそこまで見ないしな。


「もう送り返して自分で歩けよカメゾー……」

「嫌だ! 僕はたっ君を送り返したくない! 僕たちはいつも一緒なんだ!」

「めんどくせえ……。じゃああんたが抱えて歩きなよ……」

「その手があったか!」


 カメゾーは亀を持ち上げ、うおおおおと雪山を歩く。

 進化の泉についた。フォクスとカメゾーは進化の泉を見るのは初めてのようで、さっそく進化の泉に飛び込んだのだが。

 水面に顔を出してきて、何も進化しないと言っていた。


「……じゃあ条件を満たしてないんじゃない? 進化の」

「なに!? 進化に条件があるのか!?」

「私も具体的な条件はわかんないですけどありますよ?」

「なん……だと……」


 これももうネット攻略サイトに載っている情報なんですけど。この人たち何も調べずに聞きに来たんだな……。

 少しは調べてきてほしいんですけど……。ここまで来た意味がないよねぇ……。私としてはタダで協力させられてる手前何も得られなかったっていう結果が一番嫌なんですけど!


「くそう! 私ももっとふわふわになりたかった!」

「たっ君、僕はまだ君になれない……」


 二人は悲しみに明け暮れていた。

 帰ろうと二人を促し、帰り道を歩いていると、突然私の足元が崩れ落ちる。


「えっ?」


 私は雪庇の上に立っていたようで、その下はクレバス。氷の割れ目だった。私はそれに気づかず足を踏み入れたようで、そのまま下に落下していく。

 飛行スキルがないから飛べねえしどうやって着地しよう!? ってか暗くて何も見えないしどうしたらいいものか……。


 私はあれこれ考えていると、そういやあいつがいたと気づく。


「ウイング! 助けてぇ!」


 私はウイングを召喚した。

 ウイングは私をキャッチし、空を飛ぶ。


「ありがとう、ウイング」


 ウイングは得意げに鼻息を吹く。

 私はウイングに指示を出して上に行こうかと思ったが……。下が気になる。めちゃくちゃ深いし、何かないかなと思い、私はとりあえず底を目指すことにした。

 ウイングで空を飛んで帰ればいいしな。それに、ウイングは電気を使える。光ることができるし探索に関して超便利。


 ウイングはゆっくり下に向かうと、地面のようなものがあった。ウイングに電気であたり一面を照らすように告げると、一気に光が広がっていく。

 太陽すら届かないクレバスの内部。道のようなものではなく、これまでに落ちてきた人たちの骨が冷凍保存されている。軽くホラーだな。


 私が捜索していた時。

 何やら部屋のようなものを見つけた。私はその部屋に入っていくと。


「宝、箱……?」


 宝箱があった。













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[一言] 不幸中の幸運
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