表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/173

幽霊屋敷に眠る秘宝 ①

 勇者メロンとのコラボ配信が始まった。


「やぁみんな! 勇者メロン、参上だ!」

「やぁみんな! 魔王玉藻イナリ参上だ!」

「いつから魔王になったんだ」

「今さっき」


 メロンの配信は私も告知しておいたので、私のほうからも視聴者が来てくれている。


「というわけで今日は玉藻イナリさんとのコラボ配信だ! よろしく頼むぜ!」

「よろしくー。で、今日はどこ行くの?」

「今日は町はずれの屋敷に行くぜ!」

「町はずれの屋敷?」

「ああ。その屋敷では、昔、大量殺戮事件があったそうなんだ。要するに、曰く付きの物件ってやつだな」

「ああ、なるほど……。魔物は出る?」

「魔物が出現する話はあるらしいぜ」

「オッケー」


 今日はその町はずれの幽霊屋敷に向かうらしい。

 その屋敷は私たちの拠点の真反対のほうにあり、道なりに進んでいくとものすごいデカい屋敷が立っていた。

 門もあるが、鉄がさびて朽ち果てており、ものすごく古びた屋敷。


「時間が夜ってこともあり相当怖いねぇ」

「ああ。だが、勇者としていくしかない! この屋敷には、所有者だったメルト公爵家の隠し財産が眠っているという噂を聞く。狙いはその財宝だ」

「勇者なのに財宝狙うのか……」

「路銀は必要になるから有って損はない。さぁ、行くぞ!」


 メロンは木の扉を開ける。

 私たちは中に入っていった。人魂が屋敷の中を照らしている。本当に幽霊屋敷って感じだ。

 

 私たちは中に入ると。


 バタン。


 扉が勝手にしまった。私は扉を揺らしてみるが開きそうにない。ホラーの定番だな。


「後戻りはできないねぇ。さて、どこから探索していくか……。この屋敷めちゃくちゃ広いな」

「しらみつぶしに探していくしかないだろう!」


 私たちは屋敷の中を進んでいく。

 すると、魔物に遭遇した。ゾンビだった。私はメイスでぶん殴りゾンビを倒す。一応頭狙ったから倒せたのかな。ゾンビって頭か、聖なる魔法でしか倒せないと思うんだ。

 

「少し止まれ!」

「あん?」


 メロンが私を制止した。

 喋らずに黙っていると、どこからかカツン、カツンと甲高い音が聞こえてくる。足音だ。その足音はこちらに近づいてきている感じがする。

 それに、私の勘なのだが、その足音のやつと出会うのはすごくまずい気がする。


「メロン、隠れるぞ」

「わかった」


 私たちは部屋に入り、音を立てないように物陰に隠れる。

 すると、懐中電灯のような光が部屋に入ってきた。ちらちらと伺ってみると、顔がデカく、目と鼻がぐちゃぐちゃになっており、手には包丁を持っている不気味な二足歩行のゾンビみたいなやつが懐中電灯をもって歩いてきていた。

 私たちは息を殺し、声を潜める。ばれてはならない。多分あれは勝てない。徘徊系の魔物だ。


 カツン、カツンと足音が遠ざかっていく。


「なんなのだあれは」

「わかんないけど……。見つかったらだめなパターンだ。あれ。あれに要注意して探索しないといけないね」

「一気にスリルが増してきたな。燃えてきたぜ……!」

「あの光が見えた瞬間に隠れないと見つかるなあれは……。神出鬼没でどっからくるか……」


 私たちは廊下に出て再び探索を開始したのだった。

 あれと出くわしたくないな。あれは勝てない。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 魔王と勇者が力を合わせて街を救う。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ