炎上大丈夫でしたか?
3Dモデルの撮影が終わり、アフレコも終わった。
私はそろそろ北海道に戻らなくちゃいけない時間になり、飛行機に搭乗し、私は北海道に戻る。楽しかった。あの3Dは動画投稿サイトに投稿するわけではなく、外国の取引先の方向けなのでちょっと公開できないのは残念だが……。だがしかし、いろいろと技術と……機材をもらってしまった。機材のほうはあとで郵送で送ってくれるらしく、3Dの動かし方などはだいたい理解できたから今度それで動画も作れるな。
で、北海道に帰ってきてゲームしてるわけなのだが。
「イナリ様! 本当に申し訳ございませんでした!」
「すまなかった」
ログインするや否や、二人が頭を下げてきた。
「あー、いいよいいよ。マルーンはゲーム解放されたんだよね?」
「イナリ様が父を説得してくれたおかげです……。本当にありがとうございます……!」
「あはは……。ま、私も今度から気を付けるよ」
「いえ、すべてはボクたちが悪いのです。なにかけじめを……」
「いいって。それよりフォーチュンとスコティッシュとかは?」
「フォーチュンはスコティッシュの依頼で素材採取に向かっている」
「ヒバナは料理レベルを上げると厨房にこもっておりますね。作物も収穫できたのでカブ料理を作っているようです」
カブ料理で料理のレベル上げか。感心なことだ。
「しばらくログインしてなかったし二人にも一応あいさつしなきゃ。いるんでしょ?」
「おります」
「わかった。ごめんね。二人とも」
私は二人に謝り、厨房のほうに向かう。厨房ではフライパンを片手に調理台に向かうヒバナがいた。ヒバナはすぐにこちらに気づく。
「イナリ様! 炎上のほうは大丈夫だったっすか!?」
「なんとかね……」
「ネットって些細なことで炎上するんすね! 気を付けないと!」
「そうだね……。細心の注意を払って生きてくよ」
「そのほうがいいっす! 推しが叩かれてる姿あんまり見たいものではないっすからね! アンチコメント見るだけでうわって気持ちになるのに」
ヒバナはSNSをよく見て、私推しの方のツイートをよく探してるらしい。その時に、たまに私に対するアンチコメントとか見てしまい嫌な気持ちになるんだとか。
好きだとか嫌いだとかは別に自由だからいいんだけど、あまりSNSでネガティブなことは話さないに限る。ヒバナも実際、ネガティブなことはそこまで呟かないようだ。
私とヒバナが話していると、厨房の扉が開かれてスコティッシュが入ってくる。
「ヒバナさぁん! 頼まれてた熱血のフライパンが出来ましたぁ~! ってイナリさんん!? 大丈夫でしたかぁ!?」
「大丈夫大丈夫。心配かけたね」
「いえ~……。炎上、怖いですねぇ……。今後気を付けてくださいねぇ……。私の推しが叩かれまくってるのを見るのは私としても嫌なのでぇ……」
「やっぱそうなんだ」
「自分の好きなものや好きな人を否定されてる感じがして嫌なんです……。私自身、人の悪口を見るのも言うのも好きではないので……」
「スコティッシュはめちゃくちゃ偉いな……。私もたまーに悪口言うのに」
「そういうの、昔嫌というほど見てきたんです……。陰で友達の悪口言う女の子とか、手紙をやり取りしてある男の子が嫌いという女の子とか……。それを見て嫌になりました……」
「あー、いるいる」
女の子ってそういうのいるわ。
小学生とかならもう特にいる。まだ子供だから、本人に言わないくらいの判断力くらいしかない。口は禍の元とは知らずに発言するからな……。
女の子って怖いんだよ。まじで。気が強い子なんてそりゃもういじめたりはするし、カースト上位になると気に入らなかったらいじめてもいいというような認識あるし。
「いるっすよねー。そういうの。人様の悪口言う暇があれば自己研鑽したほうが世のため人のため身のためになるっす!」
「そうそう。ヒバナの心構えが一番大事」
悪口言うぐらいなら自分を磨いたほうがいいのです。




