シースネイクを探して ①
私が今日も今日とてゲームをしようとしてログインした。
ログインすると、お知らせのところにメッセージがあった。開いてみると、公式からの通知で第一回イベントを8月の5日に行うということ。
プレイヤーが参加するかどうかを選べるらしく、参加する場合ははいを押してくださいと書かれている。
イベントの内容はというと、宝探しらしい。
宝を探して、総合ポイントで競い合うようだ。特設された世界へ送られるらしい。イベント内容としてはまぁ普通。
でも、公式イベントは参加するっきゃあるまい?
「8月5日はちょうど私の誕生日だ」
私が生まれた日、そしてVTuber始めたのも8月5日。運命を感じる。誕生日配信+そのイベント配信ができるな。
ま、何はともあれ誕生日がちょっと待ち遠しい。
「なんで私がカメゾーに連れまわされてんの?」
「ふっ……。君も所属はしていないが動物愛護団体の一員だと思っているからね……」
「いや、動物は好きだけどテイマーで生きてくつもりは毛頭ないよ」
「君は名誉会員さ」
「いらねぇ……」
カメゾーは動物愛護団体というクランのリーダーをしているらしい。まぁ、前作でもそうだったからね。こいつ馬鹿みたいに強い魔物育てるし、テイマーとして優秀なんだけど変なんだよなぁ。
「で、誕生日の日にイベントだろう? 運命だね」
「運営とはね」
「何を言うんだい? 僕の現実世界でのトカゲのペット、ぐーちゃんと同じ誕生日さ……」
「えぇ……」
「8月5日は運命の日だよ。君は見た目も動物だろう? なら動物愛護団体にいてもおかしくはないじゃないか」
「いや、おかしいよね? お前んとこテイマーしか入れられないっていうくせに私だけ除外されるのおかしいよね? ってか私クラン普通に作ってるし入れねえし名誉会員もいらねえ」
「つれないな……」
カメゾーはぼやいていた。
「まぁ、話しているうちについたようだ。洞窟に」
「ここに本当にそういう魔物いるのぉ?」
「いるとも! 僕はきちんと生息地まで確認した。さぁ、待っていてくれシースネイクよ!」
王都から少し行った先には海の町がある。
海の町には波の洞穴という洞窟があり、海水によって削られてできた洞穴のようだった。中には鉱石が採れるスポットがあったりするし、魔物もでる。結構入り組んだ迷路みたいになっている。
「カメゾー一人で行きなよ」
「何を言う? 一人だと……心細いだろ?」
「いまさら何を言うんだ」
「それに、僕みたいな変なのを扱えるのは君だけさ」
「私がまるで変人に慣れてるみたいな口調やめろ」
たしかに変人が二人くらいうちのクランにいるけど!
まぁここまで来てしまったものは仕方ないし、シースネイクの姿も見てみたいしな。シースネイクは低確率で出会える蛇系の魔物らしい。
蛇もまぁ、爬虫類だしな……。こいつのストライクゾーンではある。が、蛇はなぁ……。触手とか丸呑みシチュを思い出してどうもムラムラするから苦手なんだよなぁ。
「蛇に丸呑みされるシチュエーションか……」
「……そういう想像する君も十分に変だねぇ」
「いや、そういうのをおかずにする人もいるから……。私は女の体も好きだけどっ……そういうシチュも好きだからっ……! 丸呑みよくない?」
「常人とはだいぶ変わった異常性癖だと僕は思うよ」
「えぇ!? ウツボカズラに丸呑みとか、蛇に丸呑みされて胃で溶かされるとかめちゃくちゃ興奮するでしょ!? 私がおかしいの!?」
「おかしい」
「長い蛇にがんじがらめにされて女の子の下の……」
「僕も男の子だ。それ以上はいけないよ」
そのシチュが大好きな私が異常性癖だとでもいうんですか! 私はノーマルです!!!!




