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初3D

 社長は1年前はこんな大きな会社ではあったが、低迷に低迷が重なり、倒産寸前だったらしい。海外の大事な取引先が乗り換えてしまい、どんどん乗り換えられて取引先がいなくなってしまったということがあった。

 落ち込んで、そして、そろそろ父さんも間近と思ったとき、私の配信を見て一気にファンになったようで。


「海外に必死に売り込みをし、イナリ様の配信を見せたのです。そしたら大うけで! イナリ様可愛いと言っていただけて、オタク仲間だということで取引してもらえることになったのです。それが海外でも波及し、どこいってもイナリオタクといわれて、嬉しそうにしてくれるのです。今度、それぞれの取引先の方が日本に来たいというので、観光ガイドを製作してくれないかという依頼を受けました。私は、彼らと繋がれたきっかけであるイナリ様に、依頼をしたい」

「まじすか」


 なんで私が会社を立て直す懸け橋になってるんですか? おかしいですよね? いや、私ってたかが女子高生ジャン?

 まじイミフ~! イミフすぎてパネェ~!


「よかったわね。海外でもVは人気らしいわ。アローライフでも海外向けに売り出してる子もいるの」

「そうなんですか……。じゃなくて! なんか私の知らないところで私が活躍しすぎてません!?」

「私を助けると思ってお願いします!」

「いや、引き受けますけど! なんか知らないところで会社立て直すための材料になってるの驚きしかないんですけど!?」


 そこまで私が重い存在だったんですか!? 私がもし引退しますとか言ったら終わるんじゃねえかな。すっげえ重いんですけど。


「原稿とかは用意してくれてるんですよね?」

「はい。有名な観光名所はすでに映像を撮っておりまして、あとはイナリ様のアバターを映像の中に走らせて……」

「走らせ、る?」

「はい」

「それってもしかしてモーションキャプチャーとかやる感じっすか?」

「やっていただく形になるかと」

「3D?」

「はい」


 まじで。


「やります! 3Dになれるんすよね!? なったことないんでやります!」

「そ、そうですか! ありがとうございます! 乗り気でうれしいです!」

「そういや、アバターはずっと2Dだものねぇ。アローライフに来なさいな。支援してくれるわ」

「個人勢のほうがNGないのでいかないっす!」

「ふふ。やっぱそうよね」


 初めての3D撮影できるーーーー! 嬉しいーーーーー!

 やっぱ大企業とかは資本がちげえや! 私がやる場合、全部私がやる必要があるからな! なかなか簡単に3Dなんてできないんですよ! 助かるーーーー!


「いつやりましょうか!」

「そうですね……。明日やりましょう!」

「了解です! では、私はとりあえずホテル探してきます!」

「いえ、ホテルは私たちが手配いたしましょう。イナリ様には、労力をかけさせません!」

「いいんすか!? そこまで施してくれるなんて……。嬉しいです! ありがとうございます!」

「そ、その代わりと言ってはなんですが」


 お、交換条件か?


「ありがとう、重治くんと一言いただけませんか! イナリ様!」

「ありがとう、重治くん♡ だーいすき!」

「ありがとうございます、ありがとうございます」


 めっちゃ手をすり合わせて拝んでくれた。

 この人、熱狂的な私信者ですねぇ。













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