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ある日PKにあったんだけどさ

 それは突然起きる。

 私が配信していると、突然背後から誰かに突き刺されたのだった。


「んなっ……」


 急所で的確にダメージが入り、私は一撃では死ななかったが、何度も突き刺されて、そのままキルされてログアウトさせられたのだった。

 突然のことで何が起きてるかわからなかったけど……。PK行為だっていうことに気づく。配信も途切れてしまい、私はSNSにすぐさま謝罪のツイートだけしておいた。


 PKさせられちゃったなぁ。油断していた私も悪いんだけど、何が目的でこんなことするんだろうな。結構同接も多かったのに切れちゃった。

 今日はこのまま配信終わる……っていうのもなんだかなぁ。私は仕方ないのでデスペナルティであるログイン10分間制限を経過し、再びログアウトしてまた配信を開いたのだった。






「ってことが前ありましてねぇ!」


 私はそのことをママたちに報告した。

 不知火さん、リキエルさん、ママとはあのコラボ以降から定期的に交流するようになった。不知火さんとリキエルさんは私のことを調べたらしく、マジの女子高生だって知って驚いていた。


「PKねぇ……。心当たりはあるかしら。そういうのに狙われた理由は……」

「ないですねぇ。そもそもあまり知らないプレイヤーとは関わってないですし」

「となると怨恨ではないかな? 何か恨みを買うことは……」

「買ったとしても都民くらいですよ」

「あぁ……やりそう……」

「まぁやりかねねえだろ。あんな民度じゃ」

「私も腑に落ちるねぇ」

「ですよねぇ」


 私の学校に殺害予告まで送ってくるぐらいの連中なんだから……。

 私が辟易としていると私の目の前には桜さんが現れた。桜さんは流れるように私たちの目の前で土下座をし始めたのだった。


「すいませんでしたぁあああああああああ!」

「えっ」

「おや?」

「あらあら」


 ママは桜さんの本当の性格がわかっているから驚いていないが、ほか二人は驚いていた。ほか二人も一応桜さんとはコラボしたことあるらしいが、めちゃくちゃむかつく小娘という話をしていた。

 その桜さんが頭を下げている。そのことに動揺を隠せていない。


「まずなんの謝罪ですか?」

「先日っ……! 私のリスナーが、DMで”桜様がむかつく相手を殺してきました”って言ってまして……。詳しく聞いたら、私と同じで炎上して休止してないイナリさんをゲームで殺した、と」

「あー」

「私もあの時配信を見てまして……。誰だと思ったら自分のリスナーで……。ほんっと、申し訳ございませんでしたああああああ!」


 なるほど。なるほどなぁ。やっぱ都民か。


「私からもきつく言いましたし、何度もツイートしているんです。今回の炎上は私が悪く、周りに迷惑をかけるようなことはやめてと」

「たしかに何度もツイートしているのを見たな」

「それでも治まらないって相当やばい集団だねぇ」

「先輩方にそう言われるのも仕方がないです……。以前までの私は生意気で世間知らずなバカガキでしたから……」

「おや、理解していたのかい? 自分を」

「ふふ。この子は自分の推しであるイナリちゃんとコラボしたくて必死だったみたいなんです」

「ふぅん。やったことは褒められたことじゃねえが、そういう気合は褒めてやるよ。んで、謝罪だけで済ますつもりはねえよな? あたしたちにしたこともだが、お前のリスナーのせいでゲームの中でとはいえ殺されてるんだぜ? 謝罪だけでなぁなぁに済ますわけねえだろ?」

「もちろんです! これから私は……頭を丸めて四国八十八か所巡りをして……」

「ちょっとまたんかい」


 私は思わず引き留めてしまった。


「覚悟重すぎない? 頭丸めるって……坊主にするの?」

「推しに迷惑をかけるなんて言語道断! 私がまとめてなかったのが悪いんです! 女が大事にすると言ったら髪の毛! 命と同価値の髪の毛を捧げて私は精神を改めに……」

「極端すぎんだろ……。なにもそこまでしろってわけじゃねえよ……」


 私もリキエルさんの言葉と同意見。そこまでしろとは言っていない。割と何でも受け入れるママでさえぽかんとしているぞ。

 不知火さんも唖然としている。


「それ以外で示してやれよ。リスナーをまとめ切れてないテメエも悪いけどよ、一番悪いのはやった奴だ。それ相応の報いを受けてもらわなくちゃ困るぜ」

「でもどうやって?」

「例えばだな……」

「都民が迷惑をかけたという話を聞いたら即引退というのは?」

「あー」

「それだとアンチがファンを名乗って迷惑行為をすればすぐに引退しちまうだろ」

「そうだねぇ。結局のところ、見ているだけのリスナーには何の罰も与えられないってことさ」

「なら活動停止処分を撤回してもらってはどうかしら」


 ママがそう提案したのだった。


「桜ちゃんは大きく変わったけれど……。それを知る機会ってリスナーの皆さんにはないでしょう? 謝罪ツイート、注意喚起ツイートはしているけれどそれだけだと知る由もないリスナーとかっていると思うの。マネージャーがそう呟いてるんじゃないかって勘繰る人もいるわ。だから、行動で示すのよ。桜ちゃん自身が」

「私自身が……」

「あなたがよければ、私から社長に交渉してみるわ。どう?」

「お願いします……! 私はもう変わったんだって示したいんです!」

「……その心意気、あたしは買ったぜ! あたしからも言ってやる!」

「第一期生の我輩からも告げておこう。この中だったら一番の先輩だからね」


 たしかに。

 不知火さんが第一期生で、リキエルさんが第三期生だっけ。大手の事務所っていっぺんに何人もデビューするから覚えきれないんだよなぁ。


「思い立ったが吉日! 早速行こうぜ!」

「了解だ」

「ええ」

「え、私は?」

「お前も社長に……」

「……イナリちゃんはアローライフ所属じゃなかったですねぇ」

「ふむ、我輩たちとなじんでいるからつい所属だと思っていたよ」

「えぇ……」


 一応私、個人勢です。












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