閻魔大王と天狐
進化するにどうしたらいいか。
この魔界の進化の池……。話を聞く限り、ものすごい進化を遂げる超すごい進化の池だと感じ取れる。
「ほほう、その池を探しているのかね?」
「はい、探して……って誰おっさん!?」
私は驚いて飛びのくと、そのおっさんはひげをさすりながら笑っていた。
頭の上には閻魔と書かれた帽子をかぶっている。もしかしてこの人が閻魔大王……? 絶対そうだなと思いながら、見ていると。
周りの妖怪がひれ伏し始めた。
「ははは、そうひれ伏さんでもよい。ほうほう。ものすごい妖力を感じてみればお祭り狐……。九尾の特殊進化じゃな」
「は、はぁ」
「なるほどなるほど。そなたは……。ふむ、たしかに進化する器じゃな」
「えっ、まじすか?」
「ああ。その池に飛び込めば今でも進化できるじゃろう。アナザードラゴンに出会って、唾をつけられているからな」
……アナザードラゴン?
そういえば、アナザードラゴンの加護を受け取っている。それか。気にしたことなかったけど……。
「アナザードラゴンに認められた強者しか、進化はできぬ。お前も、実力者なのだな」
「らしいっすね……」
「いいだろう。ならば進化するがよい!」
「えっ」
「ワシが連れて行ってやる!」
というので、閻魔大王は私を抱え、ぴょんっと大きく飛び跳ねた。
空を飛んでいる。アンテ達は足にしがみつきやってきたようだった。その様子を見て笑っている閻魔大王。
そして、知らない森の中にある泉にやってきたのだった。ピンク色に染まっている泉。何かいやらしいことでも始まる? 夜伽?
「ほら、入るがよい」
「このいかにもピンク色なの嫌なんですけど」
「文句を言うな」
というので、私は飛び込んでみる。
《進化条件を満たしています》
《アナザードラゴンの加護が消え、進化を開始いたします》
《種族:天狐 に進化しました》
《種族スキル:天翔神通力 を取得しました》
そういうアナウンスが聞こえ、私は水面から顔を出す。
陸に上がると、黄色だった私の尻尾が白く染まっていて、自分をスクショして自分を見てみると、あの隈取が消えて、白い狐の耳が生えている。それに、今更なのだが尻尾の数が4つに減っている。
「ほほう、やはり天狐か。ランクでいえばSSランク、わしと同じだな」
「そんなすごい妖怪なんすか……」
「ああ。だが、もうそれ以上進化はないぞ。それが九尾の最大進化なのだ」
「そうなんすか……」
私は取得したスキル、天翔神通力を見てみる。
消費MPに応じ、相手に与えるダメージが違うらしい。消費MPを200消費したら600相手にダメージを与える。要するに、消費MPの3倍のダメージを相手に与えるスキルだということ。敵全体ということなので複数銭湯に有利だ。
それに、ステータスも少し変化している。
『玉藻イナリ Lv.43
HP:800/1200
MP:9870/9870
攻撃力:560
防御力:800
魔法攻撃力:1200
魔法防御力:1100』
という風になっている。めっちゃステータスが上がってるし、なぜか知らないんだけど、攻撃力のほうが低くなってもう魔法使いで生きるしかない感じがする。
うそでしょ? メイス意味ないじゃん。魔法で攻撃したほうがはるかに効率いいじゃん? いや、まぁ、九尾の時点でちょっとだけ魔法攻撃力のほうが高かったけど。ってか、このレベルで1000越えてるのはめちゃくちゃおかしいし、MPに関してはマジで伸びてる。今まで800くらいだったのが一気に9000くらい伸びてるんですけど。
進化って大事なんだな……。
「すっげえステータス伸びてる!」
「えげつないわネ」
「すごいですねぇ……。あ、でも魔法攻撃のほうが強いんですね。メイスじゃなくて杖をおつくり致しますかぁ……?」
「一応お願い」
魔法のスキル一切取得してないけど。
これメイスでやるの一種の縛りプレイなんだよな……。
「我も進化したい!」
「無理だ。アナザードラゴンと出会い、認められていなければ進化はできん」
「アナザードラゴンって……この世界と何らかの関係が?」
「アナザードラゴンはこの世界を作ったドラゴンだ」
まじすか。
そんなやばいやつだったんすか。




