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幽霊屋敷に眠る秘宝 ③

 化け物が私にとって安全と分かったところで私は書斎から持ち出していた鍵を取りだした。


「それは何の鍵だ?」

「わかんない。けど二階の書斎にあったんだ。この屋敷に入って鍵穴なんてもの見てないよね」

「ああ」


 この鍵はどこに使うものなのか。

 この金色の鍵はその財宝が隠されたところにあるであろう鍵としか思えない。私たちはまずこの鍵の鍵穴を探す必要があった。

 

「まず二階の書斎に行こう。あそこにまだ何かあるよ」

「わかった。化け物に襲われることはないっていうだけでも結構な安心感があるな。イナリ様様だぜ」

「私って昔から運がいいからねぇ。運の良さだけで生きてる女ってだけです」


 二階に駆け上がり、さっき動いたものを調べることにした。

 机に頭をぶつけた際、何かのスイッチを押してしまったらしい。狐火を浮かせ、当たりを照らすと、本棚が動いている。

 本棚の奥には隠し部屋があるらしい。いかにもって感じだな。


 私たちはその隠し部屋の中に入ろうとすると、さっきの化け物が私たちの背後に立っていた。


「……私たちを殺す気になっちゃった?」

「イヤ」

「じゃあなんでそんな必死に追いかけてきてるんだ?」

「ソッチハダメ……。同類デモ殺ス化け物が眠ッテル……」

「ソッチニ黄金ハナイ……。モウチョット強クなって、来イ」

「死ニタク、ナイナラ、止マレ」


 ということだ。

 この先に行くとどうやらこの屋敷のボスがいるらしい。魔物が出る時点でそうだろうなとは思っていたが……。

 私は素直に信じることにした。勝てない相手に果敢に挑むのは無謀にもほどがある。私たちは素直に引き下がる。


「優しいな。そんなに同類の私を死なせたくないか」

「同類ハ、ミンナヤサシイ。人間、殺スノハ、我々ノ、役目」

「使命ハ、全ウシナイト、消サレル」

「ツイテコイ、財宝ヲ、与エル」

「わかった」


 私たちはその化け物についていく。

 化け物たちは一階に降りて食堂の冷蔵庫を開き、何かのスイッチを押した。すると、地下に続く階段が現れる。

 その階段を降りていった先にあったのはなんとたくさんの財宝だった。財宝が眠っているという噂は本当だったのだ。


「すっげ、これ全部財宝? もらってっていい?」

「好キナダケ、持ッテイケ」

「我々ニハ、必要ノナイ」

「わかった。折半だな、メロン」

「ああ!」


 私はたくさんある財宝をしまっていく。

 これ全部売ったらいくらくらいになるんだろうなー。結構いい額はいくんじゃないかなーと下衆い考えをしつつ、アイテムをしまっていく。

 この財宝の中にはもちろん、ものすごくいい武器もあった。鬼の金棒というメイスがあり、私はそれをもらうことにした。


「うひゃあ、もうイベントリが満タンだ! ありがと!」

「イインダ、用ガ、済ンダラ、出テイク、コトヲ、ススメル」

「アマリ、長居、シナイホウガ、イイ」

「そうだね。じゃ、この屋敷でよっか」

「そうだな。財宝も手に入れたし、用はないな」


 私たちはすぐさま屋敷を脱出したのだった。

 屋敷からの帰り道。メロンはいい屋敷だったがまた行きたくないという旨を語っていた。


「だね。でも、多分行かなきゃいけないと思うんだよねもっかいぐらいは」

「なんで?」

「あの眠ってる化け物だよ。財宝が別の場所にあったってことは、眠ってる化け物は財宝を守るために存在してるわけじゃないってことだよね?」

「そうなるな」

「となると、あの化け物はそれ以外の役目があるはず。まさか別のところに財宝を隠しておいて、あのボスを倒す必要がないっていう感じにしてるんだからまだ何かあるんだよ。結局あの金の鍵は化け物に回収されたけど、使ってないわけだしさ?」

「そうか……。だったらまだ行く理由があるというわけか」


 あの屋敷ではまだ何かがある。

 その何かは、今の私たちのレベルだとできないことなんだろうな。となると、ものすごく強い魔物がいるに違いない。

 あの屋敷は王都付近にあるのがマジで危険にもほどがある。解体されなかったのはあの化け物と眠ってるボスが原因なんだろうな。


「そうなるね。リスナーのみんなは興味本位で行かないようにね? 私がいたから襲われなかったけど、あれリアルで体験したらマジ怖えーよ」

「ああ。本当にホラーだった」


 あそこのあの怪物がいるくせに魔物もでるの正直厄介だと思う。











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― 新着の感想 ―
[一言] 本当に興奮しました、この主人公が大好きです
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