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死なば諸共

 天津風 リリスさんとママとで一緒にカフェを楽しんでいた。

 さっきまでは炎上の話ばかりしていたが……話題は今度は都城 桜に移っていた。同じ事務所に所属しているってだけあり、めちゃくちゃ不満点が二人にある。

 ママは聞いたけど……。


「正直……桜が活動停止になってくれてほっとしてるっす。あれはやめるのも時間の問題っすねぇ。やめて絶対転生するっすよ。個人勢として。あいつにとって大事なのは配信っすからねー」

「活動停止に今でも文句言ってるんでしょう?」

「そうっすね。そういうことが伝えられた日……うちと犬塚は受け入れたんすけど都城だけはめちゃくちゃ社長に抗議してました」


 天津風さんはそのときのことを詳しく説明し始めた。

 都城さんは活動停止処分を聞いておかしいだろという反論をしたらしい。すべては都民が勝手にやったことだし、そういうのはルールになかったなどと言っていた。

 ルールになくても守るべきモラルはあると社長は言葉を返して、なら最初からルールに書いとけばいいとか言っていた。

 悪いのは私たちのほうなんですけどね。


「まぁひどかったっすよ。ダメだったとしてもうちらと処分の重さが違うっすから。うちはまだ1か月とか決まってるんすけどあっちは無期限だし」

「なんとなく言ってることは想像つくわ」

「その想像通りで、なんで処分が違うんだ、あいつらも無期限だろとかなんとか……。うち、炎上したの今回が初めてなんすけどね」

「そうねぇ」

「何回もひどく炎上し、自分のリスナーすら抑えられないから妥当なんすけどね。ただ社長は今めちゃくちゃ奔走してるっぽいんすよ」

「奔走?」

「ほら……都民ってうちらからしてもものすげー性格がアレじゃないっすか。無期限活動停止処分を決めた社長に殺害予告とか送られてるらしいっす」


 マジで送る人いるんだ……。

 殺害予告までするほどか? たしかにそういうの受けたら社長も動く必要はあるよな。殺害予告も立派な犯罪だもんな……。


「そういうのマジであるんすね」

「うちらにも送られてきてるっすよ? うちらあてに同じ処分にならなきゃ殺すなんて書かれてます。死なば諸共って感じ?」

「えぇ……」

「今回炎上したV、そして社長とかかかわった人々全員調べ上げて送ってる感じがするっすねぇ」

「……」


 私がそういうと同時に私のスマホが鳴る。

 親からだった。私は電話に出ると、学校から呼び出しを食らってるとのこと。そういや私、大体の情報がばれてますもんね。

 学校に送られた可能性が高いな私は。私は少し憂鬱になりながら、今どこって言われたのでカフェって答えて、学校まで車で送迎してもらうことになった。


「どうしたの?」

「学校から呼び出しっすよ。多分、都民が私の学校にそういうの送ったのかなぁ」

「あー、全部バレてるもんね」

「ばれてるうえで活動してるんすね……」

「まぁ、普段の行いはいいほうなのでなんとかなるっすよ。多分」


 でも憂鬱だなぁ。

 私も炎上したし、そういう情報がばれてるし、学校側もそれにあやかって私を使って宣伝してるしでいろいろとウィンウィン見たいな感じだったんだけど何言われるのかなぁ。


 学校につき、私は職員室に向かう。


「吉備津、お前にこういうの届いていた」

「殺害予告っすよね?」

「そうだ。炎上したからか?」

「炎上したからっていうよりかは……炎上したVが死なば諸共って感じで道連れになれって脅してる感じっすね」

「なるほど。理解した。お前も気をつけなさい。ネットは怖いんだから」

「うっす」

「それと……ロロちゃんファンからありがとうっていうメッセージカードもたくさん届いてるぞ」

「まじすか」

「ああ。お前にそんな過去があったとはな。先生見直したぞ」

「大体偶然ですけどねー」

「殺害予告のほうは先生方がなんとかするから、このメッセージカードだけは持って帰ったらどうだ?」

「了解っす」


 私はメッセージカードを受け取り、待機していた母さんの車に乗り込んだ。


「どうだった?」

「あまり怒られなかった。説明したら普通にわかってくれたのと、ロロちゃんっていたでしょ? そのファンからこういうメッセージカードが届いたって」

「ロロちゃんを助けてくれてありがとう……ふぅん。いい人もいるものね」


 母さんも少しうれしそうだった。











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― 新着の感想 ―
[一言] 現実とフィクションを区別する方法をまだ知らない人がいることは悲しいことです。 有害な少数派のせいでコミュニティ全体が悪者扱いされるのを見るのは本当にひどいことだ
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