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全力で!

 この島ってものすごくやばい場所なのでは?

 私がそう気づいたのはそう……。この泉の前に来たときだった。


「ポテチの花の大量群生に付近にはコーラの泉ですと!? これってもう何かの罠なんすかねぇ!?」

「いいじゃねえか! ポテチ&コーラ! これ以上のない最強の組み合わせ! いただこうぜ! ゲームの中だから太る心配もねェしな!」


 ということで私はコーラの泉でコーラをくみ上げ、ポテチの花畑に移動する。

 私はポテチの花の花弁を一枚食べてみた。


「うすしお味だ。おいし~……」

「こっちはコンソメ味だぜ。うめぇなぁ! やっぱポテチつったらコーラがいるわ!」


 なにこのぐ~たら空間。

 私はママのほうの不知火さんのほうの配信を開いてみた。すると、ママたちはまたあのチョコレートマウンテンの山頂を目指してるようだった。

 なにかあると踏んで登ってるんだろうなァと思いつつ、私たちはぐ~たらしていた。


『あのー、不知火先輩。リキエルさんたち、ポテチを食べてぐーたらしてます』

『なんだと!? 我々がこんなにも苦労しているのにか!?』

『イナリちゃんは私たちの配信を見て様子を確認してるようですが……。リキエルちゃんは完全にぐ~たらモードです~』

『……よし、羨ましいから今からでもそっち行こうか』


 分断作戦はどうした。


「あのー、リキエルさん。不知火さんたちこっちきそうなんですけど」

「なんだと!? それはまずい! ぐーたらしてる余裕はないぜ!」

「お、動き出した」

「もとはといえばこんな黄金のコンビが近くにあるからっ……! この取った分だけはもったいないので食べるとして探索しようぜ!」


 おお、食い意地はってるぅ。

 取った分って言ってましたけどそれ言う前にがばっとめちゃくちゃ取りましたよね? 絶対食べたくて取りましたよね?

 こういう、ぐーたら行為ばっかしてるとバチがあたり……。と、私は後ろを振り返る。陰のようなものが私に覆いかぶさっていたのに気づいたからだ。

 私は振り返るとそこには……。


「ちょちょ、食べてる暇ないっすよリキエルさん!」

「なんじゃこの熊ぁ!?」

「わかんないっすけど戦うしかなさそうっすよ!? いきなり背後取られてビビったぜい!」


 蜂蜜のような液体を体から垂れ流しているクマがいた。

 鑑定してみるとはちみつベアーという名前の魔物だった。汗がはちみつらしい。蜂蜜って蜂が集める蜜だから蜂蜜じゃないんか……?

 いや、そんなことはおいておいて。


「宵闇神楽発動! 祭囃子もセットでな!」

「よっしゃ! やるぜ!」


 私は宵闇神楽を発動し、リキエルさんと一緒に祭囃子でバフをかけて戦うことになった。 

 

『なにこれ!?』

『イナリちゃんのスキル!?』

『めっちゃオサレ!』

『こういうスキルあるんだ……』


 そういえばリキエルさん側のリスナーは初見でしたね。


「おー、すげぇ空間だな! 縁日みてぇに屋台がおり並び、祭囃子が鳴り響く。和太鼓の音か? すげぇ。バフ効果あんのかよ」

「がっつり消費MP持ってかれるんでしばらく使えないですけどね」

「十分だ! このはちみつベアー倒すぜイナリィ!」

「合点承知の助!」


 リキエルさんの武器は拳のようだった。

 何も手に付けず、リキエルさんははちみつベアーめがけてグーパンチ。音速のパンチだったが、はちみつベアーは怯まなかった。

 ダメージは入ったであろうが、あまり痛がるようなダメージではない。


「オラァ!」


 私もメイスでぶん殴るが……。

 ヌルッと蜂蜜で少し軌道がそれる。その瞬間私は確信したので宵闇神楽を解いた。そして、私と居リキエルさんは全力で走りだす。


「ありゃ私たちじゃ無理ですね!」

「あの蜂蜜のせいで打撃じゃ大したダメージにならねぇ! あたしら両方とも打撃属性だからなァ!?」

「手刀ってワンチャン斬撃属性とかじゃないっすかねぇ!?」

「恐ろしく早い手刀じゃないと無理だろ! いや、あれで切れるのは漫画だけだ!」

「ですよねぇ!?」


 あのクマめっちゃ追いかけてくるスピードが速すぎる!?

 クマって時速60kmは出るって聞いたな……。逃げるの無理ゲーじゃないかなぁ!?


「どうしますよリキエルさん!」

「どうするもこうするも思いつかねえよ! まずは全力で逃げろォ!」










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