初心者の人
武器屋にたどり着いた。
やはり私と同じ考えの人は割といるようで、武器を売りに来てる人が多かった。私もその列に並ぶと後ろから声をかけられた。
「あなたも武器を違うのに変更するのですか?」
「はい、そうですけど」
「そうなんですか! あなたって結構ゲームとかやられたりしますか?」
「まぁ、人並み以上にはやりますね?」
「そうなんですか! ちょっとお聞きしたいのですが、おすすめの武器などってありますか?」
「おすすめ? えと、あなたは……」
「あ、ユーナギと申します」
ユーナギさん。いや名前聞いてるんじゃなくて。
「いや、その……初心者の方でしょうか」
「あ、はい! あまりゲームやったことがなくて。友達が始めてお前もやろうと言って始めたのですが、右も左もわからなくて」
「あー、初心者ならそうですよね。初心者にお勧めならまずは片手剣をお勧めしますよ。片手剣は小さい盾もついてきますし、基本的な動きは片手剣で大体学べます」
「そうなんですか! ありがとうございます!」
それにしても初心者を放置するなんてとんでもない友達だな。
列になっていた人たちも徐々に進んでいき、私の番となった。私はショートソードを売り払い、とりあえず買えるギリギリのメイスを購入した。
そして、出ようと思ったのだが……。初心者のユーナギさんがどうも気になる。さすがに頑張ってくださいと見捨てるのは私としても……避けたいなぁって。
「どれがいいんでしょう」
「片手剣というか……最初は高いものがいいですよ。自分のお金がある範囲で買える一番高いもの。最初は性能がいいものを買って、金を貯めて徐々に買うんです。それに、このゲームは生産職の人もいるので、生産職のプレイヤーと仲良くなれれば店で買うより品質がいい武器とか売ってもらえますよ」
「そ、そうなんですね! では、この片手剣に致します」
ユーナギさんは値段が張る片手剣を購入した。
「助かりました。僕一人じゃ右往左往してましたよ。これから片手剣の練習をします」
「そのほうがいいですよ。とりあえず弱い魔物から倒して、動きの感覚をつかむといいかもです」
「そうなんですね。ご親切にどうも……」
「わからないところあったら、フレンドメッセージで言ってください。今フレンド申請しますので」
これも何かの出会いだから、私はとりあえずフレンド申請を送った。
メニューを開かせて、フレンドのところを開かせる。そして、私にフレンドになるという選択肢を選ばせ、ユーナギさんとフレンドになったのだった。
ユーナギさんも、私もレベルはまだ1。
ステータスで言えば
HP:50/50
MP:35/35
力:60
魔力:37
防御:35
魔法防御:32
器用さ:43
という感じ。初期ステータスがこうだ。
獣人の初期ステータスは器用さと力が多い。器用さはクリティカルになる確率みたいなもんだから、高ければ高いほどクリティカルに当たりやすかったり、生産職だと高品質のものを作りやすかったりするらしい。
私もとりあえずレベルをあげなくちゃいけないが……。その前に配信だ。
私は事前にはすでにツイートしてあるので、配信を開くことにした。
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