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二人の相性

 私は翌日、ゲームで二人を呼び出した。


「コメント欄で張り合うんじゃない!」

「す、すいません!」

「フハハハハハ! また一つ、我の歴史が増えた!」

「笑い事じゃないっての! あんたらのせいでめちゃくちゃ赤スパ飛んできてビビったんだよ!?」


 フォーチュンも嬉々として乗っかってきて、スコティッシュも空気読んでお金ないながらも赤スパ投げてきてビビったんですけど。

 スコティッシュはすいませぇん!と何度も謝っているし、フォーチュンは笑っている。


「私一応未成年だから親だって貯金残高とか見るんだからね? 昨日だけで何百万飛んできたことやら……。誕生日配信でもなんでもないのにこんだけ来たってことはあんたらが火付け役になっちゃったんだよ……。絶対お母さんにあとでどういうことって言われるんだよこっちは……」

「そうヨ。アンテ、イナリさんは一般家庭だからあんたみたいな金銭感覚じゃないノ」

「そうですよマルーンさん……。少しは普通のご家庭の金銭感覚をぉ……」

「……もしかして二人ってめっちゃ裕福な家生まれ?」

「フハハハハハ! その通りである! 我は大手出版社会長の祖父、社長の父を持つ者だァ!」

「ボクは一応貿易業の社長をしている父がおりまして……」

「なるほど。金持ちの家庭だから赤スパ投げるのためらわないんだな……」


 金持ちの金銭感覚こえー。


「じゃあスコティッシュとフォーチュンも……?」

「わ、私の家はちょっとした企業の社長ってだけでぇ……。下請けもいいところですぅ」

「私の家はただの書店ヨ。そんな大層な家ではないワ」


 二人はどうやらそこまで裕福では……。いや、書店を経営するのと下請けといえど企業を経営している時点ですごいのでは……?

 うちの父さんは中学教師だし、母さんは小学校の養護教諭だし。うちの家庭は先生が多いんだよねぇ。いや、教師を否定するわけじゃないけど。


「恐れ慄くがいい! 我の父は偉大である!」

「でもそれは君の父さんが偉いってだけで君が偉いわけじゃないだろう? あまりつけあがるんじゃない」

「なんだと……? お前も同じだろうが!」

「ボクは身の程をわきまえているからね。ボクは父みたく偉くはないし、父みたいな権力を持っているわけじゃないってのは自覚してるのだよ。君とは違うんだ」

「我も自覚はあるさ! 持てる家の力は使っておくのがいいだろう!」

「家の力にだけ頼っていては成長しないよ? もっと自分の力で努力をだね」

「そこまで! 喧嘩するなって。どっちの言い分もわかるから私は何も言わないけど……。喧嘩するのが一番みじめだからやめなって」

「うっ、たしかにそうですね。大人げありませんでした」

「申し訳ないな。その通りである!」


 この二人結構相性悪いな。

 同じ裕福な家庭ではあるが、こうも違うとは。十人十色とはよくいったものだ。


 マルーンは努力をしているが、それゆえに少し人を見下しがちな面があるし、アンテは中二病メンタルといえど家のこととか自身のことを馬鹿にされるのが嫌というプライドが強い。

 見下す奴とプライドが高い奴、そりゃ合わさるのは危険だよな。混ぜるな危険っての?


「すまなかったね。ボクが間違っていたよ。アンテさん」

「いや……我も……」

「ボクもすごい、君もすごいで解決する問題だったね。それでいいだろう」

「マルーンのそうやってすぐ折れる点を見つけられるのは才能なんじゃないかな」

「そうですか!? 嬉しいですねぇ。まぁ、ボクに弟がいまして、弟も結構強情なものですから。ボクに似て。それで慣れてるのもあるんでしょう」

「そうなんだ。弟居るんだ」

「ええ。結構生意気なクソガキでしてね。ボク以上に人を見下す癖があるんです。治さねばと思っているのですが、父も母も手を焼くほど話を聞いてくれないのですよ」


 だから折れることは慣れてるのか。すごいな。自分の非を認めるのはなかなかできないと思うけど。


「私もいろいろ迷惑かけられてますしねぇ……。マルーンさんの弟さんにぃ……」

「それならアンテの妹も負けてないワ」

「だな。我にも妹がいるのだが、雑魚とかよっわとか暴言を吐くクソガキなのだ」

「それはクソガキっていうよりメスガキなのでは」


 ざーこざーこ♡とか言ってほしいんですけど。









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